友情論

「友だちは良いものだ」「友だちを大切にしなさい」
ということは多くの人から語られるが、本当なのだろうか?

たしかに友達がいると人生は楽しくなるとは思う。
しかしそれと同じくらい面倒事に巻き込まれるのではないか。

友だちが多い⇒人生が豊かである。
という一般論に異を唱えたい。

人間の自然状態について

まず人間が友達を作る前の自然の状態について。
人間の自然状態とは、個人が一つの国家として独立している状態である。そして国家の関係を見てみると友達のような関係の国はあまりなく、大体戦争している。そう考えると友達って必ず必要な存在なのだろうか?

友情が生まれる条件

次に、なぜ人は友達を作るのかについて話したいと思う。

私たちが友達を作る理由は、生存するためである。
そのため、「友だちはいいものだ」というのは
「友だちは(生存するうえで都合が)いいものだ」
と言うことになる。

そして、友だちができる条件とは、共通の敵もしくは目標が存在することである。学校の友達と言うのは、勉強という共通の敵に対抗するために成立している。そのため、卒業後に疎遠になってしまうということがある。

趣味の友達や、仕事の仲間と言うのは同じものを目指す友達である。また、男女の間に友情が成立しないというのも、お互い目指すものが違うからである。

つまり、友達というのは敵と目標に立ち向かうための一時的なものであり、絶対的な友達というのは存在しない。

ところが、あれ?なんかそんなの関係なしに仲が良い人とかいるよ?と思うかもしれない。

しかしながらそれは孤独という共通の敵に立ち向かうための協力関係であるため、一時的な友達である。

友だちが必要ではなくなる条件

これらのことより、友達が必要ではなくなる条件がわかる。
①一人で生存できること。
②一人で叶えられる目標を持つこと。
③孤独を克服すること。

この中でも③の孤独を克服することが一番大事且難しいことだと思う。

友だちが必要かどうか

友だちとは、人間の価値を決める基準ではなく人生におけるツールの一種であり権力である。

したがって、友達が必要な場合もあるし、必要ではない場合もある。例えば起業してイケイケの会社を作りたいときとか、何か大きなことをしたいときは友達が必要である。また、一人でできる仕事をしたいとか、人間と関わりたくないとか、特に社会的な承認を求めない場合は友達は必要ではない。

このことから「友達が多い⇒豊かな人生」
と言うのは安易な考え方であり、友だちの多さは人生戦略であり、それ以外の何物でもないということがわかる。



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