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いよいよ、あと1日。 8月11日

日本時間の7月26日深夜に開会式が行われた今回のオリンピックも、日本時間の明日未明の閉会式で終了。
寝不足の日々もようやく一段落します。
その直前の日本のメダルラッシュ。

陸上競技。
女子槍投げ。
北口榛花選手、金メダル。
世界チャンピオンが、オリンピックのような大きな大会で、注目されながら、世界のトップアスリートたちと競い合い、期待に応えて金メダルを獲得する。
それには信じられないよう努力と、尋常じゃない精神力が必要とされるはずです。
このオリンピックでは、例えば、男子棒高跳びで世界記録を更新したアルマンド・デュプランティス選手がそうした姿を見せてくれました。

今回の北口選手は、彼らと同様の真の王者に相応しい戦いを見せてくれたと思います。
過去の多くの大会では最終投てきで逆転で勝利してきた北口選手。
「強い選手が揃っているから、最初に投げてプレッシャーをかけよう」と狙った第1投で、65メートル80の今シーズンの自己ベスト。
トップでスタートすると、そのままこの記録が優勝記録になってしまいます。
まさに横綱相撲。
北口選手が1投目にこの記録を出した時点で、他の選手の多くは金メダルを諦めたのではないでしょうか。

満面の笑顔で何度も何度も飛び跳ねて、金メダルの喜びを表現した北口選手は、選手村で毎晩70mを投げる夢を見ていたと語っています。
競技前日に、失敗する夢を見てしまうアスリートも少なくない中で、とんでもない心臓の持ち主です。
ロスアンゼルスオリンピックでは、ぜひ70mを投げて、またその笑顔見せてうください。
なお、女子槍投げの現在の世界記録は72m28です。

男子1600mリレー。
6位入賞。
前日の予選で日本新記録を更新し4位で20年ぶりに決勝に進んだ中島佑気ジョセフ選手、川端魁人選手、佐藤風雅選手、佐藤拳太郎選手の日本リレーメンバー。
決勝レースでも2分58秒33で走り、前日の日本記録をさらに1秒15も更新するも順位は6位。
この記録でアジア記録も更新しました。
トップは2分54秒43でオリンピック記録を更新したアメリカでした。
世界の壁は高い!

男子マラソン。
赤崎暁選手が6位入賞。
バリ市街からベルサイユ宮殿などの近郊をめぐる今回のコースは、急な登り下りがあって、オリンピック史上、最も過酷なコースとの前評判。
日本からは東京オリンピック6位入賞の大迫傑選手と、初出場の赤崎選手、小山直城選手が出場しました。
赤崎選手は、登り勾配に差し掛かって大きな集団からトップ集団が抜け出るレース中盤のタイミングで上位に追走。
一時は、メダルも窺える位置をキープしていましたが、残り5キロくらいのところから前に離されるも、自己ベストを1分29秒も更新する2時間7分32秒の6位でフィニッシュしました。
大迫選手は13位、小山選手は23位でフィニッシュしています。
金メダルは2時間6分26秒でオリンピック新記録を更新した、エチオピアのタミラト・トラ選手でした。
惜しむらくは、下り坂が終わり切ったところのゼネラルテーブル。
トップグループの他の全選手が水や氷を取ったに、赤崎選手だけが取りませんでした。
あの時、もし赤崎選手が水を取っていたら。
他の選手のように氷を体に当てながら走っていたら。
スポーツにもしはありませんが、オリンピックや世界選手権のマラソンレースで、毎回のように繰り返される、日本選手の"もし"です。

レスリング。
女子62キロ級。
元木咲良選手、金メダル。
おめでとうございます。
準決勝では、2-7とポイントでリードされた試合終盤、「練習でも試合でも出ない」と本人が語った技で逆転のフォール勝ちで決勝進出。
東京オリンピックの銅メダリストのウクライナのイリナ・コリアデンコ選手との決勝戦では、危なげない試合運びで、12−2テクニカルスペリオリティー勝ちして、金メダルを手にしました。
「今日も自分に負けそうになったけど、神様が助けてくれたのかなと思います」と語っています。
元木選手のお父さんも、シドニーオリンピックで男子グレコローマンスタイルに出場したオリンピアン。
お父さんの影響で3歳からレスリングを始めたそうです。

元木選手の金メダルでレスリングのメダルは男女合わせて6つ。
日本のレスリング史上最多の獲得となったそうです。

男子フリースタイル74キロ級。
オリンピック初出場の高谷大地選手が銀メダル獲得。
おめでとうございます。
準決勝で世界ランキング1位のカイル ダグラス・デイク選手を破るなど、海外の強豪が居並ぶこのクラスを勝ち抜いて決勝に勝ち進んだ高谷選手は、決勝でウズベキスタンのラザムベク・ジャマロフ選手と対戦しましたが、2分過ぎにフォール負けを喫しました。
試合直後、高谷選手はジャマロフ選手に後ろから抱きつくと、思い切り抱え上げオリンピックチャンピオンを賞賛しました。
これに対してジャマロフ選手も高谷選手を手首を持って腕を高くあげて、会場に高谷選手への拍手を求めました。
高谷選手はお兄さんの惣亮さんもこの競技でロンドンオリンピックから3大会連続で出場したオリンピアン。
兄の夢でもあったメダルを見事に獲得しました。

近代5種。
佐藤大宗が銀メダル獲得。
おめでとうございます。
この競技で日本選手がメダルを取る日が来るとは驚きです。
馬術、水泳、フェンシング、射撃とランニングを1日で行う 、様々な高い能力と体力を要求されるこの競技です。
佐藤選手はスタートの馬術、続くフェンシングでも2位をキープ。
3種目目の水泳で4位に交代したものの、最終種目のランニングと射撃で競り勝ち、銀メダルを獲得しました。
競技後の会見では、フェンシング男子エペ団体で銀メダルととった山田優選手が、メダル獲得の2日後に練習パートナーを務めてくれたというエピソードを語っています。

男子高跳び込み。
玉井陸斗選手が銀メダルと獲得。
おめでとうございます。
この種目での日本選手のメダル獲得は初めてです。
予選を2位、準決勝を3位通過と安定した実力を見せ、決勝では最終演技で99.00のこの日の最高得点をあげて銀メダルと獲得しました。
玉井選手は14歳で前回の東京オリンピックを初出場し7位に入賞。
1996年のアテネオリンピック以来、日本の男子飛び込み競技を牽引してきた寺内健選手が昨年引退。
その後継者となった玉井選手が、日本人として初めての表彰台に立ちました。

卓球。
女子団体。
銀メダル獲得。
おめでとうございます。
早田ひな選手、 平野美宇選手、 張本美和選手の3人で勝ち進んだ日本は、東京オリンピックに続いて決勝で中国と対戦。
第1試合で早田選手と張本選手のペアが、中国ペアに先行し、勝利まであと一歩のところまで迫りましたが、フルセットの末、敗戦。
続く、シングルでは平野選手がストレートで敗戦。
第3試合では、最初のゲームを張本選手が競り勝ちましたが、その後は3ゲームを続けてとられて敗戦し、0−3のストレート負け。
前回に続いて銀メダルとなりました。
日本の選手たちの笑顔の銀メダル。
試合後に中国選手たちと楽しそうに会話をしたり、写真を撮ったり姿が印象的でした。

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