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ココネ株式会社|テクノロジーで生み出すお客様の感性とデジタルの価値

この記事に登場する人

倉 秀一(Shuichi Kura)

ココネ株式会社 執行役員CTO

<クライアント開発として多数のサービス立上げを担当> 
2003年 株式会社コナミデジタルエンタテインメント入社。エンジニアリーダーとしての経験を積み、その後のグリー株式会社でもエンジニアマネージャー・リードエンジニアとして従事。2015年 ココネ株式会社に入社後、クライアント開発として『ポケコロツイン』『リヴリーアイランド』など当社の中核となるアバターサービスの立上げを担当。2023年、ココネ株式会社のCTOおよび執行役員に就任。


ココネはどんな経緯をたどり、ここまで来た会社なのか

ココネの始まりは、千会長が「いい会社にしたい、社員のためのいい会社を作りたい」という想いで立ち上げた会社です。なぜ「いい会社を作ろう」としたのかを会長に直接聞いたことがありまして、いままで受けてきた恩を違う形で返していきたい、それを実践するためにココネを立ち上げたと。

実は最初は何を言ってるんだろう?って感じました(笑)。ふつうは、事業というものがまず最初にあって、そのなかのサービスがコアになり、それらが大きくなって会社になっていく、みたいな流れが大抵の会社の成り立ちだと思いますが、ココネの創業当初はコアになる事業自体が定まっていませんでした。

とはいえ様々な経緯を経て、会長が示した語学という分野で英語学習に向けたWebサービスの提供を開始しました。

また、創業当初はちょうど世界がスマートフォンにシフトしつつあった時代です。弊社もそちらに舵を取り、語学中心のスマートフォンのネイティブタイトルを運営開発していきました。ただ、その時点でもまだ会社として、ヒット作が出ていない状況でした。模索する日々の中でようやく手ごたえを感じたのが、語学学習のWebサービスで扱っていた「アバター」を軸にしたアプリ『ポケコロ』でした。

今でこそ弊社の筆頭タイトルですが、『ポケコロ』もリリース当初から大ヒットした訳ではなく、じわじわ伸び、何度かテコ入れやチャレンジングな企画を取り込んでようやく会社のコアサービスに成長した、という感じです。

『ポケコロ』はアバターを介してファッションなどのコーディネートとお客様同士のコミュニケーションを楽しむソーシャルネットワーキングサービスです。

その『ポケコロ』をきっかけに、弊社サービスの強みでもあり、弊社の特徴が生まれました。アプリ内でアバターが着るファッションアイテムなどを制作するデザイナーは、実際に自分たちで商品(デジタルアイテム)を売っていくための方針やコンセプトを考えていて、つまりはデザイナー中心で商品を販売していく、リアルのアパレル業に近い形態の事業体制を取っています。

弊社でいちばん多い職種はやはりデザイナーで、全社員のうち4割に達しています。デザインドリブンでサービスや事業が推進されていくことは、IT企業の中でも珍しい特徴だと思います。


ココネのなかで、エンジニアの技術は何のために存在するのか

まず弊社サービスのコンセプトは、「お客様の“感性”をカタチにしていく」が軸になっています。お客様が自分らしく居られる、リアルとは異なる別の空間・癒しのデジタル空間を提供していることが特徴的です。

すべての事業でデザイナーが主体的に動いていて、お客さまに届け、感動を体験してもらおうとするアイテムの世界観やかわいさには、デザイナーの多大な想いやこだわりが詰まっていると思います。

具体的な表現が難しいのですが、ココネのサービスは“機能”ではないんですよね。いわゆるゲームのパラメータで競うようなものがありません。

そういう曖昧なものを実現するために、エンジニア陣のスキルがいると思っています。

ココネが提供する居心地のよいデジタル空間。それを構成するメインの要素とは

アバターを通じて、自分がいいなって思った表現を実現する、そうするとそのアバターと自分が繋がるんですよね。

自分ではないけれども自分の分身か何かになる。

デジタルの世界でその感触をさらに高めるには、スペース的な意味合いではない「空間の奥行き」が必要になってきます。例えば、自分の“何か”がその空間で他の人たちとコミュニケーションをしていて、その人たちとやり取りをするうちに彼らを受け入れ、自身も受け入れられていく。他の人と協力しあったり、ときには手を差し伸べることもあって、それによって喜んでもらえる環境が形作られてくると、「社会性」が生まれてくるんですよね。

その奥行きがあるからこそ、CCP(※)のサイクルができて、お客様はデジタルの世界で生きているような感覚だったり、癒しを得られるのかなって。多分、このあたりがココネのサービスの中核なのかなと思っています。

癒しの空間を構築するために、エンジニア組織の思想や考え方をどう反映しているのか

基本的に弊社のエンジニアは、「サービスをみんなで作る」が軸にあると思います。ただ単に開発作業に従事するということだけではなく、デザイナーやプランナーなど、エンジニア以外の職種の人たちとのやり取りを楽しみながら、なおかつそれぞれのプロフェッショナルの領域でバチバチやりながら、最終的にお客様にどういうものを届けたいのか、みんなで頭を悩ませながらやっています。

ココネのエンジニア組織には、そういった本質的に「サービスに関わろう」とすることが根底に流れていますね。

事業が成功するために何をすればいいか、とことんまで考える横串の組織として開発チームを作っています。

「デザイナーが言ってきたことを無碍に断らないようにしよう」とする風土

極端に言ってしまえば、40代の男性エンジニアが20代のデザイナーが描くきらきらと可愛いファッションについて、100%共感を持てないことだってあると思います(笑)。

ただ、デザイナーが一生懸命企画したそれらには、相応の想いやこだわりがある。なので、とりあえずなんとかカタチにする方法はないかを考えてみる、という風土というか雰囲気があります。そうしたトライをすることで、エンジニアも新しい何かを掴めることもあるでしょうし。エンジニア目線での「感性をカタチにする」はそういうことだと思うんですよね。

もうひとつ、悩み抜いて組みあげたものをアプリ内に入れ込むことで、社員やお客様の反応を直接みれる楽しさもあります。反応がダイレクトに感じられるアプリ事業なので、自分たちの存在意義を確認できるという点でとても大事にしていますし、やりがいに感じているエンジニアも多いです。

上司部下のコミュニケーション

すごくフラットな感じですね。クライアントエンジニア、サーバエンジニアの中でその分野を得意とする人たちが、それぞれがコラボレーションしている、協力して動いている感覚です。

少なくとも私の感覚では、上司と部下、という明確な区切りはあまりないですね。

あと、エンジニアリングマネージャー(以下、EM)という役割の者がメンバーたちと伴走しながら、どうやってサービスを成長させていけばいいか、みんなのパフォーマンスをどうすれば最大化できるかということを考えていく体制を取っています。

プロチームのコーチと選手みたいなイメージですね。

40代半ばから後半のベテランのエンジニアが多く在籍していますが、最近は若手の方にもどんどん入社いただいています。その組み合わせが意外と安定感があるというか、尖ってバチバチすることもなく、温和なコミュニケーションのなかでチームが動いています。

エンジニアリングマネジャーという新しいポジションの導入に踏み切った理由

元々弊社にはサービス(事業)ごとに開発チームがあり、各チームにリーダーを据えていました。組織の規模がだんだんと大きくなるにつれて、特にチームメンバーが10人を超えてくるとプレイングマネージャーというものが機能しなくなってしまいがちです。自身のエンジニア業務とメンバーのマネジメント、どちらかが片手間になりがちで、たいていの場合はマネジメントがおろそかになってしまっていて。そうなると若手の成長チャンスを奪ってしまうんですよね。

ココネがここまで大きくなったらマネジメントを主務とする人が必要だよね、となってエンジニアリングマネージャー(EM)という役割を用意しました。

現段階では基本的な構成はできたので、あとはオペレーションです。手探りですけど、外部の力も借りながらEMのスキルアップ、例えばコーチングの研修などをやりたいと思っています。コーチングに必要なスキルについてEMが学習して、それを組織の力に変えていく。EMが中心になって若手と行う勉強会とかもそうですよね。

そのためにもCTOとしてできるサポートをしっかりやってみたいなと考えています。

グローバル展開を目指すココネで、エンジニア組織が実行していくことは

どこぞの牛丼屋じゃないですけど、「早くて安くておいしい」を目指そうとしています。

弊社はこれまで、独自に定義したCCPというジャンルで複数のサービスを立ち上げてきましたし、これからはさらにスピード感をもって多数のタイトルを世界基準で開発していく予定です。

ただ、これまでは都度全力投球することだけを考えていたため、例えば既存タイトルの流用できる基盤的なものを積極的に活かすことができていませんでした。

そこで今は、始めからある程度転用可能なモジュールの開発を進めています。再利用可能なモジュールをいくつか組み合わせると新サービスのベースがすぐにできあがり、あとはコンテンツを上にのせるだけで全体が組みあがる、といった構想です。これによってサービスを開発するエンジニアは、上にのせるコンテンツに注力することができます。

コンテンツのクオリティアップにかけられる時間を増やして、なおかつグローバルでヒットする為にたくさんの打席(サービスリリース)に立つためのスピーディーなサイクル作りを今年、来年で実行していくことになります。

ココネにとってエンジニア組織をひと言で

「カタチにする人」

CTOとして軸に据えるもの

ふたつあります。ひとつは「Team Geek」っていうGoogleのエンジニアが出した本にもある、謙虚・尊敬・信頼です。これはチームをつくるのに大事な要素だと思っています。

ふたつめはラリー・ウォールの「プログラマーの三大美徳」で、怠惰・短気・傲慢ですね。楽するために頑張るみたいなことがエンジニアの中核にあると思うんですけど、CTOとしてそれを組織づくりにも活かして、あらかじめチームの体制をつくったらあとはいい感じに勝手に動いていくようなことができると最高だなと考えてます。

ITエンジニアとしての人生をココネで謳歌できるのか

エンジニアをやってて「ココネどうよ」って言われると、まずはランチが無料なことをあげるかもしれませんね(笑)。

でも実際これが馬鹿にできなくて、私も特に開発に熱中してるときってご飯のことすら考えるのめんどくさくなって箱買いしたカップ麺を食べて過ごすことをやりがちなんですけれど、うちでは食堂でシェフが作ってくれる料理を食べられるし、「今日何を食べようか」を考えなくてもバランスの良い食事を摂れるのはかなり助かってますね。

あとは特にベテランのエンジニアって腰をやっちゃう人が多いと思うんですけど、うちでは社内にあるジムとかマッサージで解消や防止することもできます。

食事や運動は5年10年それが積み重なると、だいぶ影響がでかいはずです。

エンジニアが生き生きと開発ができるベースを提供できていると思うし、ココネだとそういう支援環境がとても整ってます。

エンジニアの労働時間

弊社にはフレックスタイム制度と裁量労働制の2種類ありますが、労働時間の平均は業界水準よりも少ないかなと。

ひと月に20時間もいかない、10何時間程度じゃないかな。開発のフェーズにもよりますが、新規サービスのリリース前の2、3か月はそこそこハードかもしれないですね。それでも1ヵ月に80時間超えるような人は稀だと思います。

土日も必ず出社、みたいなのもリリース直前にあるかないかくらいで、2週間連続で出社しているというケースもまずまずレア。事業部によって濃淡ありますが、20時くらいに社内のフロアを見ると、皆ほぼほぼいない。

前職の知り合いが会社に遊びに来た時に「結構みんな早く帰るんだね」と驚かれたこともあります。

副業について

任せている業務やサービスに関して全力で知恵を絞って、日ごろからそのサービスのことを考えてほしいとは思っていますね。ずっと考え抜くことで得られる何かもきっとあるはずなので。とはいえプライベートを犠牲にしてほしいという滅茶苦茶なことではないです。

正直なところ、副業のメリット自体はあると思います。本業とは別でスキルを伸ばせたり、視野を広げられたりみたいなことですが、ただ、絶対副業しないと得られないわけではないとも思っています。

一般的には収入面で副業を考えることもあるかもしれませんが、ココネではサービスが成功したらその分だけ待遇をお返しできると思っているので、そのあたりの心配はなくても大丈夫です。

お金を稼ぐためだけに時間を切り売りするのなら、本業に集中して欲しいです。

採用後、どのようにして部署や役割が決まるのか

エンジニアの配属部署や役割は、内定段階ですでに決まっていることがほとんどです。むしろ「この方にはこの部署でこのような役割を期待したい」と明確になってから内定をお出ししているイメージです。

弊社では試用期間中(3カ月)の目標を立ててオンボーディングを行っていますが、その目標も内定時のタイミングで決まっていて、入社後も適宜面談を設定して目標のすり合わせを行っています。

一緒に働く人へのメッセージ

自分の強みだったり、生き甲斐ややりがいを感じることに対して突き進んで欲しいですが、共通して思うのは事業やサービスに貢献してほしいということ。

やっぱり会社というのは、どれだけ社会と繋がっているかであって、サービスが会社を構成しているんですよね。実際に事業とサービスに貢献していただければ、必然的に社会と繋がっていけるのかなと思ってます。

あと、単なる開発だけのエンジニアリングやプログラミングではなくて、事業やサービスを自分ごととして楽しむエンジニアならではの醍醐味は間違いなくあると思うんですよね。少人数のチームで、サービスのことを一生懸命考えながら開発して、職種関係なく色々議論しながら進めていく楽しさですね。

ココネはそれができる場なのかなって。そういう環境で楽しめる、成長したいなって感じてくれる方はぜひ来てほしいし、仲間になって欲しいです。

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