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【ChatGPT】生成AI以下の人間か、それ以上か、それ以外か

先ほど、3つの記事を連投した。

文字数にしておおよそ6,000字前後。私の企画構成力や執筆能力に基づけば、通常ならば1週間に1本しかあげられないような文字数だが、ChatGPTへのプロンプト入力からnote投稿までおそらくトータル5時間もかかっていない。厳密に言えば正確には計算していないので本当の所要時間はわからないが、それでも少なくとも24時間はかかっていない。

ChatGPTで色々遊んでいるうちに、ChatGPTに関して、いくつかの傾向が掴めてきた。

まず、具体性が求められる回答はできなさそうだ。

これは各所で言われているが、ChatGPT(というかLLMこと大規模言語モデル)は、質問に対して正しい答えを返してはくれない。基本的には、質問に対して、高い確率で生じそうな文章を返しているだけである。また、その確率は学習に用いたデータに依存している。

となると、具体性の高い回答を期待することはあまりできない。具体性の高い回答は、正誤判定が下しやすいからだ。「なんとなく合っている(なんとなく間違っている)」というような状態にはならない。

一例として、ChatGPTに対して書籍をお勧めするよう求めると、かなりの頻度で「架空の書籍」をお勧めしてくる。学習データに基づいた「確率的に存在しそうな」本である。もちろん、実在する書籍をお勧めしてくることもあり、いつも「架空の本」をお勧めしてくるわけではない。

また、「日本の歴代総理大臣」のリストを提示するよう求めると、大体3人くらいは架空の総理大臣が挿入されるし、たまに実在の総理大臣が消失することもある。ちなみに私が質問した時は、麻生政権時代が消失していた。やはり短命政権はLLMの記憶には残らないのだろうか。

また、「ネットに情報が少なさそうな」質問に関しても、かなり適当な回答が返ってくる。

私の地元は関西地方のとある田舎なのだが、この地元について説明を求めると、「毎年1/14に日本3大祭りのひとつが催されている」と回答された。もちろんそんな祭りはない。ただし、地元では毎年、一応そこそこ知名度のある祭りが開催されてはいるし、その情報も(たまにではあるが)地元紙の電子版経由でネットに流れることがある。

しかしその情報量は、例えば東京や大阪と比べるとかなり少ない。実際、「東京のお勧め観光スポットを教えて」と質問すると、かなり誤情報の少ない回答が返ってきた(誤情報ゼロではないが)。おそらくこの差は、ネットに流布している情報量の差と、個人的には推測している。

となると、2023年現在、ChatGPTでそれなりのクオリティのある回答を得るには、

  1. 具体性のある回答ではなく、一般性の高い(抽象度の高い)回答を求める

  2. ネットにおける情報量が多いと思われる領域に的を絞る

という2点に配慮する必要があると、個人的には考えている。
もちろんプロンプトを工夫することで無限の可能性があることは否めないが、私含め一般の人は、いわゆるプロンプトエンジニアがやるような長いプロンプトではなく、せいぜい1、2文の質問を投げるのが普通だと思う。

そうすると、我々一般人がChatGPTに期待できる文章は、「抽象度が高い反面、具体性がなく、ネットに情報が多く流布しているジャンル」になり、私の貧相な思考の範囲ではこれに当てはまるのは、

  • いかがでしたかクソブログ(いわゆる、まとめブログ)

  • ビジネス本

あたりになると思われる。試しにビジネス本っぽいことを聞いてみた結果が上記の3連投noteである。

ちなみに再度繰り返すが、これは「せいぜい1、2文の質問を投げる」結果として期待できるものであり、ネットでいろんな人がやっているようにプロンプトを工夫して目を見張るような成果を上げることは検討の埒外である。

ちなみに、ChatGPTを使ってまとめブログを大量生産することについては、企業個人問わず既に思いついている人がたくさんいるようで、早晩インターネットはゴミだらけになる(そしてGoogle検索は使い物にならなくなる)と思われる。

となると、中長期はともかくとして、短期的にChatGPTのネガティブな影響をもろに喰らうと予想されるのは、

  • まとめブログのライター

  • (具体性のない)ビジネス本の著者

  • 上記に関わる人々

あたりになると思われる。つまり「ChatGPTに同じような内容が書けるならわざわざ人を雇ったり仕事を発注したりしないよね」ということである。

ChatGPT以上の具体性ある文章を書ける人や、そもそも上記のような領域に関わらない(非常に多くの)人には、ChatGPTによる影響はしばらく無風であると思われる。

しかし、冒頭で述べたように、ChatGPT自体は、時間効率という観点からはかなり強力である。人手(というか私)では1週間に1記事しか生産できないところを、数時間で3本生産できた。そしてChatGPTひいてはLLM(大規模言語モデル)は日々進化している。

そうすると、「ChatGPT以下の仕事」のラインがどんどん引き上げられると予想される。この「ChatGPT以下の仕事」しかできない人間になった瞬間に、多くの人は路頭に迷うことになるだろう。

冒頭でも述べたように、ChatGPTは間違った回答をすることがある。これをもって、「労働者がChatGPTに置き換えられることはない」「Google検索が置き換えられることはない」と主張する向きがある。私個人としては、そうは思わない。大事なのは、労働者にしろGoogle検索にしろ、「ChatGPT以下か、以上か、以外か」という点である。

あるライターが、情報の正誤を気にしない(かつて某IT企業を炎上させたような)まとめブログしか書けないのであれば、ChatGPTの登場により失職間違いなし。

別のライターが、情報の裏取り能力も高く、非常に具体的かつクオリティの高い記事を生産できるとしたら、ChatGPTによる影響はないか、ともすればChatGPTの力を借りて生産効率を劇的に高めることができる。

自分の収入源がテキスト生成に一切関わりがないのであれば、ChatGPTによる影響はなし。

そしてChatGPT以下か以上か、ChatGPTの領域か領域外か、は日々変動している。

この点が、これからの人生をヒーコラ言いながら生きていく上で大事な点だと思う。

具体性のない結論で今日は終わり。この文章は人間が生成しました。

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