朗読脚本「幻聴」

もう一人の自分が
「ここで終わりにしよう」
と言ってきた。
僕はそれに応じてしまった。

自分には弱いままで勝てていない。
こんな自分が嫌いで仕方がなかった。

もう一人の自分が
「どうせお前には無理だよ」
と言ってきた。
僕はそれに抗わなかった。

いつからだろう。
諦め癖がついたのは・・・。
学生時代?社会人?
もっと昔のような気がするけど・・・。
人にも
「無理だよ、諦めろ、お前には向いていない」
と言われ続けてきた。
その影響で自信がもてなくなった。
自分が嫌いになった。

もう一人の自分が
「もうここまでだ!諦めろ!」
と言ってきた。
僕は初めて抵抗した。

僕たちは何度でも生まれ変わることができる。
環境、人間関係、居場所、性格
そんなの全部変えてしまえばいい。
そう思っているんだ。
きっとできる!!

もう一人の自分が
「負けたよ」
と言ってきた。
僕は初めて勝利した。

自分にしかできないことを探しに行こう。
自分にできることが必ずあるはず。
ここまでだと思っても抗っていこう。
まだ歩き続けていこう。
自分という幻聴を無視しながら。

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