ななしのクマ

ななしのクマ、「トラヴェリング」

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ななしのクマ、「トラヴェリング」

マガジン

  • 本のこと

    月に一冊、二冊しか読みませんが、読書がすきです。本のことについて、想いのままに綴っています。

  • 台所のこと、暮らしのこと

    台所と暮らしについて。心地よい空間で暮らせるよう試行錯誤しているようすを綴っています。

  • おうちごはんのこと

    つくるのも、食べるのも、そして呑むのもだいすきです。その日つくって食べたおうちごはんのことを綴っています。

  • 映画のこと、展覧会のこと

    映画館や美術館で鑑賞するのがすきです。観に行った映画や展覧会、それから、すきなアーティストさんのことを綴っています。

最近の記事

翻訳あってこその「私のすきなサガン」

『PERFECT DAYS』に出てきたような古本屋さんは近所にはないので(あったらいいのにな)、私に身近な古本屋さんといえば、ブックオフです。 老若男女、すべてのひとにその門が開かれているブックオフ。 ムダに神経を緊張させる必要もなく、店にいてなんの優越感も劣等感も抱かずにすんで、ふらっと入って、ふらっと出ていける。 そんなよい意味での敷居の低さに、心底安心感をおぼえます。 しかも、文庫本を110円から購入できるというありがたさ。 私はその110円コーナーを、お目当ての作

    • じぶんにとって不本意な買い物だとしても、必要なモノもある

      先日購入した雑誌の付録ポスターを飾るため、ニトリへ行って額縁を買ってきました。 (雑誌を購入したときの記事はこちらです↓) 棚のなかの小物の配置換えをしたあと、その棚のとなりに皆川明さんのウサギさんポスターを飾ったのですが、やっぱりかわいいなあとホクホクしております。 雑誌にだいじに挟んでおいて、時たま広げて眺めているのもいいですが、まいにち目につく場所に飾ってたのしむのも、うっとりとたのしい時間です。 ひさしぶりのニトリでは、もうひとつお買い物をしてきました。 それ

      • 野菜をたべよう!の日

        ラーメンとか、マックとか、こってりしたものを食べたいなあ…と思う日があるように、野菜や納豆が無性に恋しくなるときがあります。 そんな日は、ああ、からだに足りてなくて欲しているのだなと解釈して、なるべくその食材をとり入れたごはんをつくるようにしています。 からだが欲しているかどうかは別として、マックやカップラーメンが食べたくなったときは、それも食べちゃいます。たまのジャンクフード、おいしいくってだいすきです(´(ェ)`) だけどきょうは、ジャンクフードではなくて野菜をたく

        • たとえケーキが焦げたとしても、きょうも愉しい一日

          ひさしぶりのお菓子づくりです。 島根旅行のおみやげとして買って帰ってきたものの、食べてしまうのがもったいなくてだいじに取っておいていた出雲ぜんざい。 それをついに、あした食べることにしました。 そこで、せっかくならと思い、和の香りが漂うお菓子をもう一品つくることにしました。 面倒くさがりの性格ゆえに、滅多にしないお菓子づくり。 でも、たまにふと思い立って、やりたくなってしまいます。 私はチョコレートがすきなので、つくるものも毎回決まってガトーショコラなのですが、こんかいだ

        翻訳あってこその「私のすきなサガン」

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        • 本のこと
          26本
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          15本
        • おうちごはんのこと
          28本
        • 映画のこと、展覧会のこと
          15本

        記事

          収納スペースの40kgぶんのダイエット

          ふたり暮らしになってからずっと扇風機のなかった我が家ですが、ついにことしから扇風機デビュー! 部屋にひとりのときは節電意識がはたらいて、クーラーをつけることを躊躇していたのですが、我慢していても、ここ数日はやっぱり暑かった…。 いまは扇風機さんのおかげで快適に過ごしています(´(ェ)`) そんな私は、やる気スイッチがはいって、さいきんは部屋の片づけにいそしんでいます。 居間や台所、本棚、食器棚など、見える場所の整理整頓は普段からこころがけているつもりなのですが、扇風機の空

          収納スペースの40kgぶんのダイエット

          私の部屋着とあこがれの空間

          梅雨明け(梅雨入りすら)もまだなのに、ここ数日で一気に暑くなりましたね。あっという間に半袖の季節です。 掃除をしたいスイッチが入っているさいきんは、クッションカバーを洗ってクッションは天日干ししたり、ぬいぐるみをお風呂(という名の洗濯機)に入れたり、ラグを天日干ししたりと、あらゆるものを洗っては干しています。 そんな私の部屋着として大活躍してくれているのは、一着の木綿のワンピース。 濃紺の地に白くてまあるい絣模様が入っているもので、前身頃とスカート裾には朱色の装飾テープ

          私の部屋着とあこがれの空間

          「おいしい」を噛みしめたい

          休日です。 だんだんと梅雨入のニュースが聞こえてくるようになってきましたね。 まだまだ先のことだなあと思っていたことが、あっという間にやってきます。 季節を感じながら、日々の生活をたいせつに暮らしてゆきたいと思いながらも、実際にはいろんなことがせわしなく、あるいはただぼんやりと、過ぎていってしまうような気がします。 だから、せめて夫とふたりで食卓を囲める日は、「おいしい」を噛みしめたい。 きょうはお家で洋食屋さんの気分だったので、シーフードトマトスパゲティ(にんにく増

          「おいしい」を噛みしめたい

          悲哀か、人生讃歌か

          風の心地よい、やさしい一日でしたね。 葉室麟氏の随筆集『柚子は九年で』をのんびりと読んでいます。 さきに読んでいた『読書の森で寝転んで』と内容が似ているお話もあったけれど、『柚子は九年で』も、葉室氏の物語に対するあたたかな眼差しを感じることができて、すきだなあと思いながらページを繰っています。 こちらの本では、漢詩を取り上げているお話がいくつかあって、個人的にはそのどれもが、こころの乾いた部分を潤してくれる清流でした。 漢詩のごく一部と、それを訳(意訳)したものを葉室氏

          悲哀か、人生讃歌か

          山菜まつり2024 番外編

          我が家の山菜まつり番外編。 母がはじめての蕨採りに行ってきたそうで、たくさんの蕨と、産直で買ってくれた姫タケを送ってくれました。 どのようにして食べようかと考えて、こんかいは山菜蕎麦にしていただくことに。 スーパーで長芋となめこも買って、準備万端です。 本日の食卓では、あらかじめ蕎麦に具材をのせてから出すのではなく、とろろと山菜をそれぞれべつの器に盛り、そこからじぶん好みの量を取りわけて食べられるスタイルにしてみました。 まさか、蕨をこんなにたくさん食べられるとは…!

          山菜まつり2024 番外編

          つよい、と、よわい

          録画していた『日曜美術館』の宇野亞喜良さんの回をくり返しくり返し見ては、御本人とその作品のすてきさに、ため息をついています。 今年で90歳という宇野さん…かっこよすぎやしませんか…!! 宇野さんのイラストレーションは、幻想的であったり、耽美であったり、ちょっと毒があったりとかするけれど、どの作品にも、エレガントな空気が残り香のようにさりげなく漂っていて、ほんとうにすてきだなあと思っています。 宇野さんの描くおんなのこは、砂のようにサラサラと、あっけなく崩れていってしまいそ

          つよい、と、よわい

          休日はゴロゴロ野菜のスープカレー

          休日です。 寝穢い私は、きょうも午前中を寝て過ごし、お昼すぎから活動開始。 家で醤油ラーメンを食べたあと、夫とふたりスーパーへ買い出しに出かけ、帰宅後はすぐに晩ごはんの準備です。 スーパーから帰ってきたのは夕方だったけれど、空はまだまだ青くて、心地のよい風がカーテンを揺らして部屋を吹き抜けてゆきます。 きょうの夜はスープカレー。 まずは手羽元を弱火でコトコト一時間。その後に舞茸も入れて、さらにひと煮立ち。 ひまわり色のル・クルーゼは、カレーをつくるときの私の相棒。 結

          休日はゴロゴロ野菜のスープカレー

          あこがれのモノが待っていてくれるしあわせ

          予約して、ずっとたのしみに待っていた雑誌が届いたので、うきうき。 『ELLE DECOR』のミナ ペルホネン特別版。ミナ ペルホネンのタイルと、デザイナーである皆川明さんが描き下ろしたポスターがついていました。 「せめて100年つづくブランドを」というコンセプトも有名なミナ ペルホネンは、数年前にその存在を知って以来、私もあこがれのブランドです。 私はミナ ペルホネンのインテリア雑貨がとくにすきで、オンラインショップを覗いては、「すてきだなあ…」と毎回うっとりしています

          あこがれのモノが待っていてくれるしあわせ

          台所の片づけとほしいモノ

          先日お迎えしたエッグベーカーの居場所をつくりたくて、台所の模様替えをしました。 私はこまごまとモノの配置を変えてゆく、ちいさな模様替えをするのがすきなのですが、片づけをするときに意識していることがひとつだけあります。 それが、「これ、絶対にここじゃないとダメかな?」と考えながら、整理をしていくことです。 「お玉は(間に合わせの)カップに立てているけれど、引き出しのなかじゃダメかな…(そうしたらカップも仕舞えてスッキリするかも)」 「代わりに引き出しのなかの調味料は、外に

          台所の片づけとほしいモノ

          そこはふたりだけの透徹した世界

          高村光太郎(高村氏のことも智恵子夫人のことも敬称略で失礼します)の『智恵子抄』をひさしぶりに読みました。 そして、泣きました。 じつは一度手放してしまったことのあるこの本は、その後やっぱり手元に置いておきたいと思いなおして、あらためて購入したものです。 私は、高村光太郎の詩に、真っすぐで、痛いほど純粋なものを感じます。 彼の生命が、彼の感情生活を含む実際の生活にピッタリとくっついていて、紡がれるすべての言葉にも、嘘がひとつもないように思えるのです。 だからこそ、妻・智恵子

          そこはふたりだけの透徹した世界

          あこがれのエッグベーカー

          夫婦旅行で島根県へ。 はじめて出かけた島根県は、地域のかたもお優しくて、すごくすてきなところで、だいすきになりました。 島根県には、私のずっとあこがれていた場所、湯町窯さんもあります。 こんかいの旅行でその湯町窯さんを訪れることができたことは、とてもうれしい思い出でした。 数年前にテレビで見かけて以来、ずっとずっとあこがれていた湯町窯のエッグベーカー。 バーナード・リーチ氏ゆかりのエッグベーカー。 土と太陽と焰が混じったような飴色をした、しあわせのエッグベーカー。 念願か

          あこがれのエッグベーカー

          その船出を祝福したいと思うのです

          ※ネタバレ注意!です。太宰治著『斜陽』の結末に言及しています。未読のかた、これから読まれる予定のかたはご注意ください※ *** 「闘争」という言葉が適切なのかわからないけれど。 でも、読みながら、なんてうつくしい闘争物語なのだろうと思ってしまいました。 このうつくしさの根底には、哀しみが横たわっていて、その哀しみはどこまでも透きとおっていて、純粋で、ハッと目の覚めるような思いがするのです。 「文豪」と呼ばれる作家たちの作品は、これまでもあまり読んできませんでしたし、これ

          その船出を祝福したいと思うのです