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【20210912】 NHKスペシャル MEGAQUAKE 巨大地震 2021

1 予告動画(https://www.youtube.com/watch?v=qc35yer2GqM)を見て注目していた点


(1)予告動画「NHKスペシャル MEGAQUAKE 2021

【予告内容】
巨大地震のトリガーとなるスロースリップが起きるパターンと起きないパターンがあるとしたら(起きないパターンは一先ず置いておいて)、スロースリップが起きるケースについて巨大地震を予測できるのではないかという話。

a そもそも破壊現象である地震を予測できるのか。←本番組の焦点
b 予測できたとして告知できるのか。 
c 告知できたとして対応できるのか

【注目点、知りたいこと】
①本当にパターンと呼べるほど再現性があるのか。
②スロースリップをどのくらいのタイムラグで観測できるのか。
③実際測定できたスロースリップとシミュレーションパターンが「近い」かどうかを誰がどのように判定するのか。

2 実際の放送を見てのメモ

最新の科学者達の試みを紹介する程度の番組だった。
紹介されていた地震予測に対する4つのチャレンジ。

(1)①スロースリップを伴うパターンによる東南海・南海地震の予測
(2021年3月9日地震→スロースリップ→東北地方太平洋沖地震を参考事象に)

パターン1
日向灘M7.5(深さは??)
→周辺でスロースリップ
→4年後、四国沖南海地震震源域でM8.3
→翌年、東南海地震震源域でM8.1と連鎖
パターン2
紀伊半島沖M6.1(深さは??)
→周辺でスロースリップ
→4年後東南海地震震源域でM8.0

★注目していた点については、

・上記2パターンをスパコンのシミュレーションから見つけたということだが、数量的な報告でないためシミュレーションの正確さやパターンの確度がどの程度か不明。

・見つけたというパターンによれば、「前震→スロースリップ→本震」という3ステップを辿るようだが、前震はともかく、スロースリップをどのくらいの期間で認識するつもりなのか。説明がなかった。

・また、これが、本震にいたる「前震→スロースリップ」であると、本震までの→の期間中に、どのように認定するつもりなのか。肝心なところが述べられていなかったのが残念。

・スロースリップから4年後に本震というパターンがあるとのことだったが、本当に4年か。「4年後」は、残念ながら今の科学力では誤差1年どころではないはずである。
東北地方太平洋沖地震(2021年東日本大震災の本震)の場合、3月9日11:45M7.3の地震直後のスロースリップから2日後に本震が起きており、
仮にスロースリップをほぼリアルタイムに観測できるとしても、一般市民の被害軽減に役立つ情報を実質1日で出せるかと言えば、かなり難しいだろう…。[1(1)bの問題)]

・もっとも1日くらいであれば、受け手は対応できる可能性が高い(サラリーマンも1日くらいなら有給休暇を取れるだろう)。
ただし、これが1ヶ月というスパンになったらもうお手上げである。[1(1)cの問題]
コロナ禍を経験して、仮に地震予測(いつ、どこで、どのくらいの地震かいわゆる3要素予測)ができるようになったとしても、非常事態条項を装備していない憲法下にあって、政府は、交通機関などのインフラ企業に許認可官庁を通じて命令を出せるかもしれないが、減災のために直接国民の行動を制限できないことが明らかとなった。
緊急事態宣言下の自粛のお願い同様、いや、当たっても減災を徹底できない状況で、外した場合には非難しかされないなか、果たして政府はお願いできるのか。
減災対策を本気で進めるならば、平時に法治国家のあり方まで考えておく必要がある。

(2)②西日本について地殻変動値を元にユーラシアプレートを小ブロックに分けたうえで、地震調査研究推進本部とは違う独自の発生確率を算定

★NHK側が端折っているのか、発生確率のスパンが発表されていなかったりいかんせん定量的情報が少なく分かりづらかった。文系の人が制作してる?

(3)③軋轢に伴うノイズパターンをAIに認識させて地震予測に応用する試み@カナダ

★パターン認識はAIの得意なところ。期待できるのでは?

(4)④電離層の帯電異常を衛星観測で地震の前ぶれか判断する試み@中国

★④については、
日本でも、兵庫県南部地震(1995年阪神大震災の本震)の観測例から、八ヶ岳南麓天文台の串田氏によって指摘された【FM電波が異常伝播すること(スポラディックE層の帯電状況の変化により本来宇宙に抜けていくFM電波が反射され聞こえないはずの放送を受信できる)を地震予知に利用するアイデア】があったが、国策で衛星を打ち上げるという大規模な取り扱いはされなかった。
中国が成果を出すかもしれない。

3 最後に

「想像力が命を守る」
「行動するのは私たち一人ひとり」
というのは、間違いない。

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