ダージリン京子

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結婚式は誰のためのものか

 話題が話題なので、まず前提として、私は人の結婚式に出るのは好きなのだと強調しておきます。普段よりうきうきする服とメイクとヘアセットと靴、きらびやかな花やテーブルセット、おいしいご飯、そして友人の一つの人生の節目に立ち会えること。どれも好きなのです。  裏方できびきび働く人たちも、目立たないように自分の仕事をしていて素敵です。そのうえで、私は思うのです。  自分の結婚式は別にええかなと。  経済を回せないのは申し訳ないけれど、実際のところ結婚式当日までの雑務があまりに多く

    • 『うっせぇわ』に何か感情を揺さぶられた人へ

       流行りというのはチェックできているととても楽しい。理解できるかは別として、世界と切り離されずに生きてる気がする。というわけでヤフーニュースで3回くらい取り上げられていた『うっせぇわ』への感想を書く。  感想。いくつか抜粋して簡単にまとめたい。 Ado『うっせぇわ』 Aメロ:せやな。 Bメロ:せやったわ。 サビ:せやねん。 総括:ほんまやな。  タイトルで何か批判的な内容に思えたならすまない。この曲を聞いて対立構図を作ったところであんまり意味がないでしょ?と思うのだ。

      • 転職でそれなりに健康になった人間の、死にそうでぼろぼろだった時の話

         ちょっと前まで体を壊して休んでいた。そこから転職して仕事を無理やり再開したけれど、転職先で何とか軌道に乗ったかなぁと思えたので、気を抜けば何でもやりたがる自分の戒めのために覚書として。  タイトルにも書いたけれど、だいたい9か月前くらい前は死にそうな時期だった。何をしても疲れたし、起きている時間がともかくしんどかった。  仕事ができない自分、納税の義務も果たせていない自分。社会不適合すぎて笑えなかった。健康保険料はこれまで払ってきたんだから休んでる期間の少々くらい働かない

        • アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』

          ※身内向け。ネタバレがたくさんあるのでもしたまたま見かけたという方は気を付けてね ハヤカワ文庫(1979) てっきり新訳かと思ってたけれど違った。これ準拠で感想書いてます。  昔『我はロボット』を読んだとき、特に大した感動を覚えなかったことを覚えている。作中のロボットが面白みがなくて、この本読むなら『火の鳥』のロビタのエピソードをまとめたやつを読む方が絶対楽しいし、ロビタはかわいい。まとめると、キャラクターが立っていないから好みではなかったのだと思う。  ずいぶんと前置

        結婚式は誰のためのものか

          遊戯王VRAINS75話がショック(ネタバレ)

          遊戯王はみんなご存知の通りカードゲームアニメだ。 販促の面がありながらも、骨太なストーリー、奇抜な髪型、愉快なネタ、美麗な顔といった多様な側面を持ち合わせた鬼コンテンツなのだ。カードが売れれば枠が取れる。枠が取れるから掘り下げがたっぷりできる。 カードゲームのアニメなのだから、コミュニケーションのツールとして当然デュエルは至高の存在である。デュエルタクティクス以外で勝敗に影響するものはせいぜい精神面くらいだ。強い心があれば必ずデッキは応えてくれる。精神攻撃(トラウマをえぐ

          遊戯王VRAINS75話がショック(ネタバレ)

          綿矢りさと日常のしょーもない悩みとデュエル脳

           私は遊戯王が好きだ。カードゲームアニメが好きだ。ご都合主義の極地と言われればそれまでだが、カードゲームを通じた交流というか精神の殴り合いが大好きなのだ。  「フューチャーカードバディファイト(確か1期42話)」と いう作品の中にこういう話があった。要点だけまとめるとこうである。 ①クラスのぼっちくんと主人公が仲良くなる。 ②主人公は太陽の化身なので誰とでも仲良くなる。一方ぼっちくんはなかなか友達ができない。 ③ぼっちくん、悪の手先にそそのかされインチキデッキをつかって戦う

          綿矢りさと日常のしょーもない悩みとデュエル脳

          「亜美ちゃんは美人」綿矢りさ

           文庫版『かわいそうだね?』の表紙を見てほしい。表紙で内容を想像させるに至る、めっちゃよく出来ている最高の表紙だと思っている。著者が綿矢りさ、裏のあとがき、そして極めつけのこの表紙。最高だと思う。  だって結婚式によく使われるような演技のいい水色、なんならティ〇ァニーを想像させる色、結婚式のテーブルを飾っていそうな演技のよさそうな花、結婚式に参列するときに使いたい華奢でピンク色のかわいい靴。なのに靴は真ん中からまっぷたつ。摩擦で薄皮だけ剥けちゃって、つい水を避けちゃうような約

          「亜美ちゃんは美人」綿矢りさ

          『かわいそうだね?』綿矢りさ

          ※内輪用の文章なので、表題作のネタバレを大いに含みます。  知らない人がもし来てしまったら、まず来ないでしょうけれど、ご承知くださいませ。  表題の本を課題作にした理由が、今となってはもう思い出せない。たぶん、その時はこの作品に対して「Aである」と言い切れるくらい、確固たる何かがあったんだと思う。たしか、前の夏の同期会に飲み会する時に読書会しようってなって、その時に挙げたけど数の関係で辞めたのだ。昔わざわざ挙げた本だから、きっとすぐにレジュメも書けるだろうと高をくくっていた

          『かわいそうだね?』綿矢りさ