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わたしが死んだ夢。

何故だか

何時からか

…何も
判らない

けれど。


わたしは静かに
『死』へと向かっていた。


徐々に呼吸が苦しくなる。

まるで
見えない水の底へ
ゆっくりと
沈み込んでゆくように…


酸素を吸おうとするのに
肺が拡がらず

ただ口を開き
声も出ぬまま
パクパク動かしているだけ…

少しずつ
意識も遠くなってゆく…



ああ、きっと
ここで終わるのだ。


あんなに切望し続けた
わたしのシナリオの終幕。


想い遺すことも特になく

呆気なく静かに
受け入れる。



すると側に
息子が現れ

駆け寄り
わたしを抱き起こし

優しい瞳に涙を湛えて
何かを言っている。


わたしは精一杯
最後のチカラを振り絞り

息子の首に腕を回し
彼の耳許で
最期の言葉を伝えた…

空気が抜けるような
喘ぐような微かな声でも
届いたであろうことは判っていて


わたしは心から安堵する。



やっと
終われた…



どうか貴方は
しあわせで、

いて。




…と言うところで
目が覚めた。



こんなにガッカリしたことは

未だかつてなかったかも
知れない…




やはりそうカンタンには
終わらせてもらえない…

まだ未だ続く、

三次元の世界での

不自由ゲームが…

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