別解を科学する 私の別解#05 ~教職志望から上場企業創業者へ~[アイデミー 石川 聡彦様]【読了目安:5分】
こんにちは、脱・優等生研究所です!
私たちは、別解を追い求められている方々にインタビューさせていただきながら、何をきっかけに、どういう思いで彼ら・彼女らが別解に挑まれているのかを紐解いていきます。
前回の記事はコチラから↓。
シリーズ第5弾の今回は、アイデミー社(https://aidemy.co.jp/)の代表取締役 執行役員 社長、石川 聡彦氏にお話を伺いました。
アイデミー社は2023年6月22日に上場を果たすなど、今非常に勢いに乗っているIT企業です。
学生起業家としての苦難の道から、現在の成功に至るまでの率直なお気持ちをお話いただきましたので、楽しんで読んでもらえれば幸いです。
では、早速本編どうぞ!
1.石川さんの現在地・注力していること
脱・優等生研究所(以下、脱優):
まずは上場おめでとうございます!改めて、石川さんの現在地や注力されていることについて教えていただけますか?
石川 聡彦氏(以下、石川氏):
ありがとうございます!
アイデミーは東大初のスタートアップとして、AIやデジタルが社会に浸透していく屋台骨となり、産業、ひいては経済全体の変化を推進していきたいと考えています。
私たちのお客様は、世界を代表するエンタープライズの企業、製造業が多く、資本提携をしていただく企業もございます。
お客様からは、デジタル・AIに関するナレッジ不足への課題感、そして技術の進化に伴って競合がソフトウェアの会社に変化してきているという危機感を伺うことが増えました。従来、競争力があると言われていた製造業の競争力が落ちてしまうのではないか、何とかしなければという想いを持っています。
そのため、アイデミーでは、「AI/DX内製化支援を通じて、あらゆる企業の変革をサポート」することで、お客様自身がAI・デジタルを活用することで生産性を上げる、新規事業の開発を推進できるという環境・体制づくりに貢献することに今は注力していますね。
また、上場はしましたが、登らなければいけない山の1合目にようやく辿り着いたという感覚で、まだまだゴールは先にあります。「AI、DXなどの先端技術をもっと広めていく」ために、現状に満足せず、これからも走り続けていきます。
2.起業されるまでの学生生活
脱優:
石川さんは学生時代2014年にGoods社を創業され、その後、2017年から現在のアイデミーとして事業転換されていますが、どのような学生生活を歩まれましたか?就活などはされたんでしょうか?
石川氏:
起業家になりたいという夢は大学1年生の頃からぼんやりとあったので、起業家の先輩が在籍されていたサークルに入ったり、いろいろな人と会ったり、選択肢を絞らず色んなことに触れてみようと考えていました。
また、実は当時、起業家とは別に、学校の先生になりたいという夢もあったんです。もともと文科三類という教養や教育、文学に進む方が多い学部で入学したため、教員免許に必要な科目なども受けていました。ただ、「なにか違うな」と感じて、大学2年生頃からは教職のことは考えなくなり、起業家志向になっていきました。
大学3年生の時、21歳で2014年にGoodsを創業し、休学をはさみながら、経営をしていました。休学中は、9割の時間は会社の仕事、残りの1割は当時所属していたサークル(ビジネスコンテストの運営サークルやテニスサークル)に顔を出して息抜きしていました。
大手企業のサマーインターンなどのプログラムには参加したことはありましたが、大学3年生の6月に起業したので、新卒就活のタイミングではそれどころではなくなっており、新卒就活というものはしませんでした。
3.なぜ今の道に進んだのか?
脱優:
なぜ学生起業家としての挑戦に踏み切れたのでしょうか?
石川氏:
一番大きかったのは、2014年5月のビジネスコンテストで優勝したことですね。「自分の考えたビジネスアイデアが評価された」ということが自信になり、「アイデアのままで終わらせるのはもったいない、実際に形にしてみよう」と決心しました。
ただ、正直最初の事業はうまくいかず、3年間の試行錯誤を経て、高かった鼻がぽっきり折れました。創業時はバラ色の未来しか想像していなくて、日本から世界を変えるんだと意気込んでいたんですが甘かったですね。
脱優:
そんな苦しかった時代を経て2017年にアイデミーとして事業転換されていますが、石川さんの原動力は何だったんでしょうか?
石川氏:
「学生起業よりも、一度社会人を経験してから起業する方が成功の確率が高い」という話を聞いたこともあったので、会社に入るのもいいのかなと思った時期もありました。
ただ、その頃に、当時シェアオフィスで肩を並べて頑張ってきた仲間たちの中から、ビジネスで結果を出してイグジットしていく人が出始めたんです。身近な仲間が成功していくのを見て、負けられないなと思いました。
脱優:
なるほど。身近な方の成功が石川さんの反骨精神に火をつけたんですね!結果を出すために、何か新しく取り入れたりチャレンジされたことはありますか?
石川氏:
一番最初に考えたのは、「頑張りの量」は彼らに負けていないが、「頑張りのベクトル」が彼らと違っていたのではないか、ということです。
自分の頭の中だけで考えるだけでは、いいビジネスができないと気付き、今まで以上に謙虚に、周囲の方の意見を聞くようになりました。
また、ベンチャーキャピタルから出資をしてもらう決断もしました。ある種のアドバイザリーボードを手に入れたようなイメージです。
出資受け入れの前後でコミュニケーションのやり方や自分が接するコミュニティも変化していき、情報交換の内容や質も変わっていきました。そういった自分を取り巻く環境の変化を通して、自分自身が可能性が高いと判断したものを選んでいった結果、今のアイデミーの形になっていきました。
脱優:
石川さんの選択の結果が、最終的に「AI/DX × 人材育成・コンサルティング」という、もともとの関心事項であった先端技術や教職(人の育成や相談、アドバイスすること)とリンクするのは非常に面白いですね。
石川氏:
確かに、期せずして自分の関心領域とリンクしました。創業者のパワーのようなものがあるかもしれません。自分が本当に好きなもの、関心があるテーマでないと馬力は出ないので、可能性が高いもの、馬力が出るものを選んで行った結果、自分の興味・関心領域に近づいてきたのかなと思います。
4.石川さんにとっての「別解」とは?
脱優:
石川さんにとっての「別解」とは何でしょうか?
石川氏:
「自分の意思決定を正解にすること」ですね。
正解がある受験勉強とは違って、社会に出たら自分の選んだ選択肢を正解にするというようにゲームのルールが変わったと思います。
そのため、期待値の大きいものを選ぶということも大事だけれども、それ以上に、自分の意思決定を周りからも選んでよかったね、正解だったねと言われるように変えていこうということを意識していました。
正解は1つではないので、何が正解かを考えるよりも、正解にするにはどうしたらいいかを考えて取り組むことの方が価値があると考えています。
また、何かに挑戦するときにはリスクがつきものですが、年齢や立場の変化などで価値観が変わると、取り返しがつく/つかないの判断も変わるので、昔できなかった挑戦ができるようになるんじゃないかなと思うんです。
自分のやりたいことリストを作って、やりたいことが溜まりすぎたら、「今なら取り返しがつくリスクで出来るやりたいこと」に挑戦してみるのもありかもしれませんね。
脱優:
「正解を選ぶのではなく、自分の意思決定を正解にする」というのは、試行錯誤の期間も通じて、選択をし続けてきた石川さんならではの言葉ですね。
また、やりたいことリストの話も非常に興味深かったです!
5.今求めている人材について
脱優:
最後に、今後アイデミー社で「こんな人に活躍してほしい」、「私たちはこういう方を求めている」などあれば是非教えてください。
石川氏:
テクノロジーや技術はクールなイメージを持たれがちですが、テクノロジーは先人たちの努力や挑戦、想いが蓄積された、人と人とのつながりや愛を感じられるものだと考えています。ここに共感していただける方とは非常に相性が良い会社だと思います。
なので、テクノロジーが好きな人、テクノロジーを生み出したい人、テクノロジーを広めていくことが好きな人を私たちは求めています。
脱優:
今日は貴重なお話ありがとうございました!
石川氏:
こちらこそ、ありがとうございました!
参考:アイデミー社の採用情報
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