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Twitterから読み解く“アルムナイ”の今昔。

労働人口の減少や終身雇用制度が終わりを迎えつつある中、コロナ禍であっても人材不足で悩む企業は年々増加しています。そんな昨今、企業の人事制度や採用活動で、退職者や退職者とのコミュニティを「アルムナイ」と呼んで注目している企業が増えています。でも、アルムナイという言葉、日本でいつから誰が言い始めたのか……何をきっかけに定着したのか……皆さん知っていますか?
今回は株式会社ゴーリストが提供するビッグデータ活用サービスdatistのWebクローリング技術を使って、アルムナイの起源や使われ方の変化を調査してみました!

目次
◆どうやって調査したか
◆ツイート数の変化
  メディアの力で2018年からツイート数が急増
◆ツイートのされ方の変化
  時代と共に変化する使われ方
◆おわりに

◆どうやって調査したか

プライベートからビジネスまで幅広く利用されているTwitterで、直近10年間(2010年1月~2020年10月)の「アルムナイ」という言葉を含むツイート数とツイート内容をクローリングし

  ・ツイート数の変化
  ・ツイートのされ方の変化

について調査しました。


◆ツイート数の変化

ツイート数の推移

ツイート数の変化を年毎に見ると、徐々にツイート数が伸びていく……ということではなく、2018年から急激に伸びていることがわかります。その後、2019年、2020年とツイート数は300前後で横ばい。一方で10年前の2010年、2011年でもツイート数は100前後あることから、近年使われ始めた言葉ではなく、元々使われていた言葉の定着度や使用頻度があがったと言えます。

さて、急激にツイート数が伸びた2018年。なにがあったか調べてみると、2018年7月にテレビ東京のワールドビジネスサテライトにて「アルムナイ特集」が放送されていました。なんと、この月だけで125ツイート!

ツイート内容を見てみると…「#wbs」と一緒に、「初めてアルムナイという言葉を聞いた」というものから…

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番組内容を取り上げるものまで…

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「WBS」と一緒のツイートが40ツイート!

その他、「WBS」と一緒でないものの、ワールドビジネスサテライトを見て備忘録をとったと思われるツイートも多数ありました。

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ツイート数の推移から見えてきたのは、10年前から「アルムナイ」という言葉は使われていたが、ワールドビジネスサテライトへ取り上げられたことを機に、2018年にツイート数が急増。その後もツイート数は横ばいに推移していることから、言葉が定着したことがわかりました。


◆ツイートのされ方の変化

10年前も年間100ツイートは見られたアルムナイ。2018年のワールドビジネスサテライトをきっかけに、退職者や退職者とのコミュニティを「アルムナイ」と呼ぶことが定着したようですが使われ方は10年前からずっと同じだったのでしょうか?

ワールドビジネスサテライトで「アルムナイ」が取り上げられる前後で、一緒に使われている言葉をカウントし、ランキングしてみました。

すると、

一緒に使われている言葉ランキング

とってもわかりやすく、ワールドビジネスサテライトに取り上げらた後から、会社、退職、採用、企業、といった「企業の人事イベントに関するキーワード」と一緒に使われる回数が増加しています。

実際にどんなツイートがされているのか見てみると・・・

2010年~2017年(ワールドビジネスサテライト前)では、自分が過去所属していたコミュニティの卒業生達の会や、卒業生そものもを指すツイートがほとんど。

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採用活動でアルムナイという言葉を使っているのはごく少数です。

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それが、2018年~2020年(ワールドビジネスサテライト後)では、「アルムナイ=卒業生」ではなく、「アルムナイ=会社を退職(卒業)した人」というように、同じ意味でも使われ方が会社や採用シーンに限定されることが多くなっていました。

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「退職した人の再雇用」「出戻り社員」とかなり限定的に使われて使われています。使われ方の変化が、はっきりでているのがわかりました。


おわりに
アルムナイという言葉は誰が流行らせた訳でもなく、「卒業生」という意味で、10年前から自身の元所属コミュニティを指したりすることに使われていました。が、リーマンショック以降の有効求人倍率の上昇による人手不足や採用難などを背景に、メディアの力も相まって、採用手法として卒業生とのつながりを活かすこと、その採用手法やコミュニティのことをアルムナイと定義する様に、言葉の使われ方が変化していったことがTwitterのツイート数、ツイート内容を読み解くことによって知ることができました!
何気なく使っているTwitter。データとして紐解いていくと、言葉の伝われ方の変化や、言葉の定着度合い、そのきっかけ…新しい発見がたくさんありますね。ビッグデータの活用に興味がある方は、下記ページを確認してみてください。


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