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レノファなスタジアムの話(29)山口商工会議所の要望

いろいろ忙しすぎて2か月ぶりの更新になります。

去る11月29日、山口市商工会議所とレノファ山口FCが連名で山口市に対して要望書を提出した、というニュースが飛び込んできました。

要望事項としては大きく2つ。

  1. レノファ山口FC応援促進の強化

  2. 山口市におけるサッカーJ1専用スタジアムの実現

この「山口市におけるサッカーJ1専用スタジアムの実現」というキーワードが界隈を賑わせているところです

ただ、この要望書(レノファの公式サイトに掲載されています)をよく読んでみると、もう少しいろんなものが見えてくるかな、というところです。

要望書の全文がこちら。

レノファ山口FC応援促進について(要望)

山口市におかれましては、平素から地域経済を担う中小企業・小規模事業者に対し、多方面にわたるきめ細やかなご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
ご存知のとおり、レノファ山口FCは、2006年4月に誕生して以来、JFL、J3を経て、2015年にはJ2昇格を果たし、現在はJ1昇格を目指して闘い続けています。
しかしながら、山口市のホームスタジアム「維新みらいふスタジアム」での試合では、観客動員数が伸び悩んでいるのが現状です。プロサッカーチームが山口市で試合を行うことの経済波及効果は大きく、仮にJ1昇格を果たせば、さらに大きな経済効果が見込めます。
そのような中、今年7月、山口商工会議所ではプロサッカーチーム「レノファ山口FC」の応援促進を目的に協議会を立ち上げました。
そして、地元経済界として一歩踏み込んだ支援を進め、今年6月9日に当所と株式会社レノファ山口は、J1昇格に向けた連携・協力を共同宣言したところです。
つきましては、レノファ山口FC応援促進による地域経済の活性化に向けて山口市におかれましても以下のようにご支援ご協力いただけますようお願い申し上げます。

                記

(1)レノファ山口FC応援促進の強化
①ホームゲーム観客動員を増加させるための取り組みに対する協力及び予算措置などの支援
②ホームゲーム開催時における来場者の交通アクセスの利便性向上に対する支援(例えば、維新百年記念公園内の駐車場の開放や試合開催時間に合わせたJR山口線車輌編成の増設など)
(2)山口市におけるサッカーJ1専用スタジアムの実現

以上

山口商工会議所 山口市へ要望「レノファ山口FC応援促進について」より

この要望のそもそもの要旨を読み解いてみると、

  • 維新みらいふスタジアムでの観客動員が伸び悩んでいる

  • 山口市で試合を行うことの経済波及効果は大きい

  • 山口商工会議所との間でレノファの応援促進を目的とした協議会を発足

  • 山口市も支援してほしい

ということを述べている、というのが見て取れるんですよね。

なので、この要望の主眼となっているのはあくまでも(1)の方、すなわち「レノファ山口FC応援促進の強化」であって、観客動員のための支援要請と、維新みらいふスタジアムの利便性向上策支援の要望だったりするわけです。
これまでもnoteで触れてきたとおり、維新みらいふスタジアムのある維新百年記念公園の所有者は山口県で、管理をしているのは県の外郭団体である山口県施設管理財団なのですが、そこに対する市としての働きかけを要請している、ってところなのかな、と見ています。

(2)はどちらかといえばおまけというか補足というか。
今年の1月に防府市で掲げたアドバルーン的なものに近い(けどもうちょっとだけ具体的なもの)かな、と見ています。

で、今回のニュースがJリーグサポーター御用達のまとめサイト「ドメサカブログ」で取り上げられているわけですが(このまとめサイト、スタジアム関連の話題を結構取り上げることが多いんですよね)、

コメント欄を見ると、まぁなかなかに辛辣な御意見が多く…
「まずクラブとしてやれることやったのか?」とか
「順番が逆なのでは(≒集客とか成績向上が先)」とか
「今の時代に新しい箱物はどうなんだろうな」とか…
※ドメサカブログはあくまで「匿名掲示板」まとめの名残なので、こういうきつめのコメントが多く付く傾向にはあります。

ただ、あくまでも個人的な意見なんですが、そもそも維新公園って「稼げないイベントのためにいつも混雑している」という印象しか無いんですよね。
国体スタジアムを活用するためとはいえ、無料(或いはそれに近い)イベントを連日多数やっていて、園内がしょっちゅう混雑している。(「いつも賑わっている」という見方も出来るでしょうけど)

要は「ビジネスをするのに向いていない」環境ではあるのですよ。

なので、地域として「スポーツビジネスが出来る環境の整備を考える」というのはあってもいいんじゃないか、というのはあるんですよね。
(山口市がそれに応えてくれるかどうか、というのは別にして)

レノファがクラブとしての様々なマンパワーが足りていないとか、チームとしての形がなっていないとか、そもそも論的な問題があるのも承知してますけど、「どれかを片付けてから」ってやり方で進めていくと、多分30年経っても何も変わらない(むしろ没落する)んじゃないかなとさえ思っています。
これからレノファがどういう立ち位置であり続けるべきなのか、いい材料になっているんじゃないのかな、とは思うところではあります。

最後はやや脱線気味になりましたが、今回はこんな所で。

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