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企業のブランディングをするときは、2~3年後の企業の姿を想像すればよいのではないか。

ブランディングは、今後のブランドのあり方(ブランドとステークホルダーの関係性づくり)を考える作業なわけだから、少なくとも未来に向かう行為であることは間違いない。

では、どれくらい先を見据えてブランドのあるべき姿を考えればよいか。明確な答えはないので、納得いただけるかわからないが、私としては2年~3年後のブランドの姿をイメージし、つくればよいのではないかと思う。

5年後や10年後だと、あまりに遠すぎて社員がその姿を想像できないだろうし、単なる夢物語だと感じてしまうかもしれない。また、終身雇用が当たり前でない昨今、あまり遠くの未来の話をされても関係ない、そう感じる人も多い。反対に、未来の姿ではなく、“企業の今“をいくら正しく言い当てたところで意味はない。だからこそ、2年~3年後くらいが社内も社外も、全員が同じ意識を持って歩める頃合いではないだろうか、と思う。

基本的にブランディングは時間がかかる。たとえ予算がふんだんにあるからといって、社外に向けたテレビCMや新聞広告を大量投下の力技で済ませられるものではない(もちろん予算は大きい方が選択肢は広がるが)。そこにはインナーブランディングの視点だ。

ということで、まずは社員の意識を変えることが重要だ。たとえば企業として「多様性のある社会」に向かうことをこれからのブランドの姿だと規定したとしよう。それなのに社内環境が整っていなかったらどうだろう。日本人しかいない職場で、年功序列の組織で、女性役員が一人もいない。そんな多様性とはかけ離れた環境なら、社員は「外にだけいい顔をしやがって」と思い、ブランディングの第一歩でつまづくことになる。

社内を変えて、そして社外を変える。急いでも、1年ずつくらいは時間が必要ではないだろうか。私がお客様とブランドづくりについて考えたり、社員の方にインタビューをするとき、「2・3年後にどんなふうに働いていたいですか?」と質問するようにしている。背伸びをしすぎず、でも今の延長線上で想像ができるちょうどいい未来。それが2年~3年後だと思っている。

これからのブランドづくりについていっしょに考えます。


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