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【唖然】魂を棄てたフェイク・バスターズ 〜NHKからの返答と、改善への提言〜

※ナレッジベース共有どころか、JFC(日本ファクトチェックセンター)とフェイク藤松が徒党を組んで妙な勉強会を計画しています。

11/8に予定されている誰でも勉強会案内

こんな無駄な事に受信料使うのは絶対に許されません。現役のNHK職員も厳しく批判しなきゃダメですよ?なんでマトモに裏付け取材も出来ない連中に教えを乞うのか私には理解出来ませんよ。

今回は、先日放送されたフェイク・バスターズについてです。過去3つのエントリーで、私はその問題点を指摘してきましたが、きょう8/10午後、ようやく協会側からの返答が来ました。通常では考えられない遅さです。

まずはこれまでの流れを踏まえた上で、記事後半に実際に私の元に来た拍子抜けするようなお粗末な返答をご紹介します。

要するに、フェイク・バスターズと拳を振り上げておきながら、実態がいかに空疎なものか、ということです。

フェイク・バスターズの問題点のまとめ

①フェイク本のどこをどうフェイクと判断したのかの根拠を明示しない
②癌の標準治療についてはその両義性を無視して「最良である」とだけノルマルを表示してミスリードを誘発した

の2点が私がまず指摘した点です。現役の職員とも相談の上、このように質問を送りました。

私が実際に送った質問の原文。これで399字。

メディアドクターについては、その団体には申し訳ないけれど、いくら医師といえど、専門外の分野について議論したところで真実には辿り着きようがないし、エビデンスレベルは低いままだということです。フェイク本よりは良くても、NHKの裏付け取材で使って良いレベルでは無い。

「標準治療」については、番組は「標準治療は現時点で科学的に最良な治療法だと知ろう」とノルマルで明示しましたが、かなりミスリードを誘発しやすい表記です。

https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0016/topic046.html

NHK公式サイトより転載

どこがミスリードか?この「標準治療」については、例えば、がん研HPにこうあります。

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります

https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/hyojunchiryo.html#:~:text=%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E7%A7%91%E5%AD%A6,%E3%82%8B%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

このように、「一般的に広く行われている」という意味で医学的に使われることもあることが補足されています。また、現実に癌治療を取材すれば分かることですが、科学的に最良とまでは言えないレベルの消極的な治療が標準治療とされているケースもありますし、また、それが患者にとって最良かは全く別問題ということも踏まえるべきです。

これがニュースの1コーナーならそこまで事を荒立てるには及ばないのですが、表現の自由だの、正しい医療情報だの、エビデンスレベルだのと拳を相当振り上げた番組である以上は、慎重に誤解の無い表現が求められるのは言うまでも無いでしょう。そこがとにかくお粗末だった。

返答だけが目的 魂を売り渡した藤松PD

元々、何の魂も信念も無いのだろうけど、この返答には本当に呆れました。メール全文です。

現物のスクリーンショット

検索にも掛かるように、フルテキストも掲載します。

NHKの番組をご視聴いただき、ありがとうございます。

このたびは番組をご覧いただき誠にありがとうございます。
回答が遅くなり誠に申し訳ありません。
以下、お問い合わせに回答致します。

(質問1)
番組でも紹介したように、新型コロナワクチンに関する本の検証は、「メディアドクター研究会」に協力を依頼しました。同研究会には多数の研究者や医療従事者、医療ジャーナリストなどが参加していて、海外でも使用されている「メディアドクター指標」にもとづいて、医療健康に関するメディアの伝え方を評価検証する活動を15年前から続けています。
新型コロナウイルスやワクチンについては、感染が広がった2020年以降、定期的に検証活動を行っています。今回の本の検証に際しては、メンバーが対象とした10冊を読み込み、引用されている論文や公的情報などと照らし合わせながら内容を確認し、「メディアドクター指標」にもとづいて評価しました。その上で、感染症専門医(国立大学教授)を招いて議論を重ね、最終的な評価結果としました。
その具体的な内容については、番組で紹介したとおりです。
なお番組は「医療情報の見極め方」を主なテーマとしており、特定の本を批判・推奨することは目的としていないため、タイトルや著者名については映像を匿名化してお伝えしました。

(質問2)
標準治療の説明につきましては、国立がん研究センターを含む複数の公的機関や専門家に取材した上で、番組の表現で問題ないことを確認しております。

今後ともNHKの放送やサービスへのご理解をよろしくお願い申し上げます。

「フェイク・バスターズ」担当
NHKふれあいセンター(放送)

Re:8/5放送 フェイク・バスターズ「“出版の自由”と医療情報」についての質問

結局は、魂を売り渡したのか、そもそも何の魂も無かったのか…

詳しく見ていきましょう。

まず、前段の質問①、どういう根拠でフェイク本のどの箇所がどうフェイクだと判断したのか明示してよ、って質問についての回答がコレです。

結局、感染症専門医(誰だか知らんけど)の教授ひとりがレビューしただけじゃないですかね?それでエビデンスのピラミッドがどうとか、おかしいと思わなかったのだろうか。ま、疑えなかったんだろうな、藤松じゃ。

私だけなく、多くの職員を驚かせたのはこの一節です。

番組は「医療情報の見極め方」を主なテーマとしており、特定の本を批判・推奨することは目的としていないため、タイトルや著者名については映像を匿名化してお伝えしました。

フェイク・バスターズってタイトルで拳を振り上げておきながら、「フェイクをバスターするつもりは全く無い」ってどういうことなのでしょうか?そもそも、この番組で「医療情報の見極め方」を得られた人がいるのかも全く分からないんですが… 何百万も受信料を使って何をやってるのだろうか。

後段の癌については、がん研含めた複数の公的機関に確認して問題ないと言質を取ったという言い振りですが、本当かなぁ?CPの方は、藤松PDを疑った方が良いですよ。このノルマルのまま当てたとは私には俄かには信じられないし、医療番組のベテランたちからも懐疑的な声が出ています。

失敗事例を局内で共有し、再発防止のナレッジベース構築を

フェイク・バスターズだとか言ってワーワー騒いだものの、藤松PD・専門外の番組出演者・そして医師の皆さんの雑談を垂れ流しただけ、というのがその結末でした。

こんな低い志だったら、番組名変えなよ。フェイク・バスターズから。

見極め方とか選び方なら、「チョイス」とかどうですか?

すでにあったね。Eテレに。チョイスとフェイク・バスターズを同列にしたらあまりにもチョイス側に失礼なので、私から先にお詫びします。

協会からの返事を受けて、「お問合せフォーム」より、私からは協会に忠告を送っておきました。エンドロールテロップに明記されているとはいえ、藤松翔太郎PD以外の個人名を含むので公開は差し控えますが、NHKの皆さんもよくよく取材のあり方・番組のあり方を見直した方が良いですよ。

(8/11朝追記 お盆休みの影響で局内で回覧されない可能性があるので、私が送ったメールもやはり掲載します)

私から協会へのメール

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