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創作大賞2024 読者応援期間に楽しく読める小説を紹介します

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」(ねむるこ/小説書き さん)
面白いので、先へ先へと数日で完読しました。
中学校に爆破予告と宝があるという噂が駆け巡って、中学生が宝探しに奔走するという物語。途中で連想して、宝はあれかなと思ったのですが、予想外の宝でした。
宝さがしに必要な暗号は、中学生向きのヒントなので、「探偵さん」たちよりは先に解けましたが、あの年代の読者にはちょうどいいのでしょうね。楽しんで解けると思います。
ミステリーによくありがちな探偵とただの助手というキャラ設定ではなくて、文芸/クリエイター、クイズ、スポーツ、リアリズムという特性が出ています。それに同年代だけではなくて、教員も存在感があるし、伏線も効いていると思いました。
過去から現在へと紡がれる「思い」の物語。

「ヤマシタが来た」(橘 実来 さん)
ファンタジー小説部門。
祖母から頼まれたヤマシタと呼ばれる小人が、危機に瀕している由香里を助けに来たと言うのです。
けど、どんな危機なのかと訊いても、わからん。 
いつなのかと訊くと、近いうちに。
ぜんぜんわかっていないところがリアルでかわいい。二人のやり取りも軽妙で、漫才を見ている感じです。
第一話はあらすじだけなので、本編は第二話からどうぞ。

「言の葉ノ架け橋」(豆島 圭 さん)
お仕事小説部門ですが、ファンタジーの要素があって、キビキビした空気はなくて、ふわふわした感じで読めます。オウムのようなヨウムのヨウちゃんも絶妙にツッコミを入れるキャラで楽しいし、フガフガフゴゴッと犬のウメ子さんとの漫才のような掛け合い。そんなウメ子先生が消し去りたいものをなかったことにしてくれる、という話をどこからか聞きつけてきて、御願いお願いと言ってくるんです。飼い主さえ半信半疑、本当にそんな能力があるのだろうかと首をひねります。この能力を巡って、周囲の人間が本当になかったことにしていいのか、それがあったから今があるんじゃないかと葛藤する、その中で言えなかった思いが明らかになったり、成長があったりとステキな作品です。全十話なので、読みやすいと思います。


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