NOPEを観て

お久しぶりです。


NOPEを観て

映画館でNOPEを観てきました。


その感想です。ネタバレ注意。




ジャンルとしてはSFホラーです。アメリカの田舎にある映画の役者としての馬を調教する牧場が舞台となります。

主な登場人物は

OJ  
半年前に落下した異物と衝突するという最悪の奇跡によって父を亡くし、牧場を引き継ぐ事となる。
妹のエメラルドと一緒に牧場経営を行うがなかなか上手くいかず、馬を手放して細々と生きていこうとする。

エメラルド
OJの妹。仕事はダンサーから俳優業まで幅広くやっている。感情的になりやすいが兄想い。
兄と共同経営しながら父から引き継いだ牧場を経営するも、なかなか上手くいっていない。
兄が父の死因になった異物の落下は飛行機事故ではなく、雲の上にいる、ナニカであるという話を聞き、バズる動画を撮って儲けようとする。

エンジェル
家電量販店の販売員。二人がバズり動画を撮るために監視カメラを買いに行ったところで出会った。
二人の牧場にカメラを設置したり、思ったより未確認飛行物体について肯定的だったりするも、二人からかなり雑に扱われる。
最近4年付き合ってた彼女に振られた。

リッキー・ジュープ・パーク

OJの牧場から馬を買い取っているウエスタンを題材にしたテーマパーク、ジュピターの経営者。
子役時代に出たチンパンジーが主役のコメディドラマの撮影中、突然ブチギレたチンパンジーのゴーディが他の共演者を皆殺しにする最悪の奇跡の現場を目の前にして深いトラウマを植え付けられる。空に居る何かを御そうとしている描写が見受けられる。既婚者。

アントラーズ・ホルスト

不可能を撮影すると謳われた著名な撮影監督。エメラルドに空に居る何かの撮影を持ちかけられた時は夢を見過ぎだと忠告したりするも、ジュピターの観客が失踪する事件を期に、空の何かを確信、撮影に乗り出す。


ヘリウッド牧場はハリウッド映画に普段から調教した馬を提供し、生計を立てている牧場です。
物語の始まる半年前、牧場で仕事をしていた牧場主(主人公の父親)が空から落ちてきた金属片にぶつかり亡くなってしまいます。

そこで主人公のOJ(オースティン・ジュニア)は牧場を引き継ぎ映画に出す馬の調教をします。しかしながら、父程上手く立ち回れず、なかなか映画の仕事がもらえません。
妹のエメラルド(愛称エム)と共に交渉するもなかなか上手くいきません。

仕方なくOJは近所にあるウエスタンのテーマパーク、ジュピターに馬を売る事でなんとか食い繋いでいきます。

この辺り、OJは自分が父に及ばないと思っているからか、なかなか上手く仕事が取れず、仕方なしに馬を手放していくところでちょくちょく妹と衝突したりしてるのがいいですね。
OJは調教師としての技量は確かで、動物の習性を見抜く力も秀でて居ます。後々空に居る何かの正体を考察し、対策を講じて撮影するための方法まで導き出します。
基本的に動物側に寄り添っているんですね。
映画撮影の時も、馬に負担がかからないよう、休憩を挟みつつやりたいとか。ただ、撮影クルー側との立場の関係で強く出れなく、そのせいで仕事がもらえなかったりするんですよね。
妹は牧場は副業といったりするも、兄が苦渋の決断で馬を手放す時等、本当は手放したく無い兄を心配したりします。

ジュピターの経営者のリッキーはかつて子役としてシットコムのゴーディホームで主役のチンパンジーが起こした惨劇によって深いトラウマを負っています。
ゴーディホームで使われたアイテムを飾る部屋まで用意してあるあたり、彼の中にかなり深く刺さってたんでしょうね。
そのトラウマシーンがちょくちょく映るんですが、ソファーの陰から倒れた女性の足だけ見えててちょっと呻いているとゴーディがさらに攻撃を加えて沈黙するシーンは、本作で1番怖かったかもしれない。
ここ、最悪のETしようとするシーンがあるんですけど、それも直前でゴーディが射殺されて終わります。

これ観てて思い出したのが、ホラーゲームにTATTLETAILというのがあるんですよ。
内容としてはファービーみたいなオモチャがクリスマスプレゼントに貰えるんですが、主人公はこのクリスマスプレゼントをクリスマス前に見つけようとする。ってゲームです。
この中でCMが流れるんですけど、最初は普通にファービーみたいなオモチャの宣伝なんですけど、何回か見ると、CMで映ってるソファーの後ろに人が倒れて居て足だけが映ってる。ってなるんですが、アレに近い怖さでした。
ノープも見えないけど、チンパンジーの腕の血から察してエグいことになってるんだろうな…って。
見せない事が想像力を引き出してより怖くなる。と言うのは、作中で空に居る何かについても言えます。

最初は空に居る何かは宇宙人の乗り物であるUFOであると考えて監視カメラを購入し、セールスマンのエンジェルに取り付けさせます。この時、エンジェルはオカルトに傾倒して居るのかテレビで見たUFOの話やらをして二人からかなり雑な扱いを受けます。
多分本人はまじめにそう言う話好きなだけだったんだろうけど、明らかにバズる動画ネタ横取りしようとしてるように見えたから警戒されちゃったんだろうね。
監視カメラをセットして、さらに片方がダメになってももう片方のカメラで撮影出来ると言う対策も講じて挑みます。
しかし、奴はだいたい夜中に襲来するし、なんと真下に入ると電力が使えなくなると言う人類メタを貼ってきて、カメラもあまり役に立たないしまつ。

そこでエメラルドは映画業界の進行表から著名な撮影監督のホルストに連絡を取り付け、撮影してもらおうとしますが、全く相手にされません。

仕方ないのでそのまま撮影しようと試みます。

そのうち、リッキーが経営するテーマパークのジュピターにて新しいショーが行われます。そのショーとは、空の上の何かと交信を試みようとするものでした。

リッキーもまた、空の上の何かに気がついて居た人だったのでしょう。
ただ、御せるとふんでいた空の上の何かは、宇宙人の飛行船などではなく、人間を餌としか見ていない未確認生物だったのです。
そして、その何かは目が合った存在を捕食する特性があります。
リッキーを含むショーの観客全員があっという間に捕食され、悲鳴だけが響き渡ります。


この惨劇と時を同じくしてOJは売った馬を取り戻そうとジュピターに行きます。
ジュピターに着いたOJはひとっこ一人居ないジュピターに不穏な空気を感じながらステージまで行きます。
そして、空の上のソレの正体を知るのです。

この映画、空を見上げてはならない。と言うキャッチコピーが使われていますが、空を見上げるとコイツと目が合って、そうすると捕食対象になるからでした。

途中まで宇宙人かと思わせておいてまさかのUMAです。生き物でした。

しかし、これが生き物である事がわかると、OJの調教師としての力量が輝きます。
OJは普段から馬を調教して映画で活躍させる事を生業としています。
相手が生物なら未確認生物でも活躍させようとします。

翌日、早くもジュピターで集団失踪がニュースになり、一度はエメラルドの依頼を断ったホルストもこのニュースを聞き、良い映像が撮れる確信を持って牧場にやってきます。

そしてOJ、エメラルド、巻き込まれたエンジェルの3人に、映像を撮るなら1日2日で決めないと他の野次馬がやって来ると、その前に不可能を撮ってやろうと話が纏まります。

OJは空の上のやつは、生き物である事、生物は消化できるけど、旗や木馬は器官が詰まってダメージを負う事を見抜き、活動する範囲で電気が止まる地帯が出来る点を利用して、視認せずにどこに居るのかを確認する方法、旗を掲げる事で行動を操る事提案し、ホルスト、エメラルド、エンジェルと力を合わせて撮影に乗り出します。

四人は無事に撮影する事が出来るのか…

と言う映画です。
ジョーダンピールの作品は初めて観ましたが,単純な宇宙人ものかと思わせて、実際は生物が空に縄張り作ってて単に捕食作業してるだけだったり、生物だと看破した後のOJの観察力で弱点と行動方式を導き出して撮影するために上手くやろうとするところとか、観てて面白かったです。

ただ、アレを撮影して、テレビ局に送っても、フェイクじゃ無いよってなかなか難しいだろうな。とは思う。

あと、1番最初に曳き馬を自動でする装置が出てくるんですけど、アメリカの不退転マシーンってあんな感じなんだな。ってなりました。

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