新商品開発における組織の調整
企業が注意深く市場をセグメント化し、標的顧客を選択し、彼らのニーズを明確化し、市場における自社のポジショニングを決定することができたのであれば、新製品開発はよりうまくいきます。
今日では新製品の設計に多くの企業が「顧客主導型エンジニアリング」を採用しています。顧客主導型エンジニアリングでは、顧客の選好を最終的に組み込むことを非常に重要視します。
ある企業では、次のような承認基準を確立しています。
新製品開発の予算
経営幹部は新製品開発に予算を割り当てなければなりません。この問題を解決するためにできるだけ多くのプロジェクトに資金を投入し、その中からごくわずかな成功を得られればいいという企業もあります。売上高に応じた割合で慣習的に予算配分したり、競合他社に合わせて金額を合わせて決めたりする企業もあります。さらに、新製品の成功がいくつか必要かを決定し、そこから逆算して必要な投資額を決める企業もあります。
新製品開発の組織編成
企業はさまざまな方法で新製品開発の組織的な側面に対処しています。多くの企業は「製品マネージャー」に新製品のアイディアに関する責任を委ねています。しかし、製品マネージャーは既存製品の管理で忙しいため、新商品までに手が回りません。そのため、大企業では、かなりの権限を持ち、経営陣の主な役割は、新アイディアの創出とスクリーニング、研究開発部門との共同作業、フィールド・テスト、商品化です。
また、ベンチャー・チームといって、特定の製品や事業を開発するための、部門横断型的グループを作成する場合があります。
メンバーは「社内起業家」としてほかの業務を免除され、予算、時間枠、「スカンクワーク」の場が与えられます。「スカンクワーク」とは、社内起業家が集まって新製品開発を試みる非公式な仕事場のことで、時にはガレージが使われる場合があります。
部門横断的な新製品開発ベンチャー・チームに辞任を配する上で考えられる基準には次のようなものがあります。
また、HPやレゴなどの企業は、イノベーション・プロセスの管理に「ステージ・ゲート・システム」を採用しています。イノベーション・プロセスとは、いくつかのステージに分けられ、各ステージの終わりにゲート、つまりチェックポイントが設けられます。チームメンバーが各ステージで成果をかげなければ、次のステージに移動することができません。
各ゲートの監査役は、進め、捨てろ、保留しろ、手直ししろという中から選択して、チームに命令することができます。
このシステムにより、イノベーション・プロセスの関係者全員に明快となり、各ステージでのプロジェクト・リーダーとプロジェクト・チームの責任の所在を明らかにすることができます。
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