朗読脚本「嫌気」
仕事が終わり、家に着く。
誰もいない部屋は寂しいので
くらだないテレビをつける。
流れてくる番組に目もくれず
パソコンに向かった。
ふと思う。
生きることってこんなに大変だったっけ・・・。
お金もないし、物欲もない。
同じことを繰り返していることに嫌気がさす。
我に返り、テレビから流れてくる声にも嫌気がさし、
俺はテレビを消し、臭いものに蓋するように寝た。
いつも締め切りとノルマに追われている。
人間関係もめんどくさくて
スマホが鳴ると嫌気がさす。
生きるってめんどくさすぎる。
家でずっと横になって寝ていたい。
空想、妄想が俺を癒していく。
自分の感情に嘘つくのがだんだん上手くなっていく。
愛想笑いがうまい自分がそこにはいる。
あれ?俺っていつ笑ったっけ?
あれ?俺っていつ泣いたっけ?
感情が失われていくような感覚に襲われる。
鏡で自分の顔を見ながら問う。
「お前はいったい誰だ。」
自問自答しながら今日も生きている。
今でも自分の探しをしているのかな・・・。
こんな俺でもなにかできるのかな・・・・。
そんな毎日を過ごしている。
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