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戦略と組織構造の変革/文化の変革

今回は、戦略と組織構造の変革、そして文化の変革について紹介したいと思います。これらの変革は、新商品等の変革とは、また違うウエイトの伴ったものです。

戦略と組織構造の変革

どんな組織も時の経過とともに戦略と組織構造の変革を必要とします。
環境が比較的安定していると、小規模の漸進的な変革に重点を置くことができますが、変化が急激な場合、組織の再編や戦略の抜本的な改革を必要とします。

しかしこうした改革のタイプは、新商品の開発のプロセスとは異なるものになります。

双核的アプローチ

経営管理部分の変革と技術部分の変革を対比させる研究(この方法を双核的アプローチという)から経営管理の部分の変革について以下の示唆があります。

・経営管理部門の変革は技術部分の変革ほど起こらないということ
・経営管理部分の変革は技術に基づく変革とは異なって、環境のセクターに対応して生じ、異なる内部プロセスをたどるということ

このことから経営管理の変革は異なるプロセスを辿るということが分かります。また、組織には、概念的に二つの核があり、それは経営管理の核と技術の核と呼ばれています。経営管理の核は階層構造上は技術の核より上位になります。組織には、概念的に二つの核があり、それは経営管理の核と技術の核と呼ばれています。経営管理の核は階層構造上は技術の核より上位になります。経営管理の核は、組織自体の構造、コントロール、調整などの責任を負い、政府、資金、済環境、人的資源、競合他社といったセクターと関わり合い、技術の核は、組織のアウトプットとの関わり合いがあり、このセクターは顧客や技術のセクターと関わりがあります。

この二つの核を比較した結果、機械的な組織構造の方が経営管理の変革には適した組織構造であるということが明らかになっています。多くの経営管理部分の変革をうまく行うことができている組織は、技術の変革を多く行っている組織に比べて公式化されている組織に比べて、大規模で中央集権的で、公式化されている場合が多いとされています。政府、経済、法律といった環境部門の変化に応じた変革はボトムアップで生じにくいためです。

このことから経営管理の部分と技術部分の変革は以下の特徴があると言えます。生産技術や新製品のためのイノベーション技術といった技術部分の変革は、ミドル以下の従業員からアイディアを引き出す有機的な組織によって促されるのに対し、頻繁に経営変革を採用しなければならない組織はトップダウンのプロセスと機械的な組織構造を用いる傾向にあるということです。

では、ハイテク企業が突然危機に直面し、組織の再編が必要となった場合、どのように行えばよいのでしょうか。その場合は、トップダウンで行うことが正解です。戦略や組織構造の変革の権限は、トップマネジメントあり、彼らが環境の状況に応じた新しい戦略や組織構造を提唱し、実行しなければなりません。従業員に意見を求める事もいいのですが、変革を指揮する責任はトップマネジメントにあるでしょう。
リストラクチャリングやダウンサイジングといった変革は従業員にとって痛みが伴うことが多く、したがってとトップマネージャーはこうした措置にできるだけ思いやりを持ためるためにも、迅速かつ権威的に動く必要があります。

文化の変革

新しい考えかたを定着させるためには、時として基調にある企業文化としての価値観や基準に主眼を置いた変革が必要となります。
企業文化の変革は組織における仕事のやり方を根本的に変えるものであり、従業員の新たなコミットメントやエンパワーメントをもたらすともに、企業と顧客の間の絆を強化をもたらします。
企業文化の変革として行われるものとして、以下のものあります。

リエンジニアリング

リエンジニアリングは。、事業プロセスの急激な設計変更が伴う職務横断的な取り組みであり、文化、組織構造、情報技術に同時に変化を引き起こし、顧客サービス、品質、コスト、スピードといった分野で劇的なパフォーマンスの改善を実現させるための手法です。
リエンジニアリングとは、基本的な現在の仕事のやりかたの概念を一層し、パフォーマンスを最高するにはどのように業務設計が最適かを白紙の状態から考えるアプローチことを言います。その中心的なやりかたは、ワークフローのなかの無駄な作業や時間の遅れを絞りだすことです。
急速で大規模な変革に従業員が不安や怒りといった反応で帰って来ることがあります。このようなものに対処するためにも、文化の変革が必要であることを切迫感をもって示すことが必要です。

TQM

TQMとは、企業内のあらゆる活動に品質という価値観を吹き込むというやりかたです。TQMは、多くのマネージャーが、従業員を訓練し、巻き込み、エンパワーメントを行う必要があります。その方法として、QCサークルとベンチマーキングというやり方があります。QCサークルとは、自ら志願したした6人から12人の有志の従業員グループが集まって問題を開発するグループのことで、ベンチマーキングの場合は、他社がどのようにやっているかをつきとめ、それを模倣したり、これに基づく改善をおこなったりすることです。
TQMは品質と生産性の改善に主眼がおかれるものではありますが、文化の変革も伴うものになります。

組織開発

組織の適応力や問題解決力を改善する方法として、組織の人間的側面や社会的側面に焦点を当てるものです。組織開発(OD)は、人材開発における、公正さ、率直さ、強制からの自由、そして、従業員が適度な組織制約のなかで自分たちが思うやり方で職務を遂行できるようにする個人の自律、といった人材開発上の価値を重視します。
ODは、行動科学の知識や技法を活用し、信頼性の向上、率直な問題直視、従業員へのエンパワーメントと従業員参加、知識と情報の共有、有意義な作業の設計、グループ間の協力と協調、人間の潜在能力の十分な活用を通じてパフォーマンスを改善します。
ODは、環境や技術の不連続性や急変に直面する組織に最適な技法です。

ODによる文化改革の介入

ODによる介入を成功させるためには、組織の上級マネジメントがODの必要性を認識し、変革を熱心に支持する必要があります。ODを通じて人材のスキルを向上させるものtとして以下のようなものがあります。

・大グループによる介入
大グループによる介入のアプローチでは、組織のあらゆる部門からの参加者-組織外の重要な利害関係者を含むことが多いーを日常業務から離れた場所に集め、様々な問題やチャンスを議論したり、変革の計画を立てたりします。
・チームビルディング
チームビルディングは、共に働く人々をチームを形成することができるという考え方に基づいています。こうした活動はコミュニケーションと協調性を高め、組織のグループのチームの団結を強めます。
・部門間活動
様々な部門の代表者が一堂に会し、コンフリクトを表面化させ、その原因を分析しコミュニケーションと協調性の改善を計画するものを部門活動といいます。本社と現場のコンフリクト、部門間のコンフリクト、合併時のコンフリクトの改善を狙ったものになります。


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