「参照データとマスターデータ」データマネジメント知識体系(DMBOK)第10章の解説
はじめに
この章を読んでマスターデータが管理されてないってどんな状態なのかと思っていたが、サイロ化されているシステム群を目の当たりにすると、パッケージ製品を導入しただけの状態とはこうなるのかと感心した。
この章でのポイントは顧客を管理するデータベースが業務システム毎に存在するときは紐付けられるようなキーを持つ事だったり、参照データと書かれているコード値を管理するデータなんかも共通のデータベースを使うようにせよとか当たり前の事が書かれている。
システムベンダー依存の会社この当たり前の事ができていないからこの章の意義があり、当たり前のことをやっている時はあまり気にしなくて良い章だと思う。
DMBOKの各章の要約・解説
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データマネジメント知識体系(DMBOK)第10章「参照データとマスターデータ」について
参照データとマスターデータとは
この章のタイトルである参照データとマスターデータの関係性として、マスターデータが広い概念でその中の一つに参照データがある。
マスターデータを管理する方法がMDM(マスターデータマネジメント)と呼ばれてもてはやされているけど以前は必要性がイマイチ把握できなかった。
DMBOKの例にこんな感じの事が書かれていて、こういう事が普通にできてないのシステムも世間ではあるのかと理解できた。
6層のデータ分類法
以下に記載している6層のデータ分類法のうち「参照データ」「エンタープライズ構造データ」「トランザクション構造データ」をまとめてマスターデータと定義している。
タイトルにある参照データとは、例えば都道府県コードと都道府県名などが管理されているデータのことを言う。この章では参照データの管理方法が実例を交えて紹介されている。
マルコム・チズルムが提案した6層のデータ分類法の6層は以下の通り。
メタデータ
参照データ
エンタープライズ構造データ
トランザクション構造データ
トランザクション業務データ
トランザクション監査データ
「参照データとマスターデータ」のゴール
組織が必要としているデータ環境を構築するために、データの冗長性を生むリスクを低減し、高品質なデータを保証し、データ統合のコストを削減できるようにデータが管理されている。
組織内の業務領域やアプリケーションを横断して情報資産を共有できるようになっている
照合済みで品質評価済みのマスターデータと参照データを正式なソースとして提供されている
標準、共通データモデル、統合パターンを使用してコストと複雑さを低減されている
「参照データとマスターデータ」の進め方
目的の定義
データマネジメント自体を目的にするのではなくビジネスメリットをきちんと定めて定義する必要がある。
ここを定めておかないと予算や人員確保が極めて困難になってしまう。
現状整理
現状のデータがどのような構造になっているのか評価をする。
システム間のデータがどのように紐付けられているか、コード値の管理は適切にされているのか。
アーキテクチャの再定義
サイロ化されている業務システムをマスターデータの観点でどのようにすれば、目的を達成できるようにできるのかを描く。
DMBOKにはアーキテクチャの例がこのように書かれている。
マスターデータのモデル再定義
アーキテクチャがかけたら実際のデータの持ち方をどうするかという理想のデータ設計を描いて、それに向けてどのようにリファクタリングしていくのかを考える。
理想のシステムの構築
アーキテクチャとデータモデルの理想像を策定したら、予算と人員を確保して構築に取り掛かる。
取り掛かる上では最初に定義したビジネス目標を達成するべく経営陣を説得して行う必要がある。
マスターデータの使用を強制するガバナンスの確立
ここまでが構築だが重要なのは維持し続けること。
ガバナンスの確立というのは、今後マスターデータの理想が崩れるようなシステムを構築してしまうと、ビジネスに棄損がでることを計測し続けて、維持し続ける意義と体制を確立する必要がある。
「参照データとマスターデータ」の成果物
成果物としては要件定義書、実際のシステムといったものがある。
マスターデータと参照データの要件
データモデルと統合パターン
信頼できる参照データとマスターデータ
再利用可能なデータサービス
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
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