個人の意思決定-合理的アプローチ-
今回は、個人に意思決定プロセスにおける合理的アプローチとなるものを紹介したいと思います。これは、理想的な意思決定アプローチの形と言えるものです。このアプローチ方法は、不確実性の高い環境に置かれた会社には向いていません。ただ、この形のアプローチにもっていて、意思決定の形式化を試みるのは、有効な手段だと思います。
合理的アプローチ
合理的アプローチは、従来多くのマネージャーが組織における意思決定に非系統かつ恣意的なやり方で取り組んでいたことから、個人による意思決定の指針となるよう開発されたものになります。このアプローチでは、問題をシステマティックに分析し、論理的かつ段階的に順序だって選択および実行することが強調されています。
この合理的モデルは、不確実で変化の急速な現実世界では達成することが難しい「理想」ですが、マネージャーが意思決定についてより明確かつ合理的に考える助けにはなります。
合理的アプローチによると、意思決定を8つの段階に分解することができます。
1、意思決定の環境を監視する
まず、マネージャーは予定された行動あるいは受け入れられる逸脱をします内部情報や外部情報に目を光らせます。同僚と話し、財務諸表、パフォーマンス評価、産業指標、競合他社の活動などを見直します。
2、意思決定の問題を定義する
マネージャーは問題の本質的な詳細、いつ、どこで、だれが関与し、だれが影響を受け、現在の活動にどのような影響が及ぼされるかを特定し、生じた変動に対応します。
3、意思決定の問題を定義する
マネージャーは意思決定によって達成すべきパフォーマンス成果を特定します。
4、問題を分析する
マネージャーは問題の原因を分析するために深く掘り下げて検討します。分析を容易にするための追加的なデータを収集してもよい。原因を理解することより、適切な処理を可能にします。
5、解決の代替案を策定する
マネージャーはひとつの活動目標を決定して実行に移す前に、望み通りの目標を達成するためののとりうる様々なも選択肢を明確に把握しておかなければならない。他の人にアイディアや提案を求めてもいいでしょう。
6、代替案を評価する
この段階では、各代替案の利点と、望み通りの問題の解決ができる確率を評価します。
7、最良の代替案
この段階が意思決定の中核になります。
マネージャーは問題、目標、代替案の分析結果を用いて成功率の最も高い代替案を一つだけ選びます。
8、選ばれた代替案を実行する
マネージャーは意思決定内容が確実に実施されるよう、様々な指示を与えることとなります。そして、モニター活動が再開されます。
このうち最初の4段階が問題を解決する段階であり、残りの4段階は問題を解決する段階となります。
この合理的アプローチがもっとも適しているのはプログラム化されている意思決定の場合になります。それは問題や目標、代替案が明確化されている場合であり、意思決定者にとって秩序だって思索するための時間がある場合です。意志決定がプログラム化されておらず、定義があいまいで、山積している場合は、このアプローチは適応かおうですが、多くの場合、勘や経験に基づいて判断する必要があります。