飲食店をしているが、コロナの影響で3人しかいない社員が2人辞めることになった話。

この件をお店のブログに書くか、だて個人のnoteに書くか最後まで迷ったのですがまったくもって冷静に書ける自信がなかったのでnoteに書くことにしました。

タイトルに書いている通りで、私の経営しているボードゲームカフェ「アソビCafe」(東京・神保町)のスタッフであり、株式会社絶対ムテキカンパニーの社員2人が退職することになりました。1人は店長・ヒガ、1人はキッチンスタッフのまつだです。共に4年間お店を支えてくれた主要スタッフであり、だての大事な友人たちでもあります。

コロナ休業再開後の売上について

2人の退職についてお話しする前に、まずはコロナ休業再開後のお店の売上について話をしたいと思います。わかりやすく去年2019年6月〜8月の売上2020年6月〜8月の売上を比較してみました。

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ご覧の通り、わかりやすくかなり厳しい状況です。徐々に上向いているとはいえ、8月は売上が期待できるお盆期間がありましたがそれでも損益分岐点(ここのライン以下は赤字)を超えることはできませんでした。3ヶ月の赤字トータルはざっとみても250万〜300万というところです。

正直な話、ボードゲームカフェ「アソビCafe」はこれまでの4年間1度も赤字だったことがありませんでした。ありがたいことにだてがお店をオープンした2016年4月、初月から黒字営業だったのです。それ自体が相当恵まれていることだとは分かりつつも、やはりショックではあります。

コロナ休業再開後の変化

コロナ休業再開後から大きく変わったことは、土日祝日のお客様の人数です。これまでは平均で70名〜80名、多い日には100名近いお客様にお越しいただいておりましたが現在は20名〜多くても40名という具合で、感染症予防対策でテーブル数を減らしていますが満席になることはほとんどありません。

平日も同様で、お客様が0人という日も少なくありません。お店ではイベントを多く開催しているのですが参加者さんの人数も3割〜4割という感じです。また、土日祝日と同じくらい忙しかった週末も今では他の平日よりもお客様が少ない日も多いです。

現在東京都の飲食店には営業時間短縮要請があり、8月3日(月)〜9月15日(火)は22時でお店を閉めています。また、平日もスタッフ2名いても仕事がないので現在は基本スタッフ1名体制となっています。

休んでいるスタッフの給与についてですが、雇用調整助成金を申請し助成金を受け取れるように手続きしています。この手続きが非常に難しいもので、経理では対応しきれないということで社労士さんにお世話になっています。また、営業時間短縮要請に応じると東京都から合計で35万円を受け取ることができますが、会社を救えるほどの大きな補填にはなりません。

社長としての決断

以上の状況をみて、わたしが決断したことは「2020年9月末までの売上をみて、もし損益分岐点を下回るようであれば人員の整理を行う」というものでした。現在のお店には社員スタッフが3名いるのは明らかにオーバースペックであり、売上も立っていないので他の方法で売上を立てる必要があります。だての経営する会社株式会社絶対ムテキカンパニーでは「ボードゲームカフェ事業」の他に「謎解き事業」「アクセサリー事業」があります。ただこの二つは会社として積極的に動くというよりは、だての手が空いている時や依頼が来た時に受けている程度です。もし売上が戻らないのであれば今浮いている社員の部署移動を行い、そちらの部門を動かそうというわけです。

人事についてですが、今いる社員の中で絶対にお店から動かせない人材がいます。それはホール&キッチンスタッフの高橋です。高橋はホール業務(ボードゲームのオススメ・ルール説明)とキッチン業務(フード調理)ができる人間で、社員アルバイトちゃん含めこれが両方できるのは高橋とだての2名だけです。お店を回すには必要不可欠な人物です。なので、店長・ヒガまたはキッチンスタッフ・まつだが他の業務に就くということになります。

2人の決断

2020年7月某日に社員を集め会議を行い、ここに書いたことをすべて話しました。ですが、わたしが2人に提示した内容は少し異なります。

「会社としては売上が立てばいいから、どんなことでも必死にやろうと思ってる。でも、みんながやりたくないことをやれと私はいいたくないので、自分でどうしたいかを決めて欲しい。お店の売上を増やすために頑張ってもいいし、謎解きを作ってもいいし、アクセサリー事業を頑張るでもいい。別のほかの全然違うことでもなんでもいい。なんでもいいから、会社にいてくれるなら何かを頑張って欲しい。」

うちの会社でやりたいことが出来なくなってしまうことが本当に2人の幸せなのか、これについてずっと考えていました。お客様にボードゲームの楽しさを伝えることが楽しいと言っていたヒガが謎解き案件の営業をすることが本当に幸せなのか。作った料理を美味しい!と言ってもらえることが嬉しかったまつだにアクセサリーの広報活動をすることが本当に幸せなのか。だて自身が好きなことしかしたくなくて今の仕事を選んだので、2人の希望を尊重すべきと思い、すべての選択は2人自身に委ねることにしました。

今回2人が出した決断は退職でした。一応、他の選択肢として高橋と同じようにホール・キッチン業務の両方を1人でできるようになればボードゲームカフェ事業に残れる可能性もある、とも話しましたが決断は変わりませんでした。そして、会社として2人の希望を受け入れ、2020年9月30日付で退職するということになりました。

仕方ないと思う自分と、頑張って欲しかったと思う自分と、不甲斐ない自分がぐるぐると入り混じって、正直今でも気持ちは整理できていません。でも、だからといって立ち止まっているわけにはいきません。それは、ボードゲームカフェ「アソビCafe」を続けることこそがすべての希望だからです。お店さえ続けることができれば、売上が戻ってきてまたもし万が一2人が戻ってきたいと思ってくれた時に受け入れることが出来る可能性があります。お店がなくなってしまえば、それすら叶いません。あらゆる可能性を残す為、1日でも長くボードゲームカフェ「アソビCafe」を営業し続けることが不可欠なのです。

普段からお店をご利用いただいている、愛してくださっている皆さんにはつらいお知らせになってしまって本当に申し訳ありません。この希望の灯を絶やさないように、今後もスタッフ一同で頑張っていきます。9月末までになりますが、ヒガとまつだにも会いに来てあげてください。とても喜びます。

完全に余談ですが、10月からは平日週2回はだてが店舗スタッフをすることになりました。実に店舗スタッフとしては2年ぶりにお店に立つことになります。是非顔見せに来てくれると嬉しいです。

あまり湿っぽいのは好きじゃないので、2人へのメッセージはこれだけです。また一緒に遊ぼーな!

だてあずみ。



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