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不気味の谷現象

「不気味の谷現象」という言葉がある。

ロボット界隈で使われる言葉。
ロボットが人間の姿に近づいていくほど人間は親近感を持つ傾向がある。
ただし徐々に人間の姿に近いものとなってきてある一点を超えると親近感は急降下して嫌悪感に変わるというもの。
完全に人間になると一気に親近感が上がるのでこれをグラフにすると人間になる一歩手前で深い谷ができることになる。

この現象をもうちょっとざっくり言うとデフォルメされた可愛いキャラは好きだけどリアルすぎるのに表情や動き方にぎこちなさが残っているキャラは気持ち悪い、そんな感じだと思う。

実際にどんなものか見てもらった方がわかりやすいと思うので興味のある方は下記のサイトで3本の動画が紹介されているのご覧いただきたい。

最初の2本はリアルを追及しているけどぎこちなさが残っていてちょっと気持ち悪さを感じる人がいるかもしれない。

でも最後の動画に出てくる少女は人間にしか見えない。
この少女のロボットは「不気味の谷」を超えたと言われている。
※結構有名な動画なのでご存じの方も多いと思う


この現象って人間同士にも当てはまるものだと思う。

芸人さんでも気持ち悪い動きをしたり変な言葉遣いをしたりするタイプの人がいる。例えば江頭2:50さんとかオードリーの春日さんとか。
その人たちのそういう特異な部分だけを切り取って見てしまうと、それを面白いと感じている人以外は気持ち悪いと感じるんじゃないだろうか。

こういう感覚って「不気味の谷」と同じ感覚から生まれてくると思う。


もっと言えば外見だけでなくて思想とか考え方みたいなものに対してもこの現象が出てくると思う。

人間って感覚的に許容範囲内と思わないものを嫌う傾向がある。同じような顔付きをして同じ言語を話しているにもかかわらず、というところが不気味の谷らしいところ。
西野さんの言葉を借りると「よくわからないものを否定する」という現象そのものだと思う。

逆の立場から言うとそれが人間の持つ弱さとか自己防衛本能という事になるのかもしれない。そう考えると否定してしまう人たちも本能的なものに基づいて行動しているわけで仕方のないことなんだなぁと考えることができなくもない。所詮人間は弱い生き物なので。


ただ、江頭さんも春日さんも見慣れると意外に面白い、という感覚に変わっていった人もいるわけで、違和感を感じるのってあくまでも人の感覚だけの問題だし、現に僕たちは西野さんすごいなぁと単純に思っているわけだし。

こうやって小難しいことをエラそうに言っている僕も苦手だなぁと思う人は普通にいる。そういう時にいつも考えてしまう。「この人に1か月ぐらい密着取材みたいにしてみたら印象変わるのかな?」

いや、そんなことできないんだけど(笑)
要するにこの人のことを知らなすぎるよなぁというのを肌で感じているわけで、兵法っぽく言えば「敵を知り己を知らば百戦危うからず」。
敵のことを知らなきゃ攻略もできない。
自分が今できることだけを一方的に全力でやっても相手に「不気味の谷」と感じさせてしまっていたら何にもならないわけで。

社畜として生きている以上は苦手な人ほどコミュニケーションをとって相手のことを知る努力も必要なんだろうなぁと思う。


それでも無理なら「不気味の谷」の底に置き去りにするしかない?(笑)


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