見出し画像

#10 命日。

今日は大好きだったおばあちゃん(以下あーちゃん)の命日。
享年98歳。大往生だった。
亡くなったのは、2年前。

亡くなる5年前くらいから認知症を患っており、僕ら家族の事はわからなくなっていたが、年に1度娘も連れて行くと、とても喜んでくれた。

その頃からあーちゃんはグループホームに入所しており、子供の頃、長期休みになると訪れていた大好きなあーちゃん家であーちゃんの不味いご飯も、でかいゴキブリやクモが出るお風呂に入る事も、蚊帳の中で布団敷いてもらって兄弟と川の字になって寝ることも、もうできないんだ。

僕の家族は親戚が少ない。
お盆や正月でも親戚で集まることは滅多にない、従兄弟とか写真でしか記憶にない、でも、それには訳があった。
そんなこと僕は25歳になるまで知らなかった。

僕の父が事業に失敗し、親戚からお金を借り続け、あーちゃんの財産をほぼ全額使い込み、挙げ句の果てには実家の抵当権を担保に入れてまで、お金を借りて、そのまま一時音信不通となってしまい、親戚一同から大反感を買ってしまっていた。

そんな話をたまたま会った叔父さんから聞かされ「もう、ヒロキ君達もここには来ないでくれ」と言われたことがあった。「申し訳ありませんでした」僕は深々と頭を下げて謝罪した。もう親戚の方とは会えないんだな、寂しい気持ちになったのを今でも覚えてる。

そして老衰であーちゃんが亡くなった知らせを受け、何十年ぶりかに親戚一同が集まった。そこには父もいた。父は長男なので、本来喪主を務めるはずだが、次男の叔父さんが務められていた。訪ねもしないが、察しはついた。きっといくつかの約束を交わし、表面上は和解したのだろう。僕は凄く嬉しかった、だって皆笑っていたから。幼い子供達を見守る優しい表情、お酒を酌み交わし、あーちゃんの思い出話に花を咲かせ、ちゃんと皆揃ってあーちゃんを見送ることができた。

占いとか運勢とかそんなに信用してないけど、そういうスピリチュアルの方からよく言われるのは「女性のご先祖様が貴方を護ってくれている」あーちゃんも僕の事、見守ってくれてるのかな、そう思うと勇気が湧いてくるよ。

報告しなきゃいけないこともあるんだ。
10/29に3人目の娘が産まれたんだよ。

明日、お墓参りに行くから楽しみに待っててね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?