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虫酸話【追加】


1 「こっち側へようこそ」

ブラックペアン2で、天城が猫ちゃんに「君もこれで悪魔の仲間入りだ」という台詞

もう、ゾクゾクしてしまいました

その余韻に浸りながら、思い出す
臨採2年目で学年主任になった時のこと
何クラスかある中で学年主任になった時のこと

吉谷光平さんの「今どきの若いモンは」で久坊の逆襲劇が始まるのを見ながら、やっぱり自分も「生き抜いてしまった」んだなと思った

「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
私も新卒時代まったく同じことを思いました
「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
『修羅の道』と自分で腹を括った臨採1年目

『修羅の道』
臨採だから初任者研修もない。
臨採だから指導教官もいない。

「自分でどうにかしなさい」とまで言われた。

だから、必死で聞き回ったり、足を運んだり、自分から行動したり、細かいことも見落とさないようにしたり、ありとあらゆることを自分から率先的にアクションを起こしたりして、『仕事人としての信用』を得ることを目指した。

職員室から、保護者から、地域から
『仕事人としての信用』をされたら、職場で仕事を任せてもらえたり、保護者や地域の方々から声をかけられたりしてもらえる。

本当に久坊と被ってしまう…。

そんな修羅の1年を過ごした結果。
臨採2年目で学年主任になりました。

初めての学年主任会
場所は校長室
管理職、教務主任、ベテラン学年主任の先輩方
そこで言われたこの言葉

「こっち側へようこそ」

この経験はすごく自分のためになった。
「仕事人としての信用」を得ることの難しさと大切さを感じたから
早い段階で、学年主任として学校組織や学校運営の視点を持つことができたから

「今どきの若いモンは」を読みながら、広く大きい視座で仕事観を見ると、さらに痛感してしまう。

ただし
今は時代錯誤だと思い、心に留めている。

2 「天竜人」

今の職場に異動する前のこと。
同業者としてこれまでで唯一許せない人がいた。
当時の校長、教頭も相当頭を悩ませた人だった。何回3人で話し合いをしたことか。

同学年部として、どれだけ保護者に謝罪したことか。立場を弁えず何度も学級に乗り込んで来たり、他の子どもたちがわかるほどの表面に出す悪態ぶり。それを聞いた保護者になぜか私が1人で家まで行き、庇わないといけない。

その人は若く、この時も私が学年主任だったので、いろいろ言わないといけなかったが、あからさまな態度を見てもう何も言いたくなくなる。会話も減る。そして学年で関わった若手で唯一、異動の時に無言で去った人。お礼のつもりかインスタントコーヒーを1つ置いて。もう当時の管理職たちとは伝説になっている話。

正直、顔を見たくなかったのに。
同じ職場に来てしまいました…。

問題はここから。
その人が職員室で若手の集まりを形成し始めている。そうなると、どうなるか。

私が目の敵になるんだろうな、と思います。
「昔、アイツ嫌だったんだよね〜」

私だけが歴史を知っているが、数的有利や男女の差もあり、もはや向こうが天竜人。取り巻きたちの本音はわからないけど、集まっているのを見ると、もはや「天竜人グループ」の向こうと、「愚民」のわたし。

「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
意味あいは少し違うが、境界線はできてしまった。

3 「それは義務ですか?」

「何かすることがあったら言って下さい。」

同学年の、向こう側の若手がよく言う。

向こう側にいる以上
もう何を考えているのかわからない。
本当にわからない。

本当に私の力になりたいのか。
立場上とりあえず言っているのか。
本当にわからない。

でも
自分の流儀として
何かあっても言わない。
明確な理由はある。
その理由を言ってはいけない理由も
明確にある。

それは、恵比寿課長と同じ。

「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
私も言わない理由には容易に回答できるが…
「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
言わない理由と、この質問の答えが結びつく
「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
信用の花の根を教えてはいけない理由も私と同じ
「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
久坊はこの話で自力で気付いた。
臨採1年目の私もきっと気付いていたと信じたい。


ベテラン先輩達から8月上旬に聞いた話

「来年を考えて、いろんな方の授業を見せてもらったり、時間がある時にいろんな教科の指導案を書いて、見てもらうとためになるかもよ。」
と同学年の若手に言うと

「それは義務ですか?」

と言う返しがあったとのこと。
近くにいた人たちも
一瞬固まったのがわかった。

若手にそんなことを言われたら
もう何も言えない。
なおさら天竜人グループなら。

「何かあったら言ってください」
「じゃあ〜をして」と返したとする。

「それは義務ですか?」

周りの仲間が集まり始め…
「〜さん、それ義務じゃないよ」
「あの人の言うことはしなくていいよ」

この流れが見える。
どうして
こちらの心が折れないといけないのか。

職員トイレを持ち回りで掃除するのも
業者が来るから教室の片付けをするのも
コーヒーをつくるのもゴミ出しするのも
児童の傘立ての傘を片付けるのも
「意味ないからしなくていい」
確かに義務ではない
しなくてよいのかもしれない

非効率に見えるであろうことも
無意味に見えるであろうことも
無駄な労力を使うであろうことも
「意味ないからしなくていい」
賢い判断なのだと思う
しなくてよいのかもしれない

「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」から転載
私が無意味なことをやる理由もこれ。

ちなみに、天竜人は管理職に「その研修を、どうして私も受けないといけないのですか?」と反論しており、管理職はブチ切れている。
そんな天竜人と同調する若手グループなので、きっと同じ感覚なのだろう。同学年の若手も。みんな。

一部の先輩たちだけ
私は心を許すことができている。

「吉谷光平さん 今どきの若いモンは」より転載 
これが私の『仕事人』として持ち合わせている答え

「こっち側へようこそ」
と言われた臨採2年目が
今では…とても誇らしく思える。


今では…醜い悪魔のように
天竜人たち若手には見えるんだろうな
とも思える。

ああ、虫酸が走る。


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