入院と不安

入院することが決まった



3ヶ月ほど検査をやってきて、前回病院に行った時、手術するか、服薬をずっと続けることになるかどちらかになると言われていたから




入院して手術しようと言われたとき



あぁ、そうか


と思うだけだった




その後すぐに入院の説明を受けることになった





同意書やらなんやらを色々書いた



動揺はなかったものの、決まったばかりで、分からないことも多くて僕はふわふわした気持ちだった



そして記入を間違えてしまった




その時の僕の気持ちを知って誰がこの間違いを責められるだろうか





幸い記入していたのは鉛筆で、訂正するのは簡単だった





説明してくれている方から消しゴムが手渡された











消しにくい








すごい消しにくい




大体消しにくい消しゴムは見た目から固そうな感じがあるから分かる


でもこの消しゴムは見た目も、触った感触も、消している時の感じも柔らかかった

だから消しにくい消しゴムじゃないと思った

だけど結果消しにくい消しゴムだった





頑張って強く消してもギリ残っちゃうやつ






その上から書くことになって見づらくなっちゃうやつ






だけど僕も




「見えにくくなっちゃってますけど、これで大丈夫ですか?笑」






とも





説明してくれている人も






「見えにくくなっちゃってますね笑」





とも





言わない





誰も何も言わない





見えていないようなフリをする



張りつめたあの時間を





耐えねばならぬ




入院することが決まった人は不安でいっぱいの人が多いと思う



どうなるんだろう、、、




ちゃんと説明聞いて分からないところがないようにしないと、、、




お金は大丈夫かな、、、




色んな不安を持っている




そんなときに手渡される消しゴムが



すごい消しにくい







不安を募らせる






不安と文字を消したいのに




消しにくい消しゴムが




不安を募らせる




病院は患者のメンタル面にも気を使わなくちゃならない





そんな中、不安の患者に手渡される





消しにくい消しゴム








病院失格





流石にこれは多分言い過ぎてる





でも消しにくい消しゴムを手渡す病院に患者は行きたいと思うだろうか




「人の治療をする場所、そして患者を甘く見ないでもらいたい」と言ってやりたい








そんなことを思った僕の表情は消しにくい消しゴムのように固く強ばっていた