「社会学史」大澤真幸

ハーバーマスの最初の本は『公共性の構造転換』

イギリスとフランスとドイツ、これらのどの国でも公共圏が生まれます。

十八世紀に小説を読むブルジョワジーが出てくることで、公共圏が始まる。→文芸的公共圏

やがて政治の領域へと拡大する。→政治的公共圏

このように十八世紀ぐらいからの伝統としてあった理性的に討論する習慣が、二十世紀になって──組織された資本主義の勃興とともに──衰えてきたという

『コミュニケーション的行為の理論』
コミュニケーション的行為(kommunikatives Handeln)」とは、簡単に言えば、話し合いです。
反対語は「道具的行為」です。この行為の典型は労働です。

二十世紀に入ってから、国家が生活世界に介入し、コミュニケーション的行為の合理性を歪めている。この場合の「国家」というのは、官僚制のことです。これを彼は「生活世界の植民地化」と言います。

政治と経済の論理がより重要な目的であるかのように外から介入してきて、コミュニケーション行為の対話的理性を抑圧することで、生活世界を破壊してしまった。

現状は、まさに近代の原理、近代が規範的に目指していた原理を通じてこそ、批判されなくてはならない、ということになります。その意味で、近代はまだ完成していない「未完のプロジェクト」である、というのが彼がよく使う言葉です。

わ〜い!😄