デスメタルを聴いて人格分裂しそうになった話

ずっと誰かに話そうと、どこかで書こうとしていたけど、誰にも信じてもらえなそうなので心にしまっておいた話。

これは僕が本当に体験した出来事だけど、それを証明する手段はない。

なぜなら僕の脳内で起こり、完結してしまったから。誰も見ていないところで僕に発症して、すぐ終わった体験だから。

なので信じてほしいなんて思わない。ただ、こんな不思議な体験をしたという記録をどこかで残しておきたくて、noteに書いてみただけだ。

だから読む人も、こいつまた意味わかんないこと言ってるなー、くらいの感覚でいてほしい。でも、やっぱりちょっと信じてもらえたら嬉しい。


確か大学1年か2年の時だった。当時僕は、恥ずかしながら「シリアルキラー」という単語を覚えたばかりだった。

多分本当にやることがなくて暇だったのだろう、夜中にwikiでずっとシリアルキラー関連の記事を読み漁っていた。


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食肉用に殺してたとか、処刑場で最後の言葉に「なぜ私はこんなところにいるのでしょう?」と言った人とか、サカキバラとか、その辺りの人物の記事は不謹慎だけど面白かった。同じ人間の思考として信じられないし、純粋に興味深いとも思って読んでいた。

ただ記事を読むのではつまらなくて、僕は音楽を聴いていた。たまたま部屋にあったCD、Carcassというバンドの"Heartwork"を再生した。

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デスメタルの名盤と言われているアルバムで、今でもかなり好きだ。当時入っていたサークルの人は知っているけど、このバンドについて僕が発したある一言について仲間内でめちゃくちゃネタにされたことがある。そんな思い入れある曲を聴いていた。

歌詞は何を言っているのかよく知らないけど、このバンドの音楽は残虐なことで有名だった。確かにサウンドは激しいし、ものすごい残酷なことを歌っているという認識を持って聴いていた。

そうしてこのアルバムを聴きながら記事をずっと読んでいて、30分くらい没頭していたと思う。夜中で少し眠かったこともあって、半ばトランス状態のようになっていた。

記事の内容は頭にスッと入ってくるのにどこかぼーっとして、読むのをやめられなくなっていたその時だった、ふと、形容し難い不思議な感覚に襲われた。

今までにない不快感、嫌悪感に襲われた。意味が分からなくて怖かったが、とにかくマズいことだけはわかった。それは無理矢理言葉で表現しようとするなら、「自分の中からもう一つの人格が湧き上がってくるような感覚」だった。

そんなの感じたことないのにわかる訳がないだろ、と思うかもしれないが、なぜかその瞬間はその表現がすぐに浮かんできて、ピタリと当てはまっていた。

なぜそれをすぐに止められたのか今でも本当に不思議だ。今の状況がマズいことを本能で察して、どうすれば治るのか初めから理解していたかのようだった。何を思ったか僕はすぐに一階の洗面所へ駆け出した。「とにかく鏡だ」と思ったのだ。僕は洗面所で鏡を見るや否や「これは僕だ、自分は僕だけだ」とひたすら心の中で唱え続けた。

すると例の感覚はスーッと引いていき、頭が徐々に冷静さを取り戻していった。息は切れて、ずっと心臓はバクバクしていた。感覚が発症してから多分1分も経たないほど、短い間の出来事だったと思う。その後は怖くなってすぐに寝て、何の変哲もなく生活を送ってきた。


どうしてこんなことが起こったのか、今でも全く分からない。殺人鬼の記事を読んで、残酷な音楽を聴いていたから?脳が何かしらの影響を受けておかしくなってしまったのか?ただの厨二病的な痛い思考か?誰か脳科学あたりのスペシャリストがこの体験談を読んで、科学的説明をしてくれたらものすごく嬉しい。

また、同じような感覚に襲われたことがあるとか、実はよくある話だったとかの意見も聞けたら面白いと思う。だけど、正直こんな体験自分以外はしていないだろうと思っている。

以上、ただ体験談を文章にしておきたかった僕の自己満足でした。貴重な時間を割いて最後まで読んでくれた方がいたら、心からありがとうございます。もし少しでも面白いと思ってくれていたら幸いです。

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