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ブランドタグラインでよく使われる言葉を見てみる

ブランドタグラインってどういうもの? そう思われる人も多いと思う。以前の記事での紹介したのだが、有名なものを上げると『水と生きる』(サントリー)、『JUST DO IT.』(ナイキ)、『お、ねだん以上。』(ニトリ)などがある。誰もが聞いたことがあるだろう言葉だし、表現としても優れている。

さて、ここに一冊の本がある。『ブランド・タグライン経営』(杉本眞一・著)。日本橋出版社というあまり大手ではなさそうな会社から出版されているのだが、私としてはとても興味がある本だったので発売日に購入した。

このなかに興味深い調査がある。「ブランド・タグラインの表現の傾向」というもので、東証一部上場企業500社以上のブランドタグラインを実際に書き出して比較している。そして頻出する単語がランキング形式でまとめられているのだ。以下に紹介するので見てみよう。

1位 未来(ミライ)
2位 創る(つくる、創造)
3位 つなぐ(つながる、つなげる、つながり)
4位 心(ココロ、こころ)
5位 おいしい(おいしく)

言われてみるとたしかにその通りだな、という感じがする。5位の「おいしい」以外はどんな業種・企業にも当てはめることができそうだ。コピーライターの視点でいうと、つまりこれらの言葉は“ぜったいに使いたくない禁句“ばかりなのだ。ブランドを魅力的に、他社と差別化して覚えてもらうことが目的なのに、他社と同じ言葉を使ってしまっている会社がいかに多いことか…(もちろんランクインする凡庸な言葉を使用しながらも、ユニークなブランドタグラインへと昇華させている企業もあるのだが)。一方で、企業の経営者や広報担当者はこういった言葉がとても好きな傾向がある。だからこそ多くの企業のブランドタグラインとして採用されているのだが…。

全国のクライアント様・経営者様は、ぜひ肝に銘じてほしい。これらの単語を使ったタグラインは、人の心をキャッチできない“空気”のようなものになりがちだということを。存在が当たり前で、意識されることがない。当たり障りのない言葉で企業を表現するくらいなら、炎上覚悟で認知度を高める方が生産性は高いのではないか。極論かもしれないが、クリエイターの立場から無責任に意見させていただく。

自社にはどんな強みがあるんだろう? どんなタグラインがふさわしいんだろう? お困りの方はこちらまで。


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