【検証】NHK職員のタクシー利用実態は20年でどう変わった?
NHKの無駄遣いでよく他メディアや一般の方から指摘されるのがタクシー代です。確かに、私が新人だった頃のタクシー利用は滅茶苦茶でした。相次ぐ不正の発覚や外部からの指摘を受けて、次第にルールが厳格化していき、最近ではタクシーアプリなるもので管理されるようになったと聞きます。
ここで改めて、限定的ではありますが、タクシー利用について振り返ってみましょう。
タクシー利用は「特権」か?
最近、既にNHKを退職したと自称する方から、1枚のスライド画像が送られてきました。
真贋のほどは私にははかりかねるのですが、今なお特権的にタクシーを利用する記者への警告とも受け取れる内容です。
どうもこの国際局の不正後の研修資料のようです。
制作系ではタクシー利用自体が激減しているので、対象は記者でしょう。不適正に理由無くタクシーを使いまくっている層がいかに多いかを表しています。
年間12.2億は多いのか?
普通の人の感覚なら多いと感じるでしょうけど、実は私はかなり少額だと思いました。
タクシー利用の頻度が高い職員(記者・制作)が1000人と仮定すると、1人あたり年間122万円です。月間12万になります。
果たしてこれが多いのか?というと、個人的には微妙なラインだとは思います。
例えば私の場合は、年間で5〜6万しか使っていませんでしたが、ロケで専用のロケバスではなくタクシーを利用したら、多分50万くらいにはなるでしょう。日々のニュースでも使ったなら、感覚的には「月10万以上は行くんじゃない?」が正直な感想です。
タクシー利用の方便
なぜ私がタクシー利用に少し甘い見方をするかというと、その時間に業務も行えるからです。電話・メール・原稿執筆など、公共交通機関やマイカーでは出来ないタスクを片付けられます。
もちろん、内規で移動中の仕事目的や安全確保等の曖昧な理由でのタクシー利用は禁じられているのですが、実際は業務効率化に繋がっている部分もあります。一刻を争う取材の際などは有用です。
そうした効率化とは反対の浪費が多過ぎることに問題があるのです。
20年前のタクシー利用実態
今の若い方には想像もつかないと思いますが、タク券を束で持ち歩いていた最後の世代である私は、かつてのルーズな利用実態をこの目で見て覚えています。
このニュースが7年前ですから、それよりも遥かに酷い時代でした。
例えば、私の最初の上司は協会内接待のためにタク券を普通に私に切らせていました。彼は本当にキチガイだったので、タク券の束に「あ」とか「ほ」とか奇妙な識別子を振っていまして、続けて読むと「あほまぬけばかたこ」となっていたのを今も覚えています。アイツ、もう糖尿病でくたばったかな?
話が逸れました。
自宅からタク券使ってソープランド経由で出局を繰り返して騒動になった職員もいました。
更に、一見普通の先輩(記者)も、月間80万円分もタク券を切って問題になったりしていました。仮眠室代わりに使うばかりか、貸切の方が安いのにメーターを回し続けていたんですよね。
他にも、個人タクシーを手懐けて、タク券に機械的に¥10,000と書いて渡し、8割くらいバックして現金化している人もいました。委嘱を通さずにCG制作費の足しにしていたらしいけど…
ある意味、当時はまだ過酷な労働環境もあったので、タクシーは特権的福利厚生のひとつだったのかもしれません。
タクシーという密室が不正の舞台に
特権的密室であるタクシーは、不正な人事情報の交換や、様々なハラスメント、不倫等の舞台にもなってきました。
生憎私は当事者ではないのですが、タクシーで上司に襲われた女性のスタッフ・職員は数えきれないほどです。そういや、NW9問題の当事者であるIについてもたくさん情報が寄せられてましたんで、タクシーの不正が放送の不正に繋がっていくんだなって改めて思います。
昔のNHKでのタクシー総経費は?
こんな有様ですから、タクシー代は、かつては12億どころではありませんでした。
私の記憶が確かなら、10年以上前に30億か40億って数字を見たような気がします。これは本当に記憶が曖昧なんで自信が無いんですけど、12億って見た瞬間に「思ったより少な!」と驚いたんですよね。
かつて不正の限りを尽くした連中が上層部になって、今度は不正の取り締まりに躍起になっているのが本当に腹立ちますね。
タクシーアプリはNHK唯一のDX成功例か?
とはいえ、タクシー代の削減は、NHK的にはやってる感の演出が出来るとあって急務です。とりあえずコストが高過ぎるって思われてますしね。
実際には総務・事務部門の方が莫大な無駄を垂れ流しています。フリーアドレス・カオナビ・ジョブカン、全部何の改善にもなってないどころか損失を産んだだけでしょ?12億どころじゃ済みませんよ。
ただ、新たに導入されたタクシーアプリだけは成功という声も大きいです。私は使った事ないけど。
確かに思い返せばチケットのB券がどこ行ったって騒ぐのとか本当に無駄でしたよね。
何なら、タク券の記述内容をあそこまで複雑にしたのは、ミスを誘発させて、ミスを発見した経理が手柄になるようにとか、懲罰的人事異動の口実にする為とか言われてますよね。まるでスピード違反の嫌がらせ的な取り締まりのようです(私はスピード違反で取締られた経験も無いですよ)。
タクシーアプリは諸々考慮すると、唯一のDX成功例と言えるかもしれません。
タクシーアプリのエラーも多発
ですが、それでもなおタクシーアプリのエラーが大量にあるそうです。いわく、勤務時間外の利用が特に多いとか。私的利用か、サービス残業か、昔は認められていた業務関連使用なのか?
ちなみに業務関連使用とは、休みの日だけど取材先に短時間(30分以内)面会して資料返却をするような使い方です。これなら休日にタク券を利用しても認められる時代がありました。
何にせよ、タクシーくらい適正に使わないと自分達の首を絞める事になるんで、NHKの皆さんにはルールを守った上で堂々と使って欲しいですね。
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