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【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】Elevator pitchは、本当のことを具体的に簡潔に

Flip(旧Flipgrid)を使って行う大学の授業プランを紹介しています。

Elevator pitch(elevator talk, elevator speechなどの言い方も)は、宣伝のための短いスピーチ。発祥は諸説あるようですが、1980〜90年代ごろに米国で使われ始めた手法です。エレベーターに乗り合わせた相手に、商品やサービス、あるいは自分自身を、降りるまでの30秒程度で売り込むスピーチで、どれだけ簡潔に的確にセールスポイントを伝えられるかが重要です。

授業では、自分自身を誰かに売り込むことを想定してpitch(売り込み)を行います。例えば、バイトや就職先の人事担当者、入りたいゼミの担当教授、参加したい部活の先輩などに、自分を売り込んでもらいます。

まずpitchを作るにあたって、学生たちは、自分の売り込み先を決めて、
1) 自分がやりたいことは何か
2) 自分のセールスポイントは何か
3) 自分のセールスポイントとなる能力や性格はどこで身につけたか
について考えます。

1)のやりたいことは、もちろん最初に決めた売り込み先によって決まりますが、バイト先を選んだら、コンビニ、ファストフード店、塾で英語を教える、などできる限り具体的にやりたいことを言います。

2) は、なぜ自分が1)をやるのに向いているか、その仕事や勉強、部活などに生かせる自分の能力や性格などです。特殊な能力や際立った個性がなくても、friendly(気さく)だとか、patient(忍耐強い)とか、motivated(やる気がある)とか、本当に自分の資質だと思えることなら(もちろんネガティブなことでなければ)なんでもOKです。

ただし、3)で、その能力や性格を本当に持っていることを証明する必要があります。例えば高校までの部活や勉強、アルバイトの経験など、その力を身につけた経験を具体的に話すことが必要です。

大事なのはとにかく情報がspecific(具体的)であること。売り込みだからといって、自分を過大にPRするのではなく、事実を具体的に話すことによって、自分の意志や個性を明確に表現することができます。例えば、「将来簿記の先生になりたいので、〇〇先生のゼミに入りたい」という学生は、「高校で簿記を始めたが、最初は全然できなかった。それでも頑張って毎日勉強した。自分は粘り強く学ぶことができるし、将来簿記の先生になった時、できない生徒のことも理解できる。だからあなたのゼミでもっと簿記の力をつけて目標を達成したい」というスピーチになりました。

日本人の学生はこのspecificが苦手です。Elevator pitchでは、自分だけの経験や能力、自分の考えを言わないと全く相手の印象に残りません。「中学高校のサッカー部で忍耐力がついた。将来は公務員になりたい」という"売り"はいいけれど、そんな学生はたくさんいます。そこで自分だけの"色"を出すには何を言ったらいいのか、それを考えるのが大事です。

また、高校までの受験勉強の影響で、「正解」を出そうとして「当たり障りのない良さそうなこと」を言おうとする学生も多いので、原稿を作る過程では、徹底的に具体的な情報を求めることにしています。

Elevator pitchとしては、あとは最初の短い自己紹介と、最後のcloserを追加すると、全体が完成します。
英語の授業としてのポイントは、
1) では、want to ...や、be going to、2) は、性格や能力を表すadjectives(形容詞)など、3)では過去形の使い方を覚えられる、といったところです。

授業ではTeamsのクラスノートブックに原稿を書いているので、イマーシブリーダー(Teamsに埋め込まれている原稿読み上げツール)を使ってしっかり発音やリズムをチェックして練習した上で、カメラ目線でFlipgridで撮影します。

もちろん、カメラに向かって話すだけで十分ですが、本当にエレベーターに乗って撮影した学生がいたり、クリエーターになりたい学生は自分のスマホで作品を見せたり、いろんな演出もあって、いつもなかなか面白いビデオが出来上がります。学生たちの個々の才能や経験を短いスピーチで知ることができるのもとても楽しいです。

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Flipgridに動画を投稿すると全員のelevator pitchが画面にこのように並ぶので、みんなで売り込まれた側の立場になって評価して、採用!と思ったpitchにいいね!を押してもらいます。(誰が押したかはわかりません)