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【20200724】「GoToトラベル」より「休業補償」を!

1 観光業界の真のニーズは

ヘンリー・フォードは
もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。
と言ったという。

「早く移動できるモビリティが欲しい」という真のニーズに気づけていない顧客層を対象に市場調査をしても
「速い馬が欲しい」という回答しか返ってこないだろうが、
本質的ニーズを先取りしたフォードは、
自動車を作ったったというマーケティング業界で有名なエピソード。

観光産業の方々は、全国旅行業協会の会長でもある二階さんに、Gotoトラベルというキャンペーン施策を求めたのかも知れないが、
政治権力を行使させるのであれば、今からでも遅くない、
「休業補償してくれ」と声を上げて、国民の代表者たちを動かすべき。

フォードの話になぞられるならば、政治家のほうが、GoToではなく「休業補償」という施策を選択すべきだったということか。


2 「GoToトラベル」の問題点

https://note.com/daru_tan123/n/n51b80cc24ecf
効用の低い施策での無駄遣いはやめて欲しい。


3 休業補償の実現可能性

観光産業の年間規模は22兆円。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001342441.pdf

休業補償をした場合
7月8月9月の夏場は多く見積もって6兆円の予算が必要になる。
GoToに使う1.3兆円にプラスして予備費から5兆円弱回せば、十分実現可能な額だ。
消費者に萎縮心理が蔓延するなか、ずるずると開店休業させるよりも
休業補償して倒産させないことが、長期的にみたとき最善手になる。

他の業界への休業補償が必要となって予備費で間に合わなければ、国会を開いてさっさと第3次補正予算を組めばいい。


4 財源

財源は財務省による国債発行と日銀引受。
80兆の枠を超えて無制限に引き受けると言っている日銀が財務省と連携すれば、財務省が国債を第1次(https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/sy020407/hosei020420.pdf)第2次(https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/sy020407/hosei020527.pdf)補正予算で合わせてGDPの1割ほど発行しているが、財政規律は実質問題にならない。

ならば、市場経済が平時のように回っていない当面の間はこれで急場を凌ぐべき。
というか、100年に1度の世界恐慌レベルの事態に方法はこれしかない。

そして、日本は、これができる。
この手が使えない国もある中で、
日本は、脱出できていないデフレ下にあること、
自国通貨を発行しており、EUと異なり中央銀行があること、
内需で回せる経済規模があること
等から、この手が使える幸せな国。


5 コロナ対策と経済対策を両立させるただ一つの方法

「金を出したくない」から「休業補償はしない」。
だから「休業要請もできない」という発想はもうやめよう。

苦し紛れにGoToキャンペーンという悪手を繰り出すよりも、
肝を据えて、国による財政支出。
大打撃を受けている業界に対して粗利補償をしていく。
これが唯一、現実的かつ有効な、
コロナ対策と経済対策を両立させる方法なのだから。

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