宇宙兄弟 68話 二つの鍵盤
「宇宙兄弟」で印象に残っているストーリーを一つ。
ムッタとヒビトが敬愛する天文学者のシャロンが難病のALSであることが発覚した。ALSとは脳から筋肉に信号が行かなくなってしまう難病。
シャロンは次第に文字が書けなくなってきたり思うように動くことがままならない状態になっていく。
シャロンが大好きだったピアノの鍵盤を叩くことができなくなっている状態を知った兄弟。示し合わせたわけでもないが二人の兄弟が考えていたことは全く同じだった。
弟のヒビトは帰国した際に
兄ムッタはアメリカから
ピアノよりも鍵盤の軽いキーボードを贈る。
簡潔に話をまとめるとたったそれだけの話だが「夢」と「現実」と「思いやり」が詰まっていて泣ける。
正直この時のムッタやヒビト、シャロンの気持ちをトレースしようと思うと最初から物語を追って行く必要があるので単発でこの話を見るのはおススメしない。ただ、宇宙兄弟好きには何とも言えないグッとくる話。
漫画やアニメで難病を取り扱う際、どうしても嘘っぽくなってしまうケースが見られることがある。
宇宙兄弟にはそれがない。
病気の話に限らず全編にわたってわざとらしさがない。
ダメなものはダメで、どうしようもないことはどうしようもないものとして描かれていて、それでも折り合いをつけることをやめて夢に向かって突き進む姿が描かれている。
そしてどのキャラクターにもドラマがあり、共感すべきキャラクターとして描かれている。
宇宙兄弟がビジネス書に書かれるのはそのあたりの理由があると思う。
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