ケルト的? 〜スコットランド、アイルランド
ケルト音楽っていう呼び名で想起するのはエンヤですとかリヴァーダンス、バグパイプなど様々でしょう。検索してみると音楽産業やジャーナリズムが作り出した商標であるとの手厳しい記載も見受けました。確かに謎に満ちた先住民族で一括りにするのには無理がありますけれど、固いことは抜きにして。
そのものズバリ“A Celtic Symphony”てのがあります。バントック作曲で七部の弦楽合奏とハープ六台で演奏される耳あたりの良い音楽でハンドレーの指揮で聴く事が出来ます。“A Hebridean Symphony”なんてのもあります。ウヰスキーお好きな方はきっとご存知のヘブリディーズ諸島です。メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」の原題はDie Hebridenでした。
メンデルスゾーンは彼一流の流麗なメロディですが、バントックは明らかにスコットランド民謡風です。「蛍の光」「故郷の空(ドリフの麦畑っす)」等、所謂ヨナ抜き音階のメロディなので日本人にも親しみやすい。これが一点目、「ケルト音楽」的な要素と思われます。
さて、我らがジョルディ・サヴァールさんにも“The Celtic Viol”と題されたアルバムがニ枚あります。あら、サヴァールさんも時流に乗るのねってちょっとだけ思いましたが、内容としてはいつもながらの彼の入念な仕事です。スコットランドとアイルランドのヴィオール用出版譜を研究して、それに基づきつつも囚われすぎずに演奏に臨む。アイリッシュ・ハープとバウロンが色を添えます。「ケルト音楽」お好きな方にお勧めです。