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Girls Playing Football in Japan

今回のエピソードでは、2021年6月30日にNew York Timesから刊行された、Expected to Be Demure, Japan’s Girls Face Steep Hurdles to Athletic Dreamsという記事を取り上げながら、幼少期から高校卒業まで、実際に日本でずっとサッカーをやっていた現在20代後半の女性である「みきさん」に彼女の体験や今振り返って思うことなどについて話してもらっています。

https://www.nytimes.com/2021/06/30/world/asia/japan-girls-sports.html

(記事掲載ヘディング&サブヘディング訳)

"おとなしくあることを期待される日本の女の子たちが、夢の実現に向けて険しい道のりを歩んでいます"

"東京オリンピックは、女性アスリートをインスパイアする新たなヒーローを誕生させる絶好の機会です。しかし、ひとたびスポットライトの光があたらなくなると、日本の厳格なジェンダー規範がその機会を制限することになります。"

Podcast

トピック(抜粋)

Q. いつ・どういうきっかけでサッカー始めた?

A. 6歳のとき。もともと所属していた体操クラブで気に入っていた先生がサッカークラブに移るということで着いていったことがきっかけ。始めたときから高校生卒業で引退するまで。

Q. 周りにどれくらい女の子の選手いた?

A. 1度対戦チームに1人女の子がいたのを発見したことがあったけど、高校生で引退するまでの12年間で、他の女の子に出会ったのはその1度きり。

Q. いつ「女子わたしだけ」と自覚した?きっかけがあった?

A. 中学生ごろ。同じ学校の女子に「男と一緒にいたいからサッカーやってるんでしょ?」と心ない言葉を浴びせられたり、知らない子に「サッカー部に入ってる方ですよね?かっこいい 応援してます!」という特別な目で見られたことなどがきっかけ。対外試合で初めて会うチームの男子にすれちがうときなどに「あいつ、女じゃね!?」とあからさまに揶揄されたことも、自分が珍しいということを自覚するに至るきっかけとなった。

合宿などに行っても、選手はもちろん監督・コーチなど周りの大人も含めて私以外全員男性だった。高校生になって、女性のマネージャーが入ってくるまでは。

Q. やりづらかった部分ある?

A. ペアになっておんぶして走るなど体の接触があるトレーニングメニューがあり、男子があきらかに気まずそうにしている様子を見て、申し訳ない気持ちと男子に溶け込めない気まずい気持ちがあった。その一方で、周りの女子にも「女のくせにサッカー入って男子と仲良くなってなんなん」と煙たがられて、どちらに接するにしても気まずかった。

着替えは、トイレで隠れてしていた。けど、物理的な不便はそんなところ。生理で困ったとかいうエピソードは覚えていない。覚えていないということは、そんなになにか特別大変なことがあったわけではないと思う。

Q. 辞めたいと思わなかった?女子サッカーへの移行という選択肢も含めて

A. そのころサッカー選手になりたいと強く思ってたから周りにどう思われようと、とにかく自分はサッカーがしたかった。男子と一緒にプレーしたほうがより上手くなれると思っていたから、女子サッカーへの移行も考えてなかった。

振り返って思うのは、そのころ周りの偏見など、もちろん嫌なことはあったけど、そういう状況だったからこそ、周りにどう思われようと自分が何をしたいのか・何をすべきなのかを考えて行動するというマインドが鍛えられたのかな。それは今の自分にも通じてる。だから、それはそれでよかった。笑

そんな様子を見ていた、両親も、「出る杭は打たれるからね」と励ましてくれていた。笑 男子とそこまで仲良くなれずに、一緒に試合の移動などできない状況のときに送迎もしてくれて両親はかなりsupportiveだった。

今となれば、女性やからこそ得しているなあと思う部分もあるが、そのころの自分にとって女性であることは負でしかなかった。

Q. 年齢が上がるにつれていろいろ社会のしがらみも強くなってくるかと思うのだけど、、どうだった?

A. 「部活なにしてるの?」ていう話題って、中高生だとよくある世間話と思うのだけど、そのやりとりが嫌だった。たとえば美容院に行ったりして、知らない人と会ってその話題が上がるたびに、「何部?」 → 「サッカー部です」。「マネージャー?」→「いや、サッカーしてるんです」→「あ、女子サッカー?」→「いや、普通に男子と」→「えー!!」。という繰り返しなのがだるかった。

Q. 高校入学前のタイミングで一時期女子サッカーチームにも所属していたことがあるということだけど、どうだった?

A. 男子とやっていたときには感じなかった、別の「やりづらさ」は感じた。まず、そもそもの競技人口が少ないために練習場所が遠かったり、試合に出場するための人数が足りなかったり。人数の関係で、中学生と30代の大人が一緒に混ざって試合していた。男子のチームだと、試合となったら選抜された選手が出場して、1大会で複数試合があるときは、各試合違う選手が出場というケースが多いが、女子のチームのときは人がいないから全試合同じ選手が出ることも普通で大変という側面もあった。

マイクロバスで移動するときに、男性の監督・コーチが「マッサージしてくれ」と言ってくるのも、男子のチームのときには経験しなかったことだったので気持ち悪かった。

試合の最中に監督・コーチに「おい!お前ちょっとこい!」と呼び出されてみんなの前で説教されるというのも、男子のチームに所属していたときには経験がなかったのでびっくりした。男子のチームに所属していたときも説教はあったが、ハーフタイムや試合後の話。あと、伝え方も上から下に怒鳴りつけるという感じではなく、アドバイスとしてこうしたほうがいいというような感じだった。もちろん、その男子のチームがそういう体制がよかったという面もあるかもしれないが。

女子チームで合宿行ったときに、監督・コーチが、気配りができていると褒めている他のメンバーの様子と自分を比べて、わたしに「ほらな〜(お前とは違って気配りができている)」と言われたり、練習が夜遅くなって心配だからと親が迎えに来てくれると「お前は過保護やから、それがプレーにも出る」と言われたりしたのは、鬱陶しかった。

Q. という、経験もあって男子のチームに戻ったの?

A. そうそう。女子サッカーは女子サッカーで変だなと思った。男子とプレーする上でのやりづらさよりも女子チームに所属するほうがストレスだった。あと、女子サッカーあんまりおもしろくなかった・・・

Q. どのタイミングでサッカー選手になることを諦めたの?きっかけがあった?

Q. 海外での経験はどうだった?

Q. 自分のときと比べて今、総じて状況はベターになってきてると思う?

Q. ジェンダーのPay Gapについて思うこと

Q. どう変わっていくと思う?

などなど。
全容は是非、Podcastを流し聞きしてみてくださーい!
文字起こしした部分とは違って、実際はめっちゃ関西弁!


Interviewerナルミの印象に残ったみきさんの言葉

"「女子のくせに、サッカー部入ってるくせに、こんなに下手か」と思われたくない!という気持ちもあって、人一倍練習をがんばっていた。何かを頑張ることができたという今の自分の自負心にも繋がる体験ができたのはとてもよかったと振り返って思う。けど。"

学業の場・職場などなどいろんなところでこのメンタリティよく聞くし、自分も通じる部分あるなあと、ハッとした。

このインタビューのあと、駅前とかでサッカーチームの集まりの中にいる女の子を見かけると、「あ、Little みきちゃ〜〜〜ん! 辛いことあったらおばちゃん(わたし)に言っておいで〜 がんばりすぎんでいいんやで〜〜〜」って気持ちになる。


2021, Presented by Dawomxn




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