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タイトル独占は羽生が最初じゃない

初の永世七冠の資格取得で話題になった羽生さん。
約20年前は初の七冠全タイトル独占で一躍時の人となった羽生さん。

将棋界のレジェンドであることは間違いありません。

が、将棋界のタイトルが7個になったのは1983年です。
(2017年にタイトルが8個になりました)

七冠独占は羽生さんが最初だけど、それ以前、もっとタイトル数が少ない時にタイトルを独占した人がいるんです! っていうのが今回のお話です。


■タイトルのちょっとした歴史

タイトル戦が始まったのは1937年の名人戦です。
この当時のタイトルは名人の1つだけです。

この期間は独占期間から外します。

次に新しくタイトル戦ができたのが、1950年の九段戦。
そして1951年に王将戦(非タイトル戦として創設は1950年)がタイトル戦に昇格しました。

この時点で「名人」「九段」「王将」の3つです。

ポンポンいきます。

次にタイトル戦ができたのが、1960年の王位戦。
その次が1962年の棋聖戦。

なお、1962年に九段戦の名称が十段戦に変わります。

これで5つ。

1975年に棋王戦(非タイトル戦として創設は1974年)タイトル戦昇格して6つ目。

そして1983年に王座戦(非タイトル戦として創設は1953年)がタイトル戦に昇格して7つ目。

なお、1988年に十段戦の名称が竜王戦に変わります。

2017年に叡王戦(非タイトル戦として創設は2015年)がタイトルになって8つ目、で現在に至るというわけです。

その年表をまとめると下図のようになります。


■初のタイトル独占・升田幸三

さて、初のタイトル独占ですが、升田幸三実力制第四代名人です。
将棋界の歴史はこの人抜きに語ることはできない人です。

簡単に言うと、戦後GHQから将棋文化を守った人です。

1957年、3つあるタイトルを独占しました。
史上初のタイトル独占です。


■史上最強? 大山康晴

次にタイトルを独占したのが大山康晴十五世名人です。先の升田実力制第四代名人のライバルとされる人です。
ちなみに現在の歴代最多勝数はこの人の、1433勝です。
(羽生さんは2/11現在で1394勝の歴代2位)

この人、半端ないです。

三冠独占したのが1959年。
1960年にタイトルが増えたら真っ先に四冠独占。
そのままタイトルを失うことなく1962年に五冠独占。

この後何度かタイトルを失いましたが、五冠独占を4回達成しています。

これだけタイトルを独占したのは後にも先にもこの人だけです。


■あと一歩で独占だった中原誠

大山時代に終止符を打ち、あらたに時代を築いたのが中原誠十六世名人です。

まず1973年タイトルが5個の時代に四冠まで取ります。
独占まであと一歩!

そしてタイトルが6個になってから1977年五冠まで取ります。
独占まであと一歩!

が、惜しくもそこまで。


■ついに登場、羽生善治

そして次は羽生さんです。

タイトルが7個になって、まず1994年に史上初の六冠制覇。
勢いそのままその翌年1995年に七冠独占。

タイトル独占は1970年の大山十五世名人以来となります。


■次の独占は誰だ!?

参考までに。

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升田幸三
・プロ入り:1936年1月1日
・初タイトル:1951年<王将>
・タイトル独占:1957年(三冠)

大山康晴
・プロ入り:1940年1月1日
・初タイトル:1950年<九段>
・タイトル独占①:1959年~1962年(三冠~五冠)
・タイトル独占②:1963年~1966年(五冠)
・タイトル独占③:1966年~1967年(五冠)
・タイトル独占④:1970年(五冠)

中原誠
・プロ入り:1965年10月1日
・初タイトル:1968年<棋聖>
・タイトル独占一歩手前①:1973年(四冠)
・タイトル独占一歩手前②:1974年~1978年(四冠~五冠)

羽生善治
・プロ入り:1985年12月18日
・初タイトル:1989年<竜王>
・タイトル独占:1995年(七冠)

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一応囲碁界で井山さんが七冠独占していますが、ここは将棋に絞って考えます。

最大の候補はやはり藤井聡太でしょう。

藤井聡太
・プロ入り:2016年10月1日

升田大山時代はまだタイトル戦が整備される前でした。
中原羽生は、デビュー後約10年でほぼタイトル独占しています。

ということは、藤井八冠の誕生は2025~2030年当たりがもっとも可能性があるのではないでしょうか。

未来の予想は自分の好き勝手にできるから楽しいですね。


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