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昨日の獺祭「84万円の獺祭」

「最高を超える山田錦プロジェクト2019」の優勝米はで造ったお酒はどうするんですか?
そんな質問を何度も受けました。
当時はプレミアムな山田錦をその後どうするか確定しておらず、「より良いお酒造りに使いたい」というようなあいまいなお答えしかできていませんでした。
この度、商品として完成した姿を披露することができうれしく思っています。

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「最高を超える山田錦プロジェクト2019」でグランプリを獲得された栃木県の坂内義信さんが栽培した素晴らしい山田錦。この山田錦を50俵2500万円で買い取りました。
このお米を原料に製造された23本の「獺祭 最高を超える山田錦2019 年優勝米」(日本語名)、もしくは「Dassai Beyond the Beyond」(英語名)にはラベルと専用の木箱に1~23のシリアルナンバーが入っています。
オークションに出品されたのは、縁起がいいとされる数字の7、8番を含めたものが出品されました。
販売されるのはこの6本のみとなります。

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オークションは10月30日 日本時間の12時に2万香港ドル(約27万円)からスタートしました。
サザビーズがつけた予想落札額は約40~70万円。

2日後には1本45,000香港ドル(日本円で約60万5千円)がつけられました。

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(↑オンラインオークションの画面。スマートフォンアプリから確認・参加することができる。)

11月10日日本時間14時。香港サザビーズの会場にてライブオークションが始まりました。
旭酒造本社にて、私たちも集まったメディアの方々とともにライブ配信の画面でオークションの様子を見守りました。
会場の参加者だけでなく、電話、オンラインでも入札が可能です。
参加者は公表されていませんが、香港・中国をはじめとしたアジア、ヨーロッパ、日本からも参加があったそうです。

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結果は6本のうち2本が62,500香港ドル、日本円で約845,750円で落札され、日本酒の販売、オークションを含む取引額として過去最高額であるといえそうです。(当社調べ)
6本の落札結果は下記の通りです。

最終落札額
No. HKD JPY
1 60,000 810,000
2 60,000 810,000
3 56,250 759,375
6 62,500 843,750
7 62,500 843,750
8 60,000 810,000   
1HKD=13.5JPY(11月10日)

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予想落札額を上回る価格をつけていただいたことは、つまりは出品された獺祭の価値をさらに高く認めていただいたということ。
単に高い値段で獺祭を売りたいだけ、というように誤解されることもありますが、日本を飛び出してsakeの評価を上げようというのが狙いです。
美味しいものが安く飲めるのが日本酒の一つの良さではありますが、高価格帯の需要があるということも証明できました。
世界へ日本酒を発信していく上で必要な高価格帯市場への挑戦、今回はオークションという形でその風穴を開けることはできたと思います。

オークション落札の後、香港サザビーズワインの責任者であり、獺祭のオークションの進行役も務めたアダム氏と電話会議の機会を設けることができました。

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まずは、最近の傾向からしても高めの落札額となり驚いている、とされた上で、「今後の日本酒のサザビーズでの扱いに変化はあるか」との桜井の問いには「現時点ではNO」とはっきりとしたお答え。
「獺祭の挑戦はうれしく、驚くべき結果であったが、これは獺祭あっての結果であり、獺祭の魅力がオークション参加者の心に響いたからだ」とされました。すぐには日本酒全体のオークション利用によるアプローチは難しいと冷静におっしゃりながらも「今回の挑戦と結果はさらなるグローバルの場での可能性を感じさせるもので、楽しみにしている」と笑顔でした。

私たち獺祭にとっては嬉しいコメントですが、日本酒というジャンルとしてはまだまだ世界の食卓は遠い、ということでしょうか。ますます挑戦を加速していかねばならないと強く感じました。
これからも、より美味しいお酒を、世界中どこでも美味しい状態で楽しんで頂くことができるよう、旭酒造は「その先へ」と努力をし続けていまいります。

最後になりましたが、新型コロナウイルス感染症による影響がまだまだ心配な状況です。一日も早く、世界中で楽しく乾杯できる日が来ることを願っています。

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