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#ダースレイダーの音楽話 #34 何もないことが多すぎてディランの地下室に降りていく

Bob Dylan and The Band 『The Basement Tapes』(1975)


二枚組で曲がたくさん入ってるからお得なんじゃないか?と浅はかな中学生は思ったのだろう。
だがやはり中学生にはロックとして聴くのにはどうもハードルが高かったのだ。
バイク事故の後、ウッドストックに籠って曲作りをしていたディランとザ・バンドのバイブレーションが僕と一致したのは入院中、つまりなにもないことが多すぎる時期だった。
僕は病室で暇過ぎてディラン達が籠る地下室に降りて行ったのだ。
そこではなにも話さなかったし、どこにも行けなかったのだが、そんな時こそ犬が寝転がってるような地下室で脚を思いっきり伸ばす。
誰からも便りもなく、長距離電話をかけても誰とも繋がらない。
外の通りでは燃え盛る車輪が転がっていく。
そういう事もあるさ、と思えるし、こういう事もあるさ、と腑に落ちる。
お、車輪が角を曲がったぞ。
明日は少し数値が良くなるかな?


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