オーストラリアの職場が教えてくれた3つの「やさしさ」
新しい環境で働くと新しい発見があるものです。
「人にやさしくしなさい」とはよく言われるけど、オーストラリアで看護師をしていると日本ではなかなか出会わない学びがありました。
新しい環境が教えてくれた大切な教えとして胸に刻んでいることがあるのでどんな「やさしさ」が身についたのか紹介します。
ちなみにオーストラリアで働くなら基本の「キ」的なものなので、これからオーストラリアに行きたいという方に参考にしてもらえるでしょう。
ワークライフバランスをとって自分に「やさしく」
日本で働いていると身体も精神も追い込まれます。
周囲の環境的に避けることは難しいかもしれませんが、これって自分にめちゃくちゃツラい仕打ちです。例えば看護師なら、
サービス残業は当たり前
その上前残業をして
休日出勤を強制されて
休憩時間には会議の資料作る
ボクも当たり前のようにこれをこなしていましたが、ある日突然ある考えが頭によぎりました。
「これ、いったい誰のためにしてるん?」
上司、同僚そして病院には優しいけど、自分には?あなたの家族にはどうですか?優しいというか都合よく働かされています。
半分燃え尽き症候群のような状態になって心のエネルギーがなくなってしまいました。頑張ることは虚しいものだと考えるようになっていました。
もっとひどいのは「大切なものに時間を割きたいけど避けられない」ということ。
こんな状況がイヤになって日本を飛び出したわけですが、オーストラリアに来たのは正解でした。
定刻に仕事を終えて
家族と晩御飯を食べ
週末は遊びに行く
こういう当たり前のことができる喜びを見つけました。「自分にやさしく」することができるようになったんです。
自分にやさしくと言うと甘やかしたり、怠惰なイメージがあるかもしれませんが家族と時間を過ごすことって甘えではありません。
何が大切か、どこに重心を置くかを選べるようになったこと、自分に「やさしく」なれたのがオーストラリアで働いて見つけた1つ目の発見です。
厳しさを伴った「やさしさ」
オーストラリアで働くことは上のようなメリットもありますが、もちろんデメリットも。例えばこういう日本の基準では受け入れられないような働き方をするスタッフがいるのも事実です。
こういう場面にでくわすと怒りますよ。「コノヤロウ」と言ってやりたい気持ちになりますが、表には出さないように頑張っています。
「異文化なんだなぁ」と受け流して対処するアンガーマネジメントの大切さを学びました。
ここで大切なのは本人に直接言わないこと。特に他の人がいる前で怒ったりしたら、職場で声を荒げるのはダメです。
未熟な人だというレッテルを貼られて迷惑を受けてるのにダメな人扱いされてしまいます。
これと優しさがどう関係あるのか?
怒らないことが手を抜くスタッフに優しくする、という慣れ合いの関係ではありません。
キチンと対処することでチームにかかる負担を軽くするのが同僚たちへの「やさしさ」です。
ちなみに上で書いたような働きにくいスタッフは上司に報告して対応してもらいます。
ワークライフバランスがとれて働きやすい事実でも、怠けるのは別の問題なので最低ラインは守ってもらいます。
「できてないスタッフにはしっかりと対処して頑張ってる他のスタッフをしっかりと守る」というのがオーストラリアで学んだ2つ目の「やさしさ」です。
問題解決に取り組んで患者に優しく
最後の「やさしさ」は日本ではあまり考えていなかったのでビックリしました。
オーストラリアで働く上でどの仕事でも共通して求められるのが「問題解決能力」だと考えています。
オーストラリアでは経験をもとに考えて行動したことは支持されることが多いです。もちろん全てではありませんが。
例えば介護施設でよくあるのが転倒。抗凝固剤を飲んでいて頭を打った場合、脳内出血のリスクがあります。
医師は常駐してないけどCTを取るために家族に連絡して許可を取って、救急車を呼んで、頻回にバイタルとって…
大丈夫そうに見えても自分で行動するのがとても大切です。リスクを考えて起こりうる問題を解決しておくことがとても大切。不手際があれば責任問題になりかねません。それだけシビアな世界なんです。
もちろん看護師ができる仕事の範囲をしっかりわかった上で判断は必要だけど、日本にいたときよりも問題解決能力はついたと思います。
その結果、もちろん患者さんの安全が守られるというのが最大の利点ですね。
オーストラリアで学んだ3つの「やさしさ」
ボクがオーストラリアで看護師をしていて大切にしている3つのやさしさについてまとめてみました。
自分にやさしく
同僚にやさしく
患者にやさしく
この3つのどれもがオーストラリアに来てから強く意識しているものです。
日本とオーストラリアでは看護師に必要なスキルが少しずつ違ってきます。
オーストラリアで看護師をしてみたい人に実際に働いてみないとわからない感覚が伝わると嬉しいです。
こんな記事を書いています
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