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つらつら(長年の友達と縁を切った件について)

1年以上前、10年近く交流があった友達と縁を切った。きっかけは些細だけど、積年の違和感が溜まって私から離れた。

彼女が悪いと思わないし、私も悪くないと思う。突き詰めれば自分の性格が原因だと思う…。

私は昔から自分のことを他人に共有することが苦手で、自分で消化して満足する性格だ。周りと比べてスマホデビューが高校3年生と遅かったのもあり、LINEで友達といつでも繋がれる環境ができたのは、自分の性格を"矯正する"大革命だった。

何を食べたとか、どこにいるとか、観てるテレビ番組とか…。学校だけでは話し切れなかったことや、くだらない事を仲のいい友達とLINEで話す日々。めちゃくちゃ楽しかった。私の性格は良くいえば寛容で、悪くいえば受動的で流されやすい。高校時代の私は、人との接し方ってこういうのもなのかな〜とテキトーに享受していた。

先の友達は才色兼備な魅力的な人で、なおかつ恋愛に強いパッションを持っているため彼氏が途切れた事がない女性だった。学校は違えど、高校時代から彼女の恋愛話をおとぎ話のように(私は女子校に通っていたので恋愛とは縁がない)よく聞かせてもらった。付き合う前の話から、惚気け話など、LINEのスクショやツーショット写真と共によく共有してくれた。微笑ましいなと思ったし、幸せそうなのは嬉しかった。

違和感を感じるようになったのは、大学生になって私にも彼氏ができた頃からだろうか。我が薄かった私も、無理せず自分のしたいように生きるべきだなと思うようになった。

ちょこちょこと私なりに彼氏について共有はしていたと思うのだけれど、前触れもなく彼氏のInstagramをフォローしたのにはびっくりした。一応、フォローしてもいいか訊ねる連絡がきたけれど、いや!するもなにも既にしてるやないかーい!と心の中で思わず突っ込んだ。彼氏は陰キャヲタク代表みたいな人だったので、怖いよ~と震えていた。

彼女と彼女の彼氏のカップル垢が誕生したこともあった。とはいってもフォロワーは片手程度、女友達3人に彼らのラブラブ写真を垂れ流してもらえるアカウントだ(言い方)。

月日が流れ、私は彼氏と別れ、勉強が忙しくなり恋愛とはとんと縁がなくなった。彼女もカップル垢の彼氏とは別れ、新しい人と付き合うようになった。

彼女がいつものように、付き合う前の話から惚気話まで、LINEのスクショや写真を送ってくる。初めての彼氏ならわかるけれど、この流れは今回含めて4回目。当時私は心に余裕がないのもあって、またかぁ…となった。

私は友達が失恋した時、その元彼が知り合いであろうがなかろうが友達を全肯定して味方してあげたくなる。でも彼女が元彼と別れ、新しい彼氏の惚気話を私にするかたわら、元彼の悪口はまだしも、元彼の新彼女をけなす発言をするのはいただけなかった。新しい彼氏できたからもうよくないか?

彼女はたまに黒い感情も私に共有してくれる。愚痴とは違った、少し怖いなと思う考えを。冗談なのかなと思ったこともあるけれど、サラッと冗談のようにいうから怖い。そんな彼女には、将来は同じマンションにでも住んで子供や家族の話を色々共有して助け合いたいねと、サラッと言われたことがある。

友達なら本来は自分がよくないと思ったり、不快だと思ったら伝えるべきだと思う。けれど振り返れば彼女の行動に対して、1度も諌めることは愚か、不快な気持ちを伝えたこともなかった。多分、どこか彼女のことが怖いと思っていたのかもしれない。自分が八方美人で流されやすい性格で、結局は自己保身のためだったのかも。親友には「彼女はあなたに甘えてるよ」と言われ、母親には「利用されてるよ」とストレートに刺された。ずっと否定してこなかった自分が悪いね。ちゃんと伝えてたらこんなことにならなかったのかも。でもそもそも価値観の違いでは?私と沢山共有したい彼女と共有したくない私。私は彼女から、『私のいい所も悪い所も全て受け入れて』みたいな気持ちを感じてなんだか…率直に重かった。これからもそうなのかなと思ったら怖くなったんだ。

些細なきっかけとは、ラブラブな掛け合いのスクショを見せられて「彼素敵でしょ?」と聞かれ「カッコイイね」と言ったのに「全然思ってなさそう」と言われた時。初めてはぁ??とキレてしまった。

それきりこちらから連絡をしないで、あちらから連絡があってもドライに接していた。1年以上会わなくなって、久しぶりに連絡が来たと思ったら4人目の彼氏と結婚することになったそうだ。結婚式に来てほしいと言われたけれど、行きたいと言えなかった。申し訳ないと思う。長い付き合いだったし、助けてもらったことも優しくしてくれたことも沢山あった。感謝している。

彼氏には依存しちゃいなよと言っていた彼女と誰にも依存したくないと思う私。どっちがいいとか正しいとか、決めたいわけじゃない。考えを改めて欲しいわけじゃない。お互い違うことをちゃんと理解しないで無理に距離を近づけすぎた結果、S極とN極みたいに勢いよく離れてしまったのだ。














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