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[競馬予想AI] オッズから正しく人気度を把握する

今日はオッズにまつわるお話です。

皆さんは競馬で馬券を購入するときにその馬がどれくらい人気かを確認すると思いますが、どのように確認しますか?おそらく、「オッズ」や「人気」を確認すると思います。オッズが小さければ人気が高いと判断しますし、人気が小さければ人気が高いと判断すると思います。でも、レース結果と自分のその馬に対する人気の感覚にズレや違和感を覚えたことはないでしょうか?

特にない方はお話はこれで終わりになります。ある方はもしかするとこれからお話するようなことが原因かもしれません。

人気

「人気」のデータは質的データでありその中でも順位データと呼ばれる尺度です。直接四則演算することはできませんが、平均を計算するなどの操作は可能なデータです。

2番人気が1番人気より2倍人気であるとは言えないことからも四則演算できないことが分かると思います。人気度の順序は把握できるのでもう少し詳細な人気度を把握する手段として次にオッズを見ると思います。

オッズ

ここでいうオッズとは競馬におけるオッズです。統計学におけるオッズとは異なります。

統計学におけるオッズ = p / (1-p) p:事象の発生確率

競馬におけるオッズ = 総払戻金 / その馬の販売額

総払戻金は競馬場側の取り分の控除後の金額で、単勝であれば総販売額の80%です。競馬におけるオッズは次のようにも計算できます。

競馬におけるオッズ = 払戻し率 / その馬の支持率

単勝の場合、払戻し率は0.8となります。(以降、単勝馬券を対象にお話を進めます。)
支持率は総販売額に対するその馬の販売額の割合です。人気度を把握したいのであればこの支持率を確認したほうが自然です。

感覚のズレの正体

上式から分かるように、競馬におけるオッズはその馬の支持率に対して反比例します。これが人気度の感覚のズレの原因かもしれません。

オッズと支持率の関係

上のグラフはオッズと支持率の関係です。このグラフのように支持率が0.5から0.8と0.3増加してもオッズは0.6しか減りません。一方、支持率が0.2から0.5と0.3増加するとオッズは3.0も減ります。オッズ1.0と1.6はほとんど同じに見えて実は支持率は30%も異なっているのです。なのでオッズ1.0の時の「この馬は堅いだろう」という感覚と、オッズ1.6の時の「この馬は堅いだろう」という感覚とでは乖離が生じるのですね。

グラフの形状から、オッズの値が小さい馬は過大評価されやすく、オッズの値が大きい馬は過小評価されやすい傾向になります。

競馬を長年やっている方ならこの感覚のズレに対応できるかもしれませんが、私のような初心者の場合には難しいです。

オッズを支持率に変換する

単純にその馬がどれくらい人気なのかを把握するにはオッズを支持率に変換したほうがいいかもしれません。

支持率 = 払戻し率 / オッズ

払戻し率は馬券によって異なりますので適宜変更してください。
例として、2021年5月23日オークスの単勝オッズを支持率に変換したものを載せておきます。

オークスのオッズを支持率に変換したもの

単勝1.9倍なのでほとんどの人がソダシを支持しているだろうと思っていましたが実際には60%近くの人がソダシは来ないと予想していたと考えられます。(1人が1頭につき100円だけ買うとは限らないため断言はできない)
素人の私からすると6~7割くらいは支持されてるのだろうという感覚でした。皆さんはどうだったでしょうか?

オッズから相対的な支持率を把握する

オッズでは相対的な馬の支持率を把握することができます。馬Aのオッズが1.5、馬Bのオッズが3.0の時、3.0÷1.5=2.0となり、馬Aは馬Bより2.0倍支持されていることがわかります。

オッズ単体では支持率に直すことで全体から見た支持率を把握することができ、オッズ同士では相対的な支持率を比較することができます。

競馬の予想や馬券の買い方に活用できる?

このように、支持率に変換することで感覚のズレを補正でき、もしかすると競馬の予想や馬券の買い方に役立つかもしれません。

また、この感覚のズレの補正はAI開発でも役に立つ可能性があります。支持率に直すことでそこから新たな特徴量を作成するのに役立つかもしれません。オッズ情報をそのまま特徴量として加えている方は支持率も考慮してみてはいかがでしょうか。


▼AIの開発記は随時こちらでまとめています


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