Empirestar

本好き。積読の山が高くなってきています。中公新書を中心としたの新書の蒐集をしています。…

Empirestar

本好き。積読の山が高くなってきています。中公新書を中心としたの新書の蒐集をしています。昔、書物の帝国というSFファンページをやっていました。最近はtwitterで買った本の感想をつぶやくことが多いです。

最近の記事

  • 固定された記事

日本の腐敗とその現状について考えてみた:公正さとは?

はじめにSNSやtwitterでの議論を見ると、安倍政権の評価には賛否両論があるが、倫理や高潔さに無関心な人たちの発言も多くあり、衝撃を受けている。我々の社会を構成する基盤ともいえる「公正」「正義」といった社会の健全性を保つために不可欠な理念をズタズタにしたことで、日本に深い亀裂が生じている。 現政権が7年8か月の間に起こした様々な疑惑や事件に対して我々は目を背けず、追及しなければならない。説明責任に対して不誠実に対応し、国民の関心を逸らすやり方は、政権自体が、「ご飯論法」

    • 本の移動

      当時の本の現状 本の雑誌の取材にあったように、自分の本は3か所に分散している。1つめは職場、2つ目は自宅、3つ目は実家だった。今回、実家を立て直すにあたり、2011年ぐらいまで蒐集してきた本をどう保持するのかを考える必要に迫られた。1&2はすでに自分の手元にあるので問題ないが、実家に置いている本たちをどう回収するのか、どう見切りをつけるのか、2023年夏が過ぎたあたりから、意識しはじめた。どう見積もってもかなりの量の本があるため、実家の方はある程度手放す決意をしていた。そこ

      • 本の選別作業

        前のエントリーにあるように、父親の死によって自宅の本を整理することになり、ほぼ1年間かけて整理を完了した。特に本の整理が加速したのは、12月より西荻窪で古本屋を営む盛林堂さんにヘルプに入ってもらうことによって、本の整理が本格化した。最終的に全体としては2万冊ぐらい処分することになったが、ずば抜けて自分の保有分が多かったのもあり、かなり本の処分に難渋した。 時系列推移どれくらい本を処分しなければならなかったというと、実家2階部分には父親の書斎、自分の部屋、廊下側に本棚が4棹、

        • 本の整理の推移(背景)

          約1年間の本の整理と膨大な事務作業想像を絶する事務作業 2023年1月末に実家で父が急死したことで、老朽化した実家の立て直しが必要になりました。当然、身内の死に関しては当事者として初体験だったのでした。いつまでも元気だと思うな高齢の親。 事前に読んでおいてよかった漫画が1冊あるので、一家に一冊。特にコレクターやオタクの人たちには強くお勧めしておきたい。この1冊と区役所からもらう「おくやみハンドブック」で何をしなければならないのかが、明らかになりました。 こさささこさんの

        • 固定された記事

        日本の腐敗とその現状について考えてみた:公正さとは?

          余は如何にして積み本の人になりしか

          本を積む人にタイトルはあぜのごまんさんの本のパロディです。 本の雑誌2023年8月号にインタビューされて以来、積み本の山をなんとなくtwitterにアップロードしていたら、なぜか皆さん積山が好きな模様で、積山についてたくさんのコメントをいただけるようになりました。積山ができたきっかけは、父親の死と実家に大量にある自分の本の整理でした。今回、大量の本のある実家の整理を続けてきましたが、家の建て替えのリミットが近づいてきていて、かなりの量の本を処分することになりそうな感じではあ

          余は如何にして積み本の人になりしか

          『パンドラの少女』(創元推理文庫)

          この感想文はもともとシミルボンに投稿していたものでしたが、シミルボンが閉鎖してしまったので、感想文を少しずつnoteに移行していく予定です。 世界がある日突然、崩壊したとき、僕たちはどのように生き延びようとするのだろうか。それを運命として受け入れるべきなのかと。文明社会が崩壊するということはなかなか想像が難しいかもしれないが、地球に生を受けた我々は突然変異の病原体によって、もしかするとそのような事態に巻き込まれるかもしれない。そんな状況を描いた古典的SFとして名高いのは小松

          『パンドラの少女』(創元推理文庫)

          中公新書の栞

          皆さんは中公新書に栞が封入されていたことをご存じだろうか?現在の中公新書とは異なり、昔の中公新書はビニールカバーで巻かれたものであった。このビニールカバー(以下、ビニカバと略)バージョンは、古書店の均一棚で見かけたこともあるだろう。そんなビニカバ本の中に、本の内容の一部が書かれた栞が付属していることに気が付き、どんなものがあるのか興味を持った。長年にわたって、栞付き初版中公新書を蒐集をしている。 新書に付随している栞は魅力的なものが多い。例えばちくま新書の栞に関してもいずれ

          中公新書の栞

          ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』(岩波書店)

          これまで歴史上でバラバラだと思われた事象が、一つの大きな環になったように思える読書体験を味わえる本。戦後の世界の流れから現在に至るまでの世界システムの変遷を知るための必読書になると思われる本書は、読み終えたと同時に「目からうろこが落ちる」本であった。この本の内容はコリイ・ドクトロウ『リトル・ブラザー』(早川書房)にも関連している。どちらかというと『ジェニファー・ガバメント』『宇宙商人』的ディストピア世界への移行の可能性があるのか、現在進行中の現象について取り扱った本といえよう

          ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』(岩波書店)

          鈍器本…

          この記事は、藤ふくろうさんが主催している「海外文学 Advent Calendar 2022」12月17日のエントリー分である。 鈍器本…、読書好きにとっては一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。実際、本エントリーを読む人たちで、一冊も鈍器本を持っていない人はいないと思われる。 2022年12月3日分を担当されたchiibooksさんの積読の悩みのエントリーを読んでいて、積読になる本は鈍器本が多いのは明らかであろう。海外文学作品の本格的な長編は、分厚くて大きな本が多

          鈍器本…

          アノマリー

          エルヴェ・ル・テリエ『異常(アノマリー)』(早川書房)がとても面白かった。物語の構造が数学的で美しい。特にネタバレになってしまうので記せないのだが、我々の人生にもアノマリーと思われるような状況というのが確実にあって、それによって人生は分岐する。そう、物語が非常にゲーム理論(展開形ゲーム)的な構造になっているのだ。あるゲーム構造を考えた際に、ある状況になるとは、「自然」によって決定される。つまりその状況を決定するのは自然であるのだ。「自然」とは我々がコントロールできない外生的な

          アノマリー

          2022年1月某日②

          あっという間にお正月も終わり、仕事開始。とはいえ年末年始は、本業や事務作業でほとんと休む暇もなかった。その間、身内関係でかなり大変な1週間があり、その結果その週は子供たちの世話で過ぎていってしまった。そしてオミクロン株の流行が始まり、また引きこもり生活に戻った。 新型コロナウイルス、質が悪いのは「あ、もう大丈夫と思ったら、なぜか出現して飲食やマスクなし会話によって伝播していく」というところにある。基本マスクをしっかりして、手指消毒をして、密なところに行かなければ他人からはも

          2022年1月某日②

          2022年1月某日①

          あけましておめでとうございます。コロナ禍が収束しますように(なかなか収束しませんが)。ちょっと近況など(プライベート回りや自分の心情の変化など)を記します。脳裏に浮かんで、つらつらと思っていることを書いています。 ここ数年ほどプライベート&仕事がなかなか大変になってきたこと、twitterやFacebookに移行してから、あんまり長い文章を書いていないと思い、今年度は少しリハビリを兼ねてnoteに文章を書くつもり(だけれども、割と気まぐれなのでムラがでそうだ)。 織田信長

          2022年1月某日①

          僕が光栄のSLG(水滸伝)から学んだこと

          はじめにtwitterなどのSNS、マスメディアの報道を見る限り、日本は国民の安全と命が失われる状況が、静かに進行している。政府は感染症の専門家の提言を無視し、自分たちの支持層の利益のために東京五輪を強行。ワクチン接種状況も最悪のまま、感染力が強く、毒性の強いCOVID-19のデルタ株の感染が拡大し、いつ急変してもおかしくない中等症の人々に対しても自宅療養の方針を伝えるという、「棄民政策」を行いはじめた(流石に批判が多かったためか、撤回したものの、言った事実は変わらない)。そ

          僕が光栄のSLG(水滸伝)から学んだこと

          クラブハウスとか

          最近友人からClubhouseというiphoneでできる音声チャットSNSに招待され、利用している。使ってみて思った雑感なのだが、年齢がもういい歳になっているので歳がばれるのだが、「IRC」の音声版という感じ。モデレーター(IRCだとナルトといわれていた)が、部屋の管理をして喋りたい人をスピーカーとして上げるシステム。 周囲を見回すと有名な人たちがかなり利用していて、そういう部屋にはたくさんの聴衆。完全にリアルでの著名度の度合いがそのままクラブハウス内に移行している印象。招

          クラブハウスとか

          書物の帝国(購書日記2020.12.14)

          購入 ・恩田陸編『少女たちの覚醒』(ちくま文庫) ・宮脇孝雄『洋書ラビリンスへようこそ』(アルク) ・山田風太郎『室町お伽草子』(河出文庫) ・ヤロスラフ・ハシェク『不埒な人たち』(平凡社ライブラリー) ・竹之内脩『常微分方程式』(ちくま学芸文庫) ・ボイス・ペンローズ『大航海時代』(ちくま学芸文庫) ・矢部宏治『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること 』(ちくま文庫) ・アダム・オファロン・プライス『ホテル・ネヴァーシンク』(HPB) ・マリオン・イングラム

          書物の帝国(購書日記2020.12.14)

          書物の帝国(購書日記2020.12.10)

          丸善日本橋店にて ・江崎貴裕『分析者のためのデータ解釈学入門』(ソシム) ・マシュー・ハインドマン『デジタルエコノミーの罠』(NTT出版) ・藤原さと『探究』(平凡社) ・井上雅彦監修『蠱惑の本』(光文社文庫) ・勝田敏彦『でたらめの科学』(朝日新書) ・相馬直子+山下順子『ひとりでやらない育児・介護のダブルケア』(ポプラ新書) ・小島健輔『アパレルの終焉と再生』(朝日新書) 読了・十三不塔『ヴィンダウス・エンジン』(ハヤカワ文庫JA) 中国の成都という場を舞台にした超人S

          書物の帝国(購書日記2020.12.10)