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ネイチャーサークル in 京都大原    「勝林院 宝泉院」 2022年3月26日27日山上で泳ぐ絢爛な魚の群れに阿弥陀如来が微笑んでいるように見えた。

海祭り実行委員会が企画したこのイベントの主催者の一人、京都のダイビングスクール「Blue Peter」代表の田中嗣人さんからお声がけ頂き恐れ多くも京都大原のお寺でプロジェクションマッピングする機会をいただいた。

勝林院  宝泉院

昨年の夏(2021)水中写真家の鍵井靖章さんの写真展「青い空」で映像展示のお手伝いをさせて頂いたが、今回のイベントも鍵井さんの写真パネル展示をメインにし、夜の部では勝林院本堂およびその周辺に鍵井さんの水中映像をふんだんに使ったプロジェクションマッピングで山の上に魚影が舞うという前代未聞の映像展示を行う事になった。

1回目のロケハンは2月初頭。前日に降った雪が残り樹々、両脇の苔庭も静かに佇んでいた。

勝林院、宝泉院、庭園枯山水などすべて見せていただいたが場所使用の可否、映写条件に合うかなど今後下準備に多くの折衝で悩まなくてはならないだろうと少し憂鬱になる。
一つの出し物準備でも大変なのですが、それよりもこの大原でイベントを開催させるに至り主催者 Blue Peterの田中さんは狭い地域とは言え周囲の寺院、参道の店は勿論の事、通づる民家一軒一軒の賛同を得るため挨拶に回ったそうです。
こういう地道な活動が開催の基盤となる事を忘れてはならない。

写真上から本尊の阿弥陀如来、木段の上の木戸と軒下の垂木、石段と4本の表柱
正面は計3台のプロジェクターを設置

2回目のロケハンではプロジェクター設置場所を決め、それにより映写範囲を割り出す計測作業の予定でしたが、日が暮れないとプロジェクターの光が認識できないため夜からの作業は大原の冬を侮った結果、暗闇の中周囲何も見えずおまけに雪が降ってきて、よく考えれば激寒暗闇の山中最悪凍え死ぬんではないかと焦り止む無く作業断念する事になった。笑えるがその時は本当に意気喪失でした。

それぞれの映写範囲によりプロジェクターの設置位置を決定する。
建物の形状を縦横の縞模様を段階的に投影し計測するスキャニング作業

日を改め、この時点で本番10日前になっている。計測のデータを持ち帰り、これからマッピング映像の編集作業に入る事ができる。
本堂左手前苔庭に並んで白い漆喰の立派な蔵があり、この壁にも映写したい欲が出てプロジェクターは1台増やして4台使用する事となる。余裕が無いのに自分で仕事を増やす困った性分であるとほとほと思った。

3月26日本番の前日の夕方からプロジェクター設置、映像の位置調整が行われ前回計測の時と同じ位置にセッティングできれば建物と映像がピタッと合うはずである。しかし屋外では地面の変化などで水平が狂いなかなか思ったように合わなかった。
翌日の本番は生憎の雨で酷な作業が待っていました。
屋外のプロジェクターには雨避けテントを2箇所張ってもらい対処した。
雨の中を走り回って設置のサポートをしてもらったり忘れ物の多い私は要らぬ面倒をかけてしまった運営スタッフの皆様には感謝の言葉しかありません。お陰様でプロジェクションは予想以上の出来栄になり皆様に喜んで頂いたようだ。
不運な雨とはいうものの霧雨を通る映像はまるで海の中にいるようで、しかもリズミカルな雨音やカジカガエルの鳴き声が素晴らしい効果をもたらしてくれた。

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