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『ブランドタグライン』とは、その企業の“姿勢”を短く表した言葉

水と生きる(サントリー)
今日を愛する。(ライオン)
まだ、ここにない、出会い。(リクルート)

これらはブランドタグラインと呼ばれる言葉で、たとえばテレビコマーシャルの最後にロゴとともに出てくることが多い。とくにコマーシャルにおいては、音声として耳に入ってくることが多いので馴染みのあるタグラインも多いのではないだろうか。ちなみにブランドタグラインは、スローガンやキャッチフレーズなどの表現で呼ばれることもあるが、細かい話はいったん置いておく。

このタグライン、制作者の観点から考えて、とても難しい。というのも、通常の企業の場合、無数の価値があるわけで、そのなかからいちばん伝えたいことだけを一言の中に集約させないといけないためだ。もちろん短ければ短いほど、覚えてもらえる可能性がアップするわけなのだが、かといって短すぎると言いたいことが伝わらない。そんなジレンマがある。企業側からの要望としてよくあるのは「あれもこれも伝えたい」というもの。だからこそ制作者としては、その要望と戦い、説得や理解をいただくことが求められる。

さて、最初の例に戻ろう。サントリーの「水と生きる」という言葉は比較的有名で、私としてもとてもよいブランドタグラインだと思う。それは単に「水と生きる」という言葉が表現として素晴らしいという意味だけではない。そこに込められた意味が、とてもサントリーらしいと思えるからだ。その内容を引用する。

「水と生きる」は、わたしたちサントリーグループが
お客様はもちろんのこと、地域社会や自然環境と交わす約束の言葉です。

自然への思い ~水とともに生きる~
お客様に水と自然の恵みをお届けする企業として、貴重な共有資源である水を守り、水を育む自然環境を次世代につないでいく。
社会への思い ~社会にとっての水となる~
水があらゆる生命の渇きを癒し、潤いを与えるように、お客様や社会にとって価値ある商品やサービスを通じて、人々の豊かな生活文化の創造に貢献していく。
わたしたち自身への思い ~水のように自在に力強く~
すべての社員が水のように柔軟に常に新しいテーマに挑戦し、新たな価値を創造する企業であり続ける。

これら3つの約束を果たすために、わたしたちは日々の行動を積み重ねていきます。

サントリーグループ理念より

『水と生きる』というわずか5文字の中に、サントリーらしさがある。私がとくに好きなのは、3つ目の「水のように柔軟に常に新しいテーマに挑戦」という部分。「やってみななれ」の企業精神を存分に感じることができるからだ。

タグラインには当然だが意味がある。ご自身の企業のタグラインがきちんと世の中や社員に対して機能しているかを考えてみるものおもしろいと思う。

タグラインはブランディングに欠かせないエレメントです。タグラインの開発に興味のあるかたはお気軽にご相談ください。お仕事の依頼は、スキルマーケット『ココナラ』からどうぞ。

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