ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 感想

 右も左もわからない少年が突然の襲撃に振り回される。

 戦場に少女を送り出すまいとちっぽけなプライドと正義感を振りかざして戦いに赴いた少年の初めの1歩。

 痛い思いをして、傷を増やしてもエヴァに乗るのは父に必要とされたから。

 無愛想な父を持った14歳の少年にとってはそれが何にも変え難い“居場所”だった。

 悩み、苦しみ、もがいて彼が──シンジが出した答えは………

 全体的にメカニカルなデザイン、ちょっと分からないくらい、けれど細かい1画面に情報量、戦闘前の飛び交う報告の嵐、主人公たちの年齢

 どれを取っても厨二病心をくすぐる作品でした。

  劇中のサウンドもそうですが、思春期の男の子心情を絵や声のトーンがこれでもかと言うぐらい体の根幹に殴りかかってきました。それだけ総合的な表現力に富んだところが無意識下に作品に吸い込まれる魅力だと思います。

 息を飲むような展開の連続に思わず固唾を呑んで拳を固く握り、心拍数と鼓動の音がやけにうるさく感じる、それぐらい高密度かつ先の読めない展開でした。

 苦悩の多い、悩める年代だからこそ、彼らはエヴァンゲリオンに乗るのではないかと思います。その不安定さ故に汎用人型決戦兵器としてのロマンを根底から底上げし、ひいてはその頂きまでもを描ききってるのではないかと。


ここから下はあまり関係ないです。

実は初見ではなく数回見ていて、シンエヴァンゲリオンに向けてもう一度見ようということで見始めました(5月27日金曜日)。

この感想を綴ってる現在は既にQまで見返して、今度見にいく映画も3回目になりますが、どの作品も見る度に新しい発見や作りの細さに驚かされるばかりです。

4部作に別れている第1作目ですが、やはり各キャラのセリフには考えさせられる部分が多かったです。シンジが電車の中で考え込むシーンが毎作挿入されますが映画を見終わったあと影響の受けやすい自分は思わず、「家族」のことや「人間関係」や「自分のしてきたこと」などを考え込んでしまいます。

それだけ影響力があり、印象的かつ考察のしがいがある素敵な作品に出会えたことに感謝を、制作をして提供して下さった全ての方々に感謝を忘れずこれからも「エヴァンゲリオン」を楽しみたいと思います。

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