Day5 アテネの夜空を見ながら
アテネの夜風が気持ちよく服を靡かせる。
夜の3時でも街は活気がある、アテネ中心街モナスティラキ、こちらは程よい歓楽街で見晴らしも良い。
前回滞在したオモニア駅周辺はすこし荒んだ場所があり、ここモナスティラキもグラフィティが壁中にあることは同じだが多少雰囲気の緩さを感じる。
ここのホステルは屋上階が24時間開放されているのが良い。2段ベッドの上部分、快適さはやや欠けるが一日で移動のため全く問題ない。
23日は19時に高速バスに乗ってブルガリアの首都ソフィアへ向かう。
この数日間はサントリーニ島で時間を過ごした。
主に観光客商売のリゾート地という印象ではあるが、歴史で見ればポンペイのように火山で埋まりそのままの状態が保持されて発見された古代市街の発掘現場を拝覧したり、それによって改修保存された資料を展示する歴史博物館へ足を運んだ。
アクロティリは、ギリシャのサントリーニ島(古代テラ)に位置する先史時代の遺跡で、特にその保存状態の良い壁画で有名である。エーゲ海の青銅器時代に属し、紀元前17世紀の火山噴火によって劇的に埋没したこの都市は、火山灰によって保存されたことで、まるで時のカプセルのように古代の栄光を現代に伝えている 1,Akrotiri (prehistoric city) - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Akrotiri_(prehistoric_city))
2,Smarthistory – Akrotiri, Thera ](https://smarthistory.org/thera/)。
歴史と発見
アクロティリは少なくとも紀元前4千年紀の後期新石器時代から人々が住んでいた。その後、青銅器時代に繁栄し、約20ヘクタールにわたる大都市へと成長した。しかし、頻発する地震の影響を受け、最終的には紀元前17世紀の大噴火により突然埋没し、発掘調査は1967年に開始された [3,Akrotiri - History and Facts | History Hit](https://www.historyhit.com/locations/akrotiri/)。
壁画
アクロティリの壁画は、その精緻な技法と保存状態の良さで特筆される。自然の風景や宗教儀式、日常生活を描いたこれらの壁画は、古代ギリシャの生活や文化を詳細に物語っている。「春の壁画」や「青い猿の壁画」、「船の行列の壁画」などがその代表例である [4,Akrotiri (prehistoric city) - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Akrotiri_(prehistoric_city)) [oai_citation:5,Akrotiri Frescoes - World History Encyclopedia](https://www.worldhistory.org/article/673/akrotiri-frescoes/)。
文化的意義
これらの壁画はミノア文明の影響を色濃く受けつつ、テラ独自の文化的特徴も兼ね備えている。したがって、ミノアとテラの文化融合を示す貴重な証拠となっている [6,Ship Procession Fresco Akrotiri: Santorini's ancient maritime world](https://therafoundation.org/akrotiri-frescoes/ship-procession-fresco)。
アクロティリは「エーゲ海のポンペイ」とも称され、その歴史的・考古学的価値は非常に高い。現在、この遺跡はバイオクライマティックルーフで保護され、訪問者がその壮大な過去を垣間見ることができる [7,Akrotiri - History and Facts | History Hit](https://www.historyhit.com/locations/akrotiri/)。
要約すると、アクロティリはギリシャのサントリーニ島に位置し、紀元前17世紀の火山噴火により保存された青銅器時代の都市である。その壁画はミノア文明の影響を受け、自然、宗教、日常生活を描いており、文化的な融合を示している。
ポンペイで見られる壁画は古代ギリシャの写実絵画の模写などが発見されており、前回エジプトに滞在した際にみたギリシャとの交流以降に作られたミイラの面に描かれた写実画を比較すると、こちらは平面的に描かれていることがその時代の特徴性として浮かび上がる。
それもそのはずで、アレクサンドロ大王が中東やエジプトを統合する遥か昔のミノア文明に栄えた町だからである。
ここで簡単に古代ギリシャの歴史を振り返る
古代ギリシャの時代は、次のように分類される。
ミノア・ミケーネ文明は紀元前3000年頃から紀元前1100年頃まで続き、ミノア文明はクレタ島を中心に栄え、ミケーネ文明はギリシャ本土の要塞都市を中心とする文明である。暗黒時代は紀元前1100年から紀元前800年頃で、この時期は社会的・経済的な停滞が見られる。
アルカイック期は紀元前800年から紀元前480年で、ポリスが形成され、ホメロスの叙事詩やオリンピック競技が始まった時期である。古典期は紀元前480年から紀元前323年で、アテネの黄金時代、ペロポネソス戦争、哲学の発展が特徴である。
ヘレニズム期は紀元前323年から紀元前31年で、アレクサンドロス大王の死後、ギリシャ文化が東方へ広がった時期である。ローマ時代は紀元前31年から紀元後330年で、ギリシャがローマ帝国の一部となり、ギリシャ文化がローマ文化に影響を与えた。
これらの時代区分を通じて、古代ギリシャは約紀元前3000年から紀元後330年まで続いた。
参考文献
1, Wikipedia - Ancient Greece
2, Britannica - Ancient Greek Civilization
特徴
1. 青い猿の描写: 壁画には青い猿が描かれており、彼らが岩を登ったり、自然の中で遊んでいる様子が表現されている。青い色は鉱物顔料を使って描かれ、非常に保存状態が良い。
2. 自然の風景: 壁画には岩や植物が描かれ、猿たちがそれらの間を自由に動き回っている。これはミノア文明の芸術が自然との調和を重視していたことを示している。
3. 技法: この壁画はフレスコ技法を用いて描かれ、湿った壁面に顔料を塗ることで色が長持ちしている。平面的な描写と色彩の使い方が特徴である。
色は鉱物資源による顔料を用いているという。
古代エジプトの時代から青色を描画するために用いられたシリケートという銅を含む鉱物。
「エジプト青」として広く知られ、Pantone300Cが本来の色に近いらしい。
この島は青が非常に多い。
それはフェリーに乗る時に臨んだグランマーレ・エーゲ海の紺碧の賜物に他ならぬのだろう。
地中海はこの地の人々の心を結んでいるのだという情緒と共に、心もまた夜風に包まれた。