シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

僕らの中ではもう何年もの月日が流れたのに劇場の彼女たちは何食わぬ顔でQから続いている世界を紡ぎ始めた

幼なかった僕らはとうに14を過ぎ、まるで劇場のみんながすでにエヴァの呪縛にあっているようなそんな錯覚を覚える

僕らの長い長いエヴァの呪縛はこの回をもってやっと紐が解けるのだ

そんな希望を胸に目を耳を脳を、研ぎ澄ますように、見逃さないように漏らさないように忘れないように鑑賞の船を漕ぎだすのだ。


何がなくともそこには一面が赤い世界。

いつものように赤い縁の眼鏡をかけたマリさんの鼻歌から始まった。これがなくて何が新劇場版だろうか。再会とも言い難い、でも初めましてと表現するにはあまりにも身に親しんだ音を僕らの耳に届けてくれた。

「これだから若い男は…」聞き覚えのあるセリフ

これから終わるってのに今更過去の思い出を掘り起こされる。

チルドレンになれると信じて疑わなかった僕らの気持ちと彼女たちが発するセリフが共鳴を起こす。

エヴァという作品だけでなくエヴァと共に感じて、動いた当時の記憶がこれでもかと言わんばかりに掘り起こされる

公開された感動と思い出に泣かされそうになっていた。

この作品は多くの答えを提示してくれたのと同時に多くの人を救ったともいえる。

様々な疑問の答え。もちろん受け取り方は人それぞれで十人十色様々なことに気付くのだ。

だがしかし、いままでのエヴァに比べたら内容も結末も親切過ぎではなかろうか。

それぞれの思いを口に出して答えを合わせ、苦しかった思いは払拭された。現代に合わせた演出ともとれるけれども僕らが頭を悩ませる余地があまりにも少なった。今回で終わりなのだから仕方ないとはいえるけれど、少し寂しい気もした。

そう、普段考察とかも特に考えずに作品を見る僕でも内容が何を意味しているかが分かりやすいのだ。

泣きもした、感謝もしている。何度も劇場に足を運んだ。見るたびに作品の細かさが目に付く。なんど見ても新しい感動、新しい思いが出てくる。僕らの愛したエヴァンゲリオンは確かにここにあった。

終幕を体現した有終の美がここにあったと、思います。

すべてのエヴァがない世界になり14の容姿に縛られず。彼らの成長した世界線

今日もどこかでその世界が続いていることが本当の終幕であると、そう提示したい。数多くのファンを魅了したエヴァという作品はこれからも影響を与えてくれることを信じています。

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