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別解を科学する 私の別解#03 ~事業会社から、連続起業家へ~[スマートバンク 堀井 翔太 様]【読了目安:5分】

こんにちは、脱・優等生研究所です!

私たちは、別解を追い求められている方々にインタビューさせていただきながら、何をきっかけに、どういう思いで彼ら・彼女らが別解に挑まれているのかを紐解いていきます。

前回の記事はコチラから↓。

シリーズ第3弾の今回は、スマートバンク社(https://smartbank.co.jp/)の代表取締役CEO、堀井 翔太氏にお話を伺わせていただきました。
家計簿とプリペイドカードが一緒になった「家計簿プリカ」B/43(ビーヨンサン)を使われている方には耳なじみのあるお会社かもしれませんね!

連続起業家として活躍されている堀井さんの別解に迫ります。
楽しんで読んでもらえれば幸いです。

では、早速本編どうぞ!


目次

1.堀井さんの現在地・注力していること

脱・優等生研究所(以下、脱優):
 堀井さんは、フリル(現ラクマ)を運営していたFablic社、現在CEOを務めてらっしゃるスマートバンク社と連続起業家としてご活躍されていらっしゃいますが、堀井さんの現在地や注力されていることについて教えていただけますか?

堀井 翔太氏(以下、堀井氏):
 私たちは、『お金を「使う」「貯める」「増やす」を誰もが当たり前にできる未来をつくる』をミッションに家計管理・共有のためのプロダクト開発・提供を行っています。具体的には、B/43という家計管理アプリとカードの発行を行っており、カード決済まで含めて家計管理するということをコンセプトにしています。アプリ開発だけでなく、弊社自身がカード発行会社(イシュアー)であるという点が他のフィンテック系のスタートアップとの違い、私たちの特徴です。
 資金移動業の免許取得に時間を要しましたが、B/43のローンチから約2年が経過し、現在はPMF(プロダクト・マーケット・フィット)の検証が終わった段階です。一度弊社のサービスを使ってもらえれば、長く使ってもらえるということが分かったので、今後は、私たちのサービスを多くの方にどうやったら手に取ってもらえるか、認知・獲得をどうやって取るかということに集中しています。
 また、現在のドメインは家計管理・家計共有という家族のPLの管理(「使う」)をすることですが、今後は、資産の管理(B/Sの管理、「貯める」)、資産を運用し増やす(B/Sの拡大、「増やす」)と金融機能の拡大を図っていきたいと考えています。

2.起業されるまでの社会人生活

脱優:
 堀井さんは、起業家となられる前はVOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS、以下VOYAGE)に新卒入社されたと思いますが、どのように社会人生活をスタートされたんでしょうか?

堀井氏:
 もともと起業したいとは学生の頃から思っていました。なので、学生時代から楽天など複数のベンチャー企業でインターンをしていました。
 そして、私は今年38歳になるのですが、私の学生時代は、ちょうどライブドアの堀江さんやサイバーエージェントの藤田さんが起業家として活躍していた時期でしたので、ネット系ベンチャーに強い興味がありました。藤田さんの著書「渋谷ではたらく社長の告白」は何度も読み返し、今でも私のバイブルになっています。
 また、当時はmixiが全盛期で自分もユーザーとして使っていたこともあり、こういったインターネットのサービスを自分も作れるようになりたいと思いました。ただ、サービスの作り方も事業として継続的に運営していく方法も分からなかったので、インターネットの事業会社に入ってそれを学ぼうと考えたんです。
 ただ、残念ながら当時はインターネットの会社で新卒採用している会社があまりありませんでした。そんな中で見つけたのが、サイバーエージェントのメディア部門の子会社だったVOYAGEです。VOYAGEは新規事業開発に挑戦できる環境ということで入社を決めました。

3.なぜ今の道に進んだのか?

脱優:
 なぜ起業家としての道に進まれたんでしょうか?転職などは考えませんでしたか?

堀井氏:
 起業家志望ということもあり、実力が付いたタイミングで起業しようとは思っていました。会社への不満は全くなかったので、転職については考えたことがないですね。あくまで、会社にいるか、起業するかの二択でした。
 VOYAGEには4年間在籍しましたが、最後の2年間は子会社の代表と役員をやっていました。幸いなことに自分でゼロから立ち上げた事業が順調に成長し、VOYAGEの新規事業制度を活用して、子会社化することになりました。若いうちから子会社の代表をやれる機会は滅多にないと思います。自分の成長にもつながると思って頑張りましたね。
 ただ、事業が軌道に乗ると、「今回はサイバーエージェント、VOYAGEという会社の看板を使って立ち上げたので上手くいったが、自分一人で立ち上げたら再現できるのだろうか」という気持ちが強くなりました。
 また、どうしても子会社の社長だとできる範囲が限られてしまい、本当のピュアな0→1の挑戦がしづらかったりするので、自分の成長を考えると、子会社の社長よりは自分で裸一貫でやったほうが良いなと思いました。
 加えて、兄とVOYAGEの同期が一緒に退職し、起業してくれると言ってくれました。信頼できる仲間と始められたということが大きかったです。

脱優:
 最初の起業では、フリマアプリ「フリル(現ラクマ)」を運営していたFablic社を創業され、楽天への売却というExitをされました。今回、改めてto C向けのサービスでもう一度立ち上がられたのはなぜですか?

堀井氏:
 「連続起業家あるある」かもしれませんが、以前自分が作ったものよりも大きいことをしたいと考えました。
 ただ、非常に手前味噌ですが、自分が作った「フリマアプリ」というジャンルは、10年に1度の発明だったと考えています。C2C市場を創出・拡大したという意味で社会に大きなインパクトを与えるものでした。実際、当時の競合だったメルカリは日本初のユニコーンになっています。となると、これからやる事業はメルカリ超えという非常に高い山を越えなければいけません。
 そして私は消費者と向き合うことが好きなんだと思います。なので、to Cのサービスを通じて、ユーザーの習慣を変えて、文化を変えて、社会が変わる。そんな社会にインパクトを与えられるような事業を作っていきたいと思って再挑戦しています。

脱優:
 B/43(ビーヨンサン)のサービスを構想されてから実装されるまでの間でどのような障壁がありましたか?

堀井氏:
 資金移動業の免許取得が特に大変でした。フィンテックは免許制のビジネスが多く、弊社の事業も例外ではありません。ユーザーからお金を直接預かり、預かったお金を決済や送金に使うためには、資金移動業という免許が必要です。この免許を取るには、資本金の要件や社内のコンプライアンス体制の準拠など、厳格な要件をクリアする必要があり、約1年半ほどかかりました。
 開発面では、ユーザーの残高管理やカード発行からカード決済までの一連の仕組みを作ることが大変でしたね。 Visaと協議を重ねて、カードを発行して決済できるシステムを作ることにかなり時間がかかりました。カードという物理媒体の発行もあるので、アプリやウェブサービスをシンプルに作るというよりは難しいことにチャレンジしてきました。

脱優:
 そのような障壁を乗り越え、事業を順調に成長させられた方法や秘訣はありますか?

堀井氏:
一番は「フリル」と「メルカリ」を比較して、反省点を洗い出し、今の事業に生かしていることだと思います。
 特に「フリル」時代は私自身がプロダクトの意思決定や細かな仕様変更まで関与していて、権限移譲が出来ず、経営目線で取り組むべき事項に注力できていませんでした。今は任せるところは任せつつ、組織・チームとして動こうとしています。

4.堀井さんにとっての「別解」とは?

脱優:
 堀井さんにとっての「別解」とは何でしょうか?

堀井氏:
「経験のアップサイドを取ること」ですかね。
 私の場合は、社会人経験をある程度積んで、今の職場で評価されているという自信があっての挑戦だったので、最悪失敗しても何とかなるという考えもありました。なので、挑戦しないリスクのほうが大きいなと感じたんです。
 個人的には、自分の成長のアップサイドを取るために、より厳しい道を選ぶようにしています。仮に失敗しても、同じ時間を使って、今の会社で成長するよりも良い経験が積めると思ったら厳しい道に飛び込んでもいいんじゃないかなと思っています。

脱優:
「経験のアップサイドを取る」素敵な考え方ですね!
 今の会社で評価されている方ほど、環境を変える、チャレンジすることのリスクは小さく、得られる経験・スキルのほうが大きいということですよね。優秀な方ほど共感されるのではないかと思います!

5.今求めている人材について

脱優:
 最後に、今後スマートバンク社で「こんな人に活躍してほしい」、「私たちはこういう方を求めている」などあれば是非教えてください。

堀井氏:
 私たちは、Fablic時代の反省から、強い組織を作る、チームワークできる体制構築を心がけています。
 そのため、チーム開発できる方、チームで協力しながら活躍できる人、マネジメントできる人などを求めています! 

脱優:
 今日は貴重なお話ありがとうございました!

堀井氏:
 こちらこそ、ありがとうございました! 


参考:スマートバンク社の採用情報

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