マーケティングのフレームワークを使って業界分析をしてみた

マーケティングのフレームワークを使って理容業界の分析をしてみました!
まずは今回使ったフレームワークの紹介をします。

■PEST分析

PEST分析とは、外部環境を政治、経済、社会、技術の4つの要因に分類し、自社に与える影響を読み解く分析手法です。
技術革新や法改正など自社を取り巻く環境要因を把握し、脅威を予測できる点で有効です。

政治(Politics):法律、法改正、税正、裁判制度、政権交代など
経済(Economy):景気動向、物価、消費動向、経済成長率、為替、株価など
社会(Society):人口動態、密度、世帯、老齢人口、少子化、流行、宗教、教育など
技術(Technology):インフラ、IT活用、イノベーション、特許、新技術など

■5つの力(ファイブフォース分析)

5つの力(ファイブフォース分析)とは、競合各社や業界全体の状況と収益構造を明らかにし、その中で自社の利益の上げやすさを分析するフレームワークです。新規参入や新製品開発、新ブランドの立ち上げ時などに、収益性を検証するのに役立ちます。

■アドバンテージ・マトリックス

アドバンテージ・マトリックスとは、競争上の競争要因(戦略変数)が多いか少ないかと、ある事業の中で優位性を構築する可能性が大きいか小さいかという2つの軸で事業を分類するフレームワークです。
アドバンテージ・マトリックスでは、業界の競争要因の数と優位性構築によって、事業特性を「分散型事業」、「特化型事業」、「手詰まり型事業」、「規模型事業」の4つに分類します。
事業を分類することで、事業の規模と収益性の関係をわかりやすく整理できるようになります。

■SWOT分析

SWOT分析とは、自社の外部環境と内部環境をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素で要因分析するフレームワークです。
既存事業の改善点や伸ばすべきポイント、新規事業の将来的なリスクなどを見つけることができます。

強み(Strength):自社や自社商品の長所や得意とするところ。内部環境のプラス要素。
弱み(Weakness):自社や自社商品の短所や苦手とするところ。悪影響を及ぼすと考えられる内部環境のマイナス要素。
機会(Opportunity):社会や市場の変化などにより、自社や自社商品にとってプラスに働く外部環境のプラス要素。
脅威(Threat):社会や市場の変化などにより、自社や自社商品に悪影響を及ぼすと考えられる外部環境のマイナス要素。

1990年代の理容業界を分析

■PEST分析

政治(Political):理容師法の改正(中卒から高卒に引き上げ、修学期間が1年から2年)
経済(Economic):カラー剤やシャンプーなどの仕入れ値の高騰。景気悪化によって美容への投資が減る。
社会文化(Social):カラーやパーマ、エクステなどトレンドの変化(個性化・ファッション化)
技術(Technological):ネットからの予約。トリートメントやヘッドスパなどの技術進化。

■5つの力

業界内の競争:競争は激しい
新規参入の脅威:競争は激しい
代替品の脅威:競争は激しい(カラー剤や専門店など)
売り手の交渉力:個人事業の場合は売り手の方が強い
買い手の交渉力:買い手の方が強い(買い手に選択肢がある)

■アドバンテージ・マトリックス

理容業界は競争要因が多く、優位性の構築が難しい「分散型事業」に属する。

■SWOT分析

<内的要因>
強み:
・個人事業として比較的容易に開業できる
・地域で親しまれている
・経験の長いスタッフが多い
弱み:
・若いスタッフがいない(跡継ぎ問題)
・IT化が進んでいない(予約システムなど)

<外的要因>
強み:
・立地は住宅地区や商業地区が多い
・固定客が多い
弱み:
・顧客層の高齢化
・大手サロンの開店
・新規顧客の獲得

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