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【性的搾取・麻薬はびこる「テレグラム」…一方でユーザー数が増加】サイバー脅威と政策に関する重要ニュース

こんにちは。S2W NOTE編集です。
今回の記事では、グローバルニュースを元にサイバー脅威や関連政策に関して重要なニュースを抜粋してお届けします。

Darkpediaでも先週ご紹介したように、テレグラムで犯罪が多発しているにも関わらず、韓国でのユーザー数が増加しています。6月4日の韓国メディア『アジア経済』の記事では、テレグラムのイメージに関する世論調査内容が掲載されましたので、続報としてお届けします。

以下、2024年6月4日の韓国のニュースメディア『アジア経済』の記事を翻訳・編集した内容になります。

性的搾取・麻薬犯罪蔓延るテレグラム、ユーザー数は増加

アクティブユーザー300万
国際捜査協力がほぼ不可能
海外でもことごとく規制が失敗

最近「ソウル大学N番部屋」、「麻薬事件」などテレグラムが各種犯罪の温床となっており、テレグラムに対する適切な規制が必要という声が上がっています。
韓国国民の大多数はテレグラムの副作用を懸念していますが、一方でユーザー数は継続して伸びていることが分かりました。

4日、警察関係者は「テレグラムサーバーは捜査協力が効かない。基本的にデジタル・フォレンジックを通じて携帯電話に残っている会話やデータを抽出している。一概には言えないが、ユーザーが削除しても携帯電話の機種、フォレンジックプログラムなどによって回復出来る場合と出来ない場合がある」と説明しました。

テレグラムは2013年、ロシアのニコライ・ドゥーロフとパベル・ドゥーロフ兄弟が開発したメッセンジャーアプリです。テレグラムは他のメッセンジャーと異なり、セキュリティ性が高く、これまで各国に捜査協力を行ったことがないことで広く知られています。
特にシークレット対話の場合、ユーザーのデバイスでメッセージを暗号化するため、中間サーバーから内容を解読することは不可能です。このような特性を利用して犯罪に悪用されるケースが多発しています。

韓国でのテレグラムユーザー数は着実に増加しています。2014年にKakaoTalkのサイバー査察議論が浮上し、テレグラムが初めて注目されました。2022年には、KakaoTalkの通信障害の時に、それに代わるメッセンジャーとして注目されました。

モバイルインデックス(MobileIndex)によると、テレグラムの韓国内の月間アクティブユーザー数(MAU)は2021年4月249万人から2024年4月基準で300万人に20.5%増加したことが確認されました。

国民の大多数はテレグラムのセキュリティの高さを高く評価しながらも犯罪に脆弱であるという否定的な認識を強く持っています。
韓国の世論調査会社エムブレイントレンドモニターが、今年4月9から12日まで全国の満19から69歳までの成人男女1,000人を対象に調査した結果、全体の回答者の62.1%(同意率)はテレグラムのセキュリティとプライバシー機能は他のメッセンジャーに比べ大きな強みだと共感を示しました。
一方で、犯罪に悪用されることが多い(71.9%)、メディアの報道によりイメージが悪い(69.6%)など否定的な見方もありました。

テレグラム利用者に対するイメージも良くありませんでした。周りでテレグラムを利用している人がいれば、なぜ利用するのか聞きたくなるという回答は48.8%に達しました。
テレグラム利用者のイメージとして、秘密が多い(55.1%・重複応答)、不審(37.1%)、信頼できない(26.3%)、非倫理的(23.5%)、非社会的(19.2%)などの順となりました。

イメージ:アジア経済 翻訳・編集

海外でテレグラムに関する規制の試みが何度もありましたが、ことごとく失敗に終わっています。仁荷大学法学専門大学院のチョ・フン教授の論文「テレグラムに対する司法的対応」によると、ドイツは国内法制定を通じてテレグラムから児童虐待・テロと関連捜査協力を受けていますが、これは一部に過ぎず、その基準が不明と評価されています。

ブラジルではアプリ自体をブロックしようとする試みと罰金刑などが行われましたが、テレグラムは捜査協力を行わずユーザー数は却って増加しました。
一方で2020年、インドのデリー高等裁判所は、著作権侵害事件に関連してテレグラム側に被疑者情報を提出するよう命令を下しました。当時、テレグラム側は電話番号、IPアドレス、メールアドレスなどを一週間後に裁判所に提出しましたが、テレグラム側がどのようにして協力に応じたのか真相は明らかにされていません。

チョ教授は「テレグラムのルームとチャネルを技術的・物理的に閉鎖することができるが、また新しいもの(ルームやチャネル)が作られるだろう。アプリをブロックすることも可能だが、直ぐに第2、3の他のものがリリースされるだろう」とし、「ドイツ・ブラジルの方法が妥当なのか、インドの公開命令が適切か、根本的な議論が必要」と指摘しています。